「SNSプランナー」として、普段から意識している視点は?

ferret:
「SNSプランナー」として、普段から意識している視点を教えてください。

テテマーチ三島氏:
SNSの情報が届く先には、一般の生活者がいます。よって「生活者がどう思うか?」という視点はとても意識しています。

企業のSNSを運用・プロモーションしていく上で「フォロワーがこれだけ増えて、エンゲージメントがこれだけ高まるといいよね」とクライアントに言われるような企画はもちろん大事です。

さらにその先で生活者がどう思うか、喜んでくれるか、楽しんでもらえるか、といった点まで設計できると良いと思い、日ごろから意識しています。

テテマーチ福間氏:
私も同じように考えています。

生活者にどう思われるか意識する際、まずは自分もいち生活者であることを踏まえて考えます。企画を立てた時、いち生活者として面白いと受け止められるかどうかをとても大事にしています。

クライアントへの提案の際には「こういう論理でフォロワー数が増える」などと考える訳ですが、本当に自分が消費者として見た際に「面白そう」と思えるかどうかが重要です。

本当に自分が良いと思える企画でないと、大衆には刺さらないと思います。

また自分の個人的な感覚だけでなく、周りの人にも「こんな企画あったら面白いと思う?」「刺さる?」と確認をするようにしています。

あとは、自分たちがSNSで施策を展開していくためには、まずは自分たち自身が普段からSNSにどっぷり入ってその世界観を理解するよう意識しています。

設計企画をする際のポイントは?

 
ferret:
クライアントによって、そして目的によって、企画は千差万別と伺いました。では、企画の道筋を立てる際のポイントを教えていただけますか。

テテマーチ福間氏:
まずは、「SNSを使った過去のプロモーション事例のインプット」ですね。どんな企業様が、どんな施策に取り組んで、どんな広がりがあったのかをメンバーで共有するためです。弊社では、毎週「事例共有会」を実施しています。

また、「手法=How」「なぜやるか=Why」「何をやるか=What」と組み合わせて立案することを意識しています。デジタルマーケティングの業界では、「手法=How」の部分に施策・提案が寄りがちな気がしています。

例えば、リスティング広告などでキーワードに数字を入れたらクリック率が上がったとか、LTV、インプレッション数が上がった、などの手法があると思いますが……。

SNSアカウント運用でも「Instagramのクリエイティブをこんな風にしたらよく見られる」とか「フォロー&リツイートキャンペーンを投入すればフォロワー数が増える」とか、さまざまな「手法」があります。でも、手法の部分だけではなく、「なぜやるか=Why」そして「何をやるか=What」の部分も大事なんです。

「フォロー&リツイートキャンペーン」はひとつの「手法」ですが、例えばわかりやすいものだと「会員◯人突破記念!フォロー&リツイートキャンペーン」だとか、「こどもの日記念!フォロー&リツイートキャンペーン」だとか、手法の前に伝えたいことがあると捉えています。 

つまり「なぜやるか=Why」と、「何をやるか=What」の部分を組み合わせて考えることですね。その点を弊社では大きく意識して企画を作っています。

ferret:
クライアントへのヒアリングを重要視されているんですね。

テテマーチ福間氏:
クライアントからすると、私どもは「なんで?マン」だと思いますよ(笑)「なんでこれやりたいんでしたっけ?」「何のためにやろうとしてるんでしたっけ?」とか。目的・理由をまず突き詰めたうえで、ではそのクライアントだったらこの企画を投入すべき、といった考え方をしています。

テテマーチ三島氏:
ちゃんと「目的」を設定したいんです。

よくあるのは「TwitterやInstagramのフォロワー数増やしたいんですよね」とか「いいね!数増やしたいんですよね」「エンゲージメント数上げたいんですよね」「目標フォロワー数1万」といった依頼が寄せられます。

目標達成はしたものの、その結果「良いんだっけ?悪いんだけっけ?」みたいなブレがSNS施策には結構ありがちです。だから「そもそも何をしたいんだっけ?」「1万フォロワー達成したいけど、それってどうしてでしたっけ?(なぜやるのか=Why)」は追求、深堀りするようにしています。

ferret:
三島さんが「設計士」とおっしゃいましたが、最初の設計部分が大事、ということですね。

テテマーチ福間氏:
そうですね。弊社には、三島のようにビジネス目線を豊富に取り入れてストーリーを描く、フレームワークを大切にする「設計士」タイプのプランナーも在籍していますし、「これやったら面白そう!」というアイデアも大事にする「企画屋」タイプのプランナーも在籍しています。