普段マンガを読んでいますか? 社会人ならビジネス書を読む機会は増えると思いますが、マンガの中にもビジネスに関する名作はたくさんあります。そこで今回は梅雨時期のおうち時間や通勤時間に読むのにオススメのマンガ作品を紹介します。

働きマン

お仕事マンガ大ヒットの走りとも言えるのが、安野モヨコ氏による『働きマン』(講談社)。2004年に連載を開始し、アニメ、テレビドラマ化もされた作品です。

主人公は出版社で雑誌編集者としてバリバリ働く松方弘子、28歳。恋愛やプライベートそっちのけで仕事に没頭する姿はまさに「働きマン」。男だらけ、昼も夜もないハードな働き方の中で、悩みながらもやりがいを感じつつ働く主人公と個性豊かな周辺の人々を描いています。
今のご時世では「ブラック」と言われてしまうようなハードなシチュエーション。ですが、「働くとは何か」を日々悩みながらそれぞれの価値観で全力で仕事に向き合う姿に、自分の仕事観を重ね合わせて考えたくなる作品です。

参考:働きマン | MOYOCO ANNO

キングダム

第17回手塚治虫文化賞マンガ大賞を受賞し、各界のリーダーや経営者の中にもファンが多いと言われる『キングダム』(集英社)。2006年に連載開始し、2011年にはテレビアニメ化、2018年には山﨑賢人を主演に実写映画化され、さらに人気を博している作品です。

時は紀元前3世紀の古代中国。500年の大戦争時代が続く中国で生きる身寄りのない孤児 信が、後の始皇帝となる秦国の若き王・嬴政(えいせい)とともに、自らの腕で天下に名を成すことを目指すストーリーです。
中国史がもとになっていると聞くと手に取りにくい方もいるかもしれませんが、乱世を生き抜き中華統一を目指す中で見せる、「戦略と戦術」とは、多様性社会での「リーダーシップ」とは、部下を育てる「人材育成」とはーー。これらは移り変わりの激しい現代にある企業やスタートアップの成長・生き残りにも通じる部分があります。

「今、一番売れている、ビジネス書。」というキャンペーンでも話題を呼び、新しい形のビジネス書として注目を集めています。

参考:
キングダム特設サイト|週刊ヤングジャンプ公式サイト

仕掛け人が明かした『キングダム』がビジネス書として売れたワケ (2ページ目):日経ビジネス電子版

左利きのエレン

Twitterなどで話題になっていたので、読んだことのある方もいるのではないでしょうか。
『左利きのエレン』(ピースオブケイクス)は、クリエイター投稿型の電子メディア「cakes」にて連載された、かっぴー氏によるWebマンガです。

大手広告代理店に勤める駆け出しのデザイナー 朝倉光一は、いつか有名になることを夢みてがむしゃらに働く毎日を過ごす。一流のデザイナーになるために死に物狂いで頑張るが、報われない日々。なりたい自分になれないくやしさ。天才と凡人との埋まらない溝。それを妬む自分。理想と現実の狭間で揺れ動く光一の心が、読者の“あの頃の自分”と少なからずシンクロするものがあります。

絵は下手だけど心に刺さるストーリー性、現実と回想が入り混じる不思議な展開、広告代理店のクリエイターというリアルな世界観に多くの読者が引き込まれました。

参考:左ききのエレン|かっぴー|cakes(ケイクス)

重版出来!

松田奈緒子氏による『重版出来!』(小学館)の舞台は、タイトルから想像の通り、出版社のコミック誌編集部。漫画家と、それを支える編集、宣伝、営業、デザイナー、書店員、いわゆる裏方の世界を描いた作品です。

漫画というクリエイティブな作品も、ただ作品が素晴らしいだけでは売れない。編集者を通して読者を想像し、デザインや宣伝、書店を通して雑誌という媒体で商品化されてはじめて価値が生まれる。どんなにいいと思っている作品も、売れなければ意味がない。まさに、出版不況の最中で他人事ではありません。

主人公の猪突猛進で仕事に熱く取り組む姿勢がコミカルに描かれていますが、シビアなビジネスの世界でクリエイティブはどうあるべきか、クリエイティブを生かす仕事にどう向き合うかという視点でも面白く読める作品です。

参考:
重版出来! | 書籍 | 小学館

ドラマ『重版出来』から見る「クリエイティブとビジネスのはざま」の正体とは?|ともぞう|note

銀の匙

『鋼の錬金術師』で一世を風靡した荒川弘氏による、北海道の農業高等学校を舞台とした学園漫画『銀の匙』(小学館)。著者自身が北海道出身で農業高校を卒業し、家業の酪農を手伝っていたことからも、作品はフィクションでありノンフィクションとも言える作品です。

札幌の私立高校で学歴社会にも揉まれていた八軒 勇吾は受験に失敗。それを機に逃げるように農業高校へ進学します。目的もなく漠然と入学した世界で勇吾が出会うのは、「家業を継ぎたい」「獣医になりたい」「親の工場を大きくしたい」様々な目的や希望をもった同世代達。

しかし厳しい農業の世界、どんな夢にも覚悟がいる。高校生の力ではどうすることもできない不可抗力から目前にして打ち砕かれる夢、夢と家業の狭間で揺れる仲間。夢は描いてからが本当の戦いということを思い知らされます。

また、農業という自然と生き物に向き合うシビアな世界の中で、ビジネスをすることの厳しさを実感させられるのもこの作品の見どころ。命をいただくということ、愛着をもった動物が商品に変わるときの葛藤など、食のビジネスに携わる方なら一度読んでみると良い作品です。

参考:銀の匙 Silver Spoon(エゾノー)〈公式サイト〉|小学館

ビジネス視点で新たな発見を

マンガはエンターテインメントとして読むだけでなく、ビジネス視点で読んでみると新たな発見があります。自宅で過ごす時間が長くなっている今の時期に、マンガでビジネス脳を育んでみるのも良いでしょう。

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