動画広告の市場規模は年々大きくなっており、今後さらなる成長が予測されています。そのうちのほとんどがスマートフォン向けの広告であり、多くの企業がモバイル向けの動画広告配信に注目しているのです。ただし、動画広告は、出演者の起用や撮影コスト、制作時間が長くかかることを懸念するプロモーション担当者も多いでしょう。

そこで、人気を集めているのがアニメーション広告です。アニメーション広告は、意図がユーザーに伝わりやすく、前述したモデルが出演する動画広告のデメリットを払拭できます。しかも、外注コストをかけず社内で簡単に利用できるツールも存在するのです。記事では、アニメーション動画作成ツールをピックアップし、それぞれのツールの特徴を紹介します。導入検討の参考にしてみてください。

アニメーション動画作成ツール5選

今回ピックアップしたアニメーション動画作成ツールは、無料で使えるものから有料のものまでさまざまです。日本語に対応していなくても、それほど操作が難しいとは感じないでしょう。

1. VYOND(ビヨンド)

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出典:VYOND

【特徴】
「VYOND」は、ソフトウェアをインストールせずに利用できるクラウド型のアニメーション制作ツールです。インターネットに接続でき、ブラウザを利用できれば、どこにいてもアニメーション動画制作ができます。テンプレートが豊富に用意されているので、制作時間を短縮できるだけではなく、ビギナーでも洗練されたアニメーションの制作が可能です。

また、VYONDはビジネス利用を想定しているツールであり、手書きをイメージした「ホワイトボードアニメーション」やキャラクターの動きが魅力の「ビジネスフレンドリー」、数値を伝えやすい「チャートアニメーション」が用意されています。さまざまなシーンに合わせたデザインを搭載しているので、ほとんどのケースに対応できるでしょう。

【利用料】
VYOND Professional annual(1年プラン):150,000円(税別)
※ユーザー数:1シートの場合

テレワーク時代に必須!オンライン動画を内製化できる「PRアニメ作成ツール」とは?

テレワーク時代に必須!オンライン動画を内製化できる「PRアニメ作成ツール」とは?

動画作成に関するハードルをクリアしつつ、高品質で伝わりやすいコンテンツをリーズナブルかつ簡単に内製化するための鍵が「アニメ」です。一見、実写よりもさらにハードルが高そうに思えますが、動画マーケティング用に作られたツールを使えばパワーポイントで資料を作るような感覚でアニメのプロモーション動画が作れます。この記事では、今注目のPRアニメ作成ツール「VYOND」をご紹介。

2. Videoscribe

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出典:Videoscribe

【特徴】
「Videoscribe」はビジネス向けのアニメーション動画制作ツールです。ホワイトボードアニメーションに定評があり、PR動画からプレゼンテーションへの利用など、さまざまなシーンに対応できます。あらかじめイラストが多数登録されているので、素材に困ることはありません。また、グラフの表示もExcelを使わずとも可能なのでビジネス向けの表現に強いのです。

デメリットは、日本語のテキスト入力ができないこと。そのため、画像データにあらかじめテキストを入力しておくなどの工夫が必要です。使い方に関しても、日本語に対応していないので、英語を理解できなければいけません。しかしながら、想像がつく程度の英語を使用しているので利用には大きな支障は少ないと言えるでしょう。感覚的な操作で使えるツールです。

【利用料】
Yearly Plan(1年プラン):月額14ドル
※ユーザー数:1の場合

3. Animatron

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出典:Animatron

【特徴】
「Animatron」は無料プランがあるアニメーション動画制作ツールです。マウスだけの操作で簡単にアニメーション動画を制作できます。素材を選択し、アニメーション効果をつけるだけの作業なので、難しいと感じることはありません。アニメーション効果は確認しながらベストなものを選択できるので、この工程が楽しい悩みになりそうです。ただし、日本語に対応していないので、英語を読みながら操作をする必要があります。

有料プランの場合は、ロイヤリティフリーの動画や音声の素材が多数利用できますが、フリープランにはありません。また、フリープランは5つまでしかプロジェクトを使用できないことや、ストレージの容量が2GBと小さいといった制限があります。

【利用料】
Pro:月額15ドル
※機能制限付きのフリープランあり

4.Animaker

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出典:Animaker

【特徴】
「Animaker」は、プロレベルの高度なアニメーション動画が誰にでも作れます。多くのグローバルカンパニーに愛用されているツールです。6種類の動画スタイルを組み合わせると、720種類のアニメーションを作成できるバリエーションの広さも魅力的でしょう。例えば、ホワイトボード動画を作る場合でも、テンプレートの利用もしくは完全にオリジナルを作るかを決めて、キャラクターや音楽、テキスト編集を行うだけで動画が完成します。プレゼンテーションや研修など発想次第で豊富な用途に利用できるのです。特にキャラクターのデザイン性が高いので、見栄えの良い動画が作れるでしょう。

料金プランによって、再生時間やエクスポート可能数が異なります。また、キャラクターやプロップの利用可能数にも差があるので、どれくらい利用するかを想定しなければいけません。無料プランは制限があり、最小限しか使えないものの、利用内容によっては十分活用できそうです。

【利用料】
ビジネスプラン(年払いの場合):月額39ドルが一番人気
※機能制限付きの無料プランありだが商用利用不可

5. Powtoon

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出典:Powtoon

【特徴】
「Powtoon」は、マーケティングやセールスなどさまざまなテーマのテンプレートが搭載されており、ハイセンスなアニメーション動画を簡単に制作できます。シンプルなインターフェースと直感的な操作性で、英語表示とはいえパワーポイントが使える人なら誰でもすぐに操作可能でしょう。クラウド型のサービスなので、インターネットに接続したブラウザさえあれば利用できます。さまざまな企業に活用されている優れたツールです。

最大3分までの動画しか作れず、ストレージは100MBしか使えませんが、フリープランがあります。操作性を試してから、本格的な導入を検討できるので便利です。

【利用料】
PRO:月額19ドル
※機能制限付きのフリープランあり
※法人向けプランあり

ツール比較

これまで紹介したアニメーション動画ツールの中から、以下のテーマにフォーカスして優れているものをピックアップしました。

使いやすさ

アニメーション動画に日本語フォントが使えるVYONDは、特に使い勝手が良いと言えます。どのサービスもテンプレートが多数用意されていますが、VYONDも数百種類の素材が使えますので、日本向けのアニメーション動画制作には最適ではないでしょうか。操作性や機能においても多くのユーザーからの支持を集めている優秀なサービスです。価格以外の面では多くのニーズを満たせるでしょう。

インターフェース

VYONDのオールマイティさは、インターフェースにおいても力を発揮しています。シンプルさで言えば、VideoscribeやPowtoonも優れているでしょう。英語表記であることを感じさせないわかりやすさですので、初心者でもあまり困ることはないはずです。特にPowtoonのインターフェースは、パワーポイントを使ったことのある人なら、感覚的に馴染みやすいでしょう。アイコンもとてもわかりやすいです。

デザイン

デザインは好みによりますが、完成度が高く海外らしいイメージに溢れるAnimakerは素人っぽさを感じさせません。海外でよく見かけるアニメーションという印象です。もう少しビジネスムードを強くしたいならVideoscribeもオススメできます。やはり海外っぽさはありますが、誰にでもビジネス色が濃いカッコいいアニメーション動画を作成できるでしょう。デザインは広告の内容によるので、素材のテイストを確認しておく必要があります。

コスト

無料プランがあるアニメーション動画ツールは、Animatron、Powtoon、Animakerです。ただし、Animakerの無料プランは商用利用不可になっているので注意しましょう。無料プランは、一見お得に見えますが、今回ピックアップしたツールは、どれも機能制限があります。ストレージの容量や制作できる動画の長さ、利用可能なテンプレートの数などです。特にテンプレートの数は、簡単に動画制作をしたい人にとっては不自由さを感じるかもしれません。

そのような中、Videoscribeは有料プランでも比較的安価でありコストパフォーマンスに優れていると言えるでしょう。

予算を考慮して気になるツールのトライアルをしてみよう

今回紹介した以外にもアニメーション動画ツールはたくさんあります。今回はアニメーション広告の制作以外でも研修やプレゼンテーションなどにも使えるツールをピックアップしました。素材も多数搭載していますので、操作に慣れておくとさまざまなシーンで役立つでしょう。

最近とても人気があるVYONDは、やはり優れたツールであることは間違いありませんが、その分コストが高くなってしまいます。予算がハードルになるようでしたら、Videoscribeあたりが妥当と感じる人も多いでしょう。まずは短期間のフリートライアルや無料版を活用して、早速自社のニーズにマッチするか試してみてはいかがでしょうか。

知っておきたい「アニメーション広告」の基本

「アニメーション広告」とは? 知っておきたいメリット・デメリット

「アニメーション広告」とは? 知っておきたいメリット・デメリット

動画広告のなかでも、アニメーション広告は比較的ウェブサイトとの親和性が高いと言われています。マーケターがWebなどを中心に広告戦略を打ち出す上で、アニメーション広告にはどんなメリット・デメリットがあるのでしょうか?せっかく時間とお金を投資して作る動画広告。企業としてトライする前に、その特徴やメリットをしっかりと把握して、最大限有効活用していきましょう。