この記事は2015年8月20日の記事を更新しています

皆さん、クリエイティブ・コモンズという言葉を聞いたことはありますか?
デザイナーの方は、仕事柄よく耳にするかもしれません。

クリエイティブ・コモンズは、コンテンツを正しく流通させるための活動及び団体名を指します。
作者の意志を反映し、適切にコンテンツが流通する仕組み作りを目的としているクリエイティブ・コモンズはコンテンツを作成する側も利用する側もしっかりと理解しておくべきです。

今回は、クリエイティブ・コモンズの基礎知識を解説します。

目次

  1. クリエイティブ・コモンズとは
  2. クリエイティブ・コモンズと著作権法との違い
  3. クリエイティブ・コモンズで規定しているライセンス
    1. クリエイティブ・コモンズの基本アイコンは4種類
    2. 各ライセンスの概要
    3. 権利の放棄を示す「CC0」
  4. クリエイティブ・コモンズを自身の作品で表示する方法
    1. 一度付けたCCライセンスは後から変更することはできないので注意
  5. まとめ:作品を守るためにもクリエイティブ・コモンズを活用しよう

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クリエイティブ・コモンズとは

クリエイティブ・コモンズとは、作者の意志を反映しながら作品の流通を図るための活動全般と、活動する団体を指します。
各国の著作権法に則った活動が行われており、日本においてはクリエイティブ・コモンズ・ジャパンが日本の著作権法に準拠した規定を設けています。

参考:クリエイティブ・コモンズ・ジャパン

あらゆるコンテンツは著作権法によって保護されており、基本的には著作権者の許可無しではコンテンツを利用できません。
インターネット上では膨大なコンテンツが爆発的なスピードで流通するなかで、著作権者(もしくはライセンスを付与された者)のみがコンテンツを自由に扱える、という著作権法の規定は必ずしも著作権者側のメリットになるとは限りません。

自身の作品をより流通させるためならある程度著作権を放棄しても構わないと考えている著作権者も少なからずいます。
インターネット上のコンテンツは著作権侵害されやすい反面、拡散性に優れているため、無名のクリエイターでも注目を浴びるきっかけが得られやすという側面があるからです。

そこで、著作権者の許可する範囲内であれば自由にコンテンツを使用できることを証明するのに有効なのが「クリエイティブ・コモンズ」です。

クリエイティブ・コモンズを利用すれば、作者側は自身の許可した範囲内で、インターネット上で作品を広く流通させることが可能となり、利用者側も使える作品の幅が広がるので、双方にとってメリットが生まれます。

クリエイティブ・コモンズと著作権法との違い

クリエイティブ・コモンズの活動母体はアメリカの非営利団体であり、クリエイティブ・コモンズ自体は法的な強制力はありません。
ただ、基本的には各国の著作権法を前提に作られているため、作者の意図とは違う使われ方をした場合、著作権法違反として起訴される可能性があります。

著作権法には、全ての著作権を所有する「All rights reserved」と、全ての著作権を放棄する「No rights reserved(著作権フリー、パブリックドメインとも呼ばれる)」の2択のみが制定されていますが、クリエイティブ・コモンズはその中間項(著作権の一部を放棄できる)を制定しています。

著作権法は現状は親告罪(被害者側が訴えて初めて起訴される罪のこと)のため、無断使用しても作者が気づかないか、気づいても放置すれば特に罪に問われることはありませんが、クリエイティブ・コモンズはあくまで著作権法を前提としているため、クリエイティブ・コモンズの表記を無視すれば著作権法違反として著作権者から起訴される可能性があります。

※2015年8月7日現在はまだ未確定ですが、TPP交渉に伴って著作権法に非親告罪(著作権者側の訴えなしでも起訴できる)が適用される方針で調整されているようです。
参考:
時事ドットコム:著作権侵害、非親告罪を導入へ=適用制限めぐり最終調整-TPP

クリエイティブ・コモンズで規定しているライセンス

先にも書いた通り、クリエイティブ・コモンズは全ての著作権を有する「All rights reserved」と、著作権者自らが全ての著作権を放棄する「No rights reserved」の2つの中間のライセンスを規定するものです。
クリエイティブ・コモンズには、作品を利用する条件を4つのアイコンで表現し、それらを組み合わせた6つのライセンスを規定しています。

クリエイティブ・コモンズの基本アイコンは4種類

クリエイティブ・コモンズ・ライセンスの基本は「BY(表示)」「NY(非営利)」「ND(改変禁止)」「SA(継承)」の4要素です。
それぞれの意味を見ていきましょう。

BY(表示)

クレジット表示
著作者や作品に関する情報を表記しなければならないという意思表示です。

NC(非営利)

非営利
営利目的での利用を禁止します。もし営利目的で使用したい場合は、直接著作権者にコンタクトを取って許諾を得るなどの必要があります。

ND(改変禁止)

改変禁止
作品自体を改変(加工・編集)せずに、作品の全部または一部をそのまま利用するようにという意思表示です。

SA(継承)

継承
作品の改変は可能ですが、もし作品を改変して新しい作品を作った場合には、その新しい作品にも元の作品と同じライセンスを付けることを要求するアイコンです。
例えば、「NC(非営利)」と「SA(継承)」の付いた作品を改変して新たな作品を作成した場合は、新しい作品にも「NC(非営利)」と「SA(継承)」のアイコンをつけなければいけません。

上記4つのアイコンの組み合わせにより、6種類のCCライセンスが定義されます。

各ライセンスの概要

1.表示

表示
作者のクレジット(氏名、作品タイトルなど)の表示のみを要求するライセンスです。
クレジット表記をしていれば、営利目的での二次利用も改変も問題無いという、ライセンスの中では最もパブリックドメインに近いライセンスです。

2.表示-継承

表示-継承
原作者のクレジット(氏名、作品タイトルなど)を表示し、改変した場合には元の作品と同じCCライセンス(このライセンス)で公開することを条件とし、営利目的での二次利用も許可されているライセンスです。

3.表示-改変禁止

表示-改変禁止
原作者のクレジット(氏名、作品タイトルなど)表示と、元の作品を改変しなければ、営利目的で利用(転載、コピー、共有)を許可しているライセンスです。

4.表示-非営利

表示-非営利
原作者のクレジット(氏名、作品タイトルなど)を表示し、営利目的でなければ、改変や再配布が可能になるCCライセンスです。

5.表示-非営利-継承

表示-非営利-継承
原作者のクレジット(氏名、作品タイトルなど)を表示し、かつ非営利目的に限り、また改変を行った際には元の作品と同じ組み合わせのCCライセンスで公開するのであれば、改変や再配布ができるCCライセンスです。

6.表示-非営利-改変禁止

表示-非営利-改変禁止
原作者のクレジット(氏名、作品タイトルなど)を表示し、かつ非営利目的であり、元の作品を改変しなければ、作品を自由に再配布できるCCライセンスです。

ロゴ引用元:
データ・資料 | クリエイティブ・コモンズ・ジャパン

権利が放棄されたCC0というものもある

「CC0」とは、作品に付与される著作権を全て放棄し、実質パブリック・ドメインにするという意志を表明するために使われるライセンスです。
パブリックドメインとは著作権が消滅した作品を指す言葉です。
通常は著作権保護期間が切れた作品がパブリックドメインとなりますが、保護期間内でも著作権を放棄したいという場合に「CC0」が使われます。
日本では、2015年5月よりクリエイティブ・コモンズ・ジャパンから日本語版が交付されています。

「CC0」には法的な強制力は無い

「CC0」だけでなく、クリエイティブ・コモンズが付与するライセンスはあくまで著作権者側の意志を表明するためのものなので、法的な強制力はありません。
ただ、2015年10月14日現在では、著作権法を放棄するための明確な手続きは存在しないため、著作権者側から放棄したことを発信しなければいけません。
クリエイティブ・コモンズの「CC0」マークを提示しておくことで、利用者側には明確に著作権放棄の意志を伝えることができるので有用です。

クリエイティブ・コモンズを自身の作品で表示する方法

前提として、クリエイティブ・コモンズは基本的に著作権法に準拠しているため、著作権法で保護の対象となっているコンテンツのみ、CCライセンスの効力が発揮されます。

著作権法の対象コンテンツについてはこちら
第1章-著作権の対象および範囲 | 外国著作権法一覧 | 著作権データベース | 公益社団法人著作権情報センター CRIC
(「第102条 著作権の対象:総則」に記載)

クリエイティブ・コモンズのCCライセンスを自身の作品に表示させたい場合は、下記のページから、自身の希望に沿ったCCライセンスマークを取得することができます。
Choose a License
ページ内に設置されている2つの質問に回答すると、ライセンスボタンのHTMLコードが自動生成されます。それを自身のホームページに追加すれば設置は完了です。

一度付けたCCライセンスは後から変更することはできないので注意

一度付与したクリエイティブ・コモンズは、後からの変更ができないものとなっています。
ですので、例えば営利目的での使用を許可していて、後から禁止にすることはできません。
後々のことも考え、どのような条件が最適なのかをしっかり考えてから取得するようにしましょう。

〈追記〉 2015/8/21
CCライセンスはあくまで著作権者側の意志を反映させるためのものです。CCライセンスで提示された利用範囲を超えた使い方をしたい場合は、著作権者に直接連絡を取り許諾を得ましょう。(無許可でCCライセンスを超えた利用方法をした場合は著作権法に抵触する場合があります。)

まとめ:作品を守るためにもクリエイティブ・コモンズを活用しよう

クリエイティブ・コモンズは、作者の作品に対する権利を守りつつ、作品が広く流通することを目的に創設されました。
特にインターネット上では、あらゆるコンテンツが自由に流通し、誰でもコンテンツを享受できる空間が形成されています。作者本人が許可する範囲内であれば、誰でも自由に作品を利用することができる環境は非常に理想的ですが、実際はクリエイティブ・コモンズどころか著作権法自体を無視したコンテンツ盗用問題が後を絶ちません。

昨年流行したバイラルメディアやキュレーションメディアが台頭してきてからは、コンテンツ盗用の問題が更に顕著になり、未だ明確な解決策は提示されていません。

そのような状況に対抗するために、CCライセンスの設置はコンテンツ盗用の抑止力には繋がるかもしれません。少しでも自身のコンテンツを守るためにも、著作物の取扱についての意志を明確に表示するようにしましょう。