堀江貴文氏・小笠原治氏・山海嘉之氏トークセッション「イノベーションは人が動かないと始まらない」-INNOVATION WORLD FESTA 2016-
5月14日、国際サミットG7の前夜祭として筑波大学で開催された「INNOVATION WORLD FESTA 2016」内で、堀江貴文、IoT第一人者の小笠原治、世界が注目するサイバーダイン山海嘉之氏らによるトークセッションが行われました。
登壇者紹介
堀江 貴文氏
株式会社ライブドア元代表取締役社長CEO、SNS創業者兼従業員、7gogoファウンダー。
小笠原 治氏
1971年京都府京都市生まれ。株式会社nomad 代表取締役、株式会社ABBALab 代表取締役。awabar、breaq、fabbit等のオーナー、経済産業省新ものづくり研究会の委員等も。さくらインターネット株式会社の共同ファウンダーを経て、モバイルコンテンツ及び決済事業を行なう株式会社ネプロアイティにて代表取締役。2006年よりWiFiのアクセスポイントの設置・運営を行う株式会社クラスト代表。2011年に同社代表を退き、株式会社nomadを設立。シード投資やシェアスペースの運営などのスタートアップ支援事業を軸に活動。2013年より投資プログラムを法人化、株式会社ABBALabとしてプロトタイピングへの投資を開始。DMM.makeプロデューサー。
引用:http://6mirai.tokyo-midtown.com/creator/ogasawara_osamu/
山海 嘉之氏
1958年、岡山県生まれ。87年、筑波大学大学院工学研究科修了。工学博士。ロボット開発を行うには、工学だけでなく、人間の生身について知る必要があると、医学博士も取得することを真剣に考えたという。しかし博士号取得までには約10年はかかる。「40歳近くなってから、やりたい研究をやるのか」という恩師らの助言で断念した。しかし、後にサイバニクスでさまざまな分野の医学研究者と連携、むしろ自分で医学の専門を持たなかったことが画期的な連携につながったと語る。日本学術振興会特別研究員、筑波大学助教授、米国ベイラー医科大学客員教授を経て、筑波大学機能工学系教授。日本ロボット学会会員。国際人工臓器学会、米国人工臓器学会、国際連続流人工心臓学会などのAWARD賞を受賞している。日本血栓検出と治療学会会長。2004年6月、サイバーダイン設立。
引用:http://next.rikunabi.com/tech_souken/entry/ct_s03600p000743
日本の研究機関は出口を評価するシステムがないから研究内容が実用化されにくい
堀江氏:山海さんが会社を作られたのはいつ頃で、何がきっかけだったんですか?
山海氏:2004年です。研究機関は実用化の時期を明確にしないんですよね。すると企業側からは「帰ってください」と言われちゃうんですよね。なので起業しました。
堀江氏:当時は小笠原さんが作られたDMM.makeみたいなサービスはなかったんですね。
小笠原氏:DMM.makeに来るのって、大学で使えたものが使えなくなってどうしようもなくなってうちに来て、設備使われる人が多いんですよね。
堀江氏:そうですよね。産学連携とは言われるけど、実際は何もしてくれないですよね。
だから小規模組織でちゃっちゃとお金入れて商品化した方がいいかなと。
山海さんは作って売り出そうとする意思はあったんですか?
山海氏:ありました。患者さんに接していると、やっぱり期待されるんです。そんな彼らの姿を見ていると、必ず実用化しようと思うんですよね。
子供の頃から、人や社会に貢献して喜んでもらえることで自分も喜べるという気持ちがあったので、今のこの仕事は合致しています。
堀江氏:そういうマインドを持ってる人は多いと思うんですが、そこから踏み出して実用化までできる原動力がある人はなかなかいないですよね。
小笠原氏:意志があっても、実行して繰り返す人も少ないですよね。昔やったことある、で終わっちゃう人が多い。
堀江氏:ハイパーループっていう時速1000キロで走るチューブが最近ベンチャーによって立ち上げられたんですが、JRの鉄道総研でリニアの研究やってる人に聞いたら、「こんなアイデアは昔からある。でもできないんだよね」とか言われるんですよ。
小笠原氏:できない話をすぐしますよね。そんなことを聞きに来てるんじゃないのに。
山海氏:悲しいのが、つくば市っていうのは、国の主要な研究機関の7割が集まっている。そのほとんどが自分の研究手段を使うがために、目的を探すんです。
だから、本当に社会に出て行く研究なんか1000のうち3つぐらいです。
堀江氏:つくばの経営会議所に呼ばれたんですが、なんでつくばは日本のシリコンバレーになれないんだろうって。
なれそうな要素は全て揃ってそうなんですが。
山海氏:この地域の多くは国の予算で動いています。それって、継続した研究ではなく、3~5年で動くんですよね。
すると、研究者はどんどんテーマを変えていくんですよ。予算を取るために研究内容を変えるんです。
最終的にこういうことをやるというよりは、自分の研究分野をブラッシュアップして、ひたすら論文を書いていくことになるんです。
論文はプロセスを示す程度の話で、最終ゴールがないと意味がないと思いますね。
堀江氏:それは、何が足りないんでしょう?お金とか?
山海氏:最終的な評価システムが論文の数になってるんですよね。
あとは、出口を重視するという評価システムを作らなきゃいけない。
昔から「役に立つことは企業、大学は役に立たないことをやる」という概念が強いんですよ。
本当に社会に役立つことを、大学もちゃんとしなきゃいけない。
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