2020年5月にGoogleがコアアップデートを実施したことは記憶に新しいでしょう。今年になってからは2回目でしたが、Googleはこれまで多くのコアアップデートが実施しています。

しかし、最近Web担当者になった方は、昔のコアアップデートに、あまり馴染みがないでしょう。そこで今回は、Googleのコアアップデートの歴史をわかりやすく整理しました。

この記事をご覧いただくと、Googleがこれまで実施したコアアップデートの中でも歴史に残る有名なものを把握できます。Googleが、どのような意図でアップデートを行ったのか見えてくるのではないでしょうか。

コアアップデートについて

コアアップデートとは、Googleが年に数回ほど、検索アルゴリズムとシステムに大きな変更を加えることです。コアアップデートを実施する目的は、Googleが関連性が高く権威のあるコンテンツをユーザーに提供することであり、実施により掲載順位の上下が生じるWebサイトもあります。アップデートの内容は様々ですが、ユーザーが検索意図に合致したコンテンツを見つけられるように最適化し続けていることは変わりません。コンテンツの品質に基づいて掲載順位を決定しているので、ユーザーにとって価値が高いコンテンツを作成することが大切です。

コアアップデートは2020年になって2回実施されています。直近では5月に実施されており「The May 2020 Core Update」と呼ばれています。

Google のコア アップデートについてウェブマスターの皆様が知っておくべきこと|Google ウェブマスター向け公式ブログ

歴史に残る主なコアアップデート

さて、SEOを知るなら必須とも言える有名なコアアップデートをご紹介します。ユニークな名称のものが多数ありますので、聞いたことがあるアップデートも多いでしょう。

パンダアップデート(2011年)

パンダアップデートは、2011年に実施された特に有名なアップデートです。そのユニークな名称から多くの人に知られています。Webサイトの品質が順位に影響するのが特徴であり、ユーザーにとって低品質のWebサイトは順位が下がり、高品質であれば順位が上昇します。低品質というのは、コピーコンテンツや自動作成された無意味なコンテンツなどです。アフィリエイトプログラムに参加し、他のWebサイトとの差別化がない内容になっている場合も品質が低いと見なされる場合もあります。パンダアップデートが実施される前に上位を取得していた価値が低いサイトは大きな影響を受けました。

フレッシュネスアップデート(2011年)

フレッシュネスアップデートは、タイムリーな情報を検索結果の上位に表示するアップデートです。ユーザーが求めている新鮮な情報を掲載したページを優先的に表示し、利便性を向上しました。例えば、毎年行っている大会があり今年の情報を調べるために検索をしても、検索結果の上位に表示されるのが、5年前や10年前の情報ではユーザーにとって不便になってしまうのです。

ペンギンアップデート(2012年)

ペンギンアップデートパンダアップデートと同じくらい認知度の高いアップデートです。低品質な被リンクを集め、検索順位を上昇させようとしているWebサイトが影響を受け、順位が下がりました。いわゆるブラックハットSEOを実施するWebサイトが淘汰されるアップデートです。ペンギンアップデートは2012年4月から数年にわたり何度も行われました。

ペイデイローンアップデート(2013年)

ペイデイローンアップデートは、金融系やアダルト系、クレジット系などのキーワード検索を行った際に、低品質なWebサイトが上位に表示されてしまうのを防ぐためのアップデートです。ペイデイローンアップデートという名称はGoogle公式ではなく通称です。

ハミングバードアップデート(2013年)

ハミングバードアップデートは、ユーザーの検索意図にマッチした結果を表示しやすくしたアップデートです。これは大きな利便性の向上であり、会話型検索の性能が向上したのです。ユーザーが入力した検索語句に対し、単にキーワードの組み合わせから結果を表示するのではなく、文脈から検索意図を読み取ることが可能になったということです。低品質なWebサイトの検索順位を下げたパンダアップデートペンギンアップデートとは異なる、利便性向上のアップデートと言えるでしょう。

ピジョンアップデート(2014年)

ピジョンアップデートは、ローカル検索の精度を高めるアップデートです。通常の検索とローカル検索のアルゴリズムの関係性を高めて、ローカル検索を改善しました。地域名をキーワードにした際の名称の揺れにも対応することで、ユーザーの利便性が向上しました。また、検索結果に7パックと呼ばれる7つの情報表示が3つもしくは表示しないという仕様変更もピジョンアップデートからです。

ベニスアップデート(2014年)

ベニスアップデートは、ユーザーの位置情報をもとに最適な検索結果を表示するものです。つまり、検索時にエリアに関するキーワードが含まれていない場合でも、現在地を考慮した結果を返します。たとえば、沖縄にいる人が「カフェ」と検索したとして、東京の店舗が上位に表示されても不要な情報になってしまう場合が多いでしょう。このアップデートにより、ユーザーの利便性が向上しました。

モバイルフレンドリーアップデート(2015年)

モバイルフレンドリーアップデートとは、Webサイトがスマートフォンによる閲覧に対応しているかが、掲載順位に影響するようになるものです。モバイル端末の普及により、ユーザーはスマートフォンなどを使った検索を行う機会が増えました。PC向けに制作されたWebサイトをスマートフォンで閲覧すると、読みづらくなるため、スマートフォンに対応したページ制作は必須とも言える状況になっていたのです。モバイルフレンドリーなページは順位が上昇すると考え、このタイミングで対応するWebサイトが増えました。

クオリティアップデート(2015年)

クオリティアップデートは、コンテンツの品質の評価に関するアルゴリズムアップデートです。パンダアップデートのように、特定のページに影響するものではなく、クオリティアップデートは全体を対象としたランキングアルゴリズムの更新でした。2015年5月に実施されたこのアップデートは、Googleから予告したものではなく、Search Engine Landへの質問回答により判明しました。

インタースティシャルアップデート(2017年)

インタースティシャルアップデートは、ページの閲覧を妨げるポップアップ広告を表示するページの評価を下げるものです。この広告出稿は、インタースティシャル広告と言われるものであり、誤って広告を押してしまった経験がある人は多いでしょう。画面に表示するものであってもクッキー使用の許諾などは問題なく、ページを覆い隠してしまうものなど、明らかに邪魔になるページが対象となっています。

日本語検索アップデート(2017年)

世界的には有名なアップデートではありませんが、日本語に特化したもののためご紹介します。正式名称が発表されているアップデートではありません。このアップデートにより、内容が薄く低品質なページの掲載順位が下がりました。インターネット上に増えていた検索順位を上げることばかりに注力していたサイトが、ユーザーが必要とする情報へのアクセスに邪魔にならないように改善されたのです。

日本語検索の品質向上にむけて|Google ウェブマスター向け公式ブログ

健康アップデート(2017年)

健康アップデートは、医療や健康に関する検索結果の改善のために行われた日本語検索におけるアップデートです。掲載順位が高くなるのは、医療従事者や専門家、医療機関等から提供される信頼性があり有益な情報だとGoogleウェブマスター向け公式ブログで言及しています。このアップデートにより、アフィリエイト目的のページなどの評価が下がりました。

医療や健康に関連する検索結果の改善について|Google ウェブマスター向け公式ブログ

スピードアップデート(2018年)

スピードアップデートは、モバイルサイトの表示速度を掲載順位決定の要素とするものです。このアップデートの影響を受けるのは極端に表示速度が遅いページであり、多くのクエリは変わりません。そして、表示速度が速いほど上位に表示されるというわけでもなく、大切なのはコンテンツの内容やクエリとの関連性なのです。

BERTアップデート(2019年)

BERTアップデートは、検索クエリの文脈やニュアンスを理解し、より一層ユーザーの検索意図に沿った結果を提供できるようになるものです。BERTとは、人工知能を使った自然言語処理モデルのことを言います。このアップデートによって、複雑な長いクエリであっても高い精度を発揮できるようになりました。

品質を大切にしたコンテンツづくりを徹底しよう

今回ご紹介したアップデートを振り返ると、Googleは常にコンテンツの品質を重視してきたと感じるでしょう。これまでのコアアップデートにより、どのようなWebサイトが高く評価され、どのような場合に順位が下がったのか等、少し調べてみても勉強になると思います。

ランキングにおいて上位を狙うためには、ユーザーの検索意図に応えられ、権威のあるコンテンツを作成する必要があるのです。このことを最大限に重視してページ品質の向上に注力しましょう。品質があまり高くないページを見直す必要もあり、やるべきことは数多くあります。コアアップデートの影響をポジティブに受けられるコンテンツ制作を目指しましょう。

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