ホームページを運用するにあたり、気をつけなければいけないのが著作権や人権です。理解が不十分なまま情報発信していると、気づかない内に法律に抵触してしまっている場合があります。
今回は、法律とインターネットの関係性についての理解が深まるよう、直近で起こった著作権関連のニュースを紹介します。
法律関連について自信が無い方は是非チェックしてみてください。

【サービス終了】1.引用元を明確に提示しているかどうかが白と黒の分かれ目

SNSやブックマークが多くついた人気記事を集めて配信する「まとめサイト」は、インターネットをご利用する方ならば、一度は目にしたことがあるのではないでしょうか。まとめサイトは古くからありますが、最近はバイラルメディア(SNSでシェアされ、トラフィックを集めることを目的としたメディア)の台頭により、まとめサイト群に注目が集まり改めてその存在がグレーなのかどうかという議論が巻き起こっています。引用元をしっかり提示していれば良いのですが、そこを曖昧にしているメディアが多いのが実情です。

まとめサイトに対しては、「他人が作った文章や画像をコピペするだけで、ページビューを稼いでいる」といった批判もある。他人の書いたものを勝手に使って「まとめ記事」を作ることは、法的に問題ないのか。著作権法にくわしい雪丸真吾弁護士に聞いた。

【サービス終了】2.情報元を守るにはどのような仕組みが必要なのか

キュレーションメディアやバイラルメディアなどのまとめサイトが隆盛を極め、あらゆるところで情報のコピーが起こり、引用元が曖昧なまま拡散されてしまうケースが多発しています。このような状況ではオリジナルの情報を発信している方たちに正当な報酬が渡らず、権利も侵害され放題の状態が続いてしまいます。今後より一層加速するとみられる情報コピーの問題に対して、どのようは仕組みができれば解決できるのか、専門家の主張が述べられています。

他のサイトの記事や画像、動画を引っ張ってきて、引用元も明記せず、自分で作ったものであるかのように掲載する。こんな「パクリ」記事の存在がネットメディアで問題になっている。

3.パロディ企画を動画投稿サイトに流すと著作権法に抵触する可能性あり

youtubeやニコニコ動画で、マンガや映画の1シーンを再現した動画(パロディ動画)が投稿されてるのを見たことがある方は多いと思います。特に今年はディズニー映画「アナと雪の女王」が大ヒットし、劇中歌を歌うシーンを真似た動画の作成が世界中で大流行しました。しかし、一見問題なさそうに見えるパロディ動画でも、著作権に抵触してしまう可能性があります。こちらの記事では、パロディでも「問題ない」ケースについてまとめられています。

URL:http://lmedia.jp/2014/11/06/58048/
YouTubeやニコニコ動画、その他映画や漫画、テレビなどでも何かのパロディとして元ネタをいじる、ということはしばしば行われています。パロディと一言でいっても、オリジナルを転用しているものもある一方、元ネタ(オリジナル)を想起させるという形で用いられているなど、いろいろな形が考えられます。著作権法的にパロディはどこからがアウトなのか検討してみようと思います。

4.「忘れられる権利」が認められた判決

ある男性が、Google検索結果で表示される自身に関連する情報を検索結果から削除してほしいという訴えを起こし、東京地裁はGoogleに対して一部の情報を削除するよう判決を下しました。「検索結果の情報が人格権の侵害に当たる」と判断されたのは国内では初めてのことで、今後、法律がネット上での人権の保護についてどのように向き合うのか注目が集まった事件でした。欧米でも5月に同様の事件が起こっており、「忘れられる権利」についての議論が活発になっています。

URL:http://mainichi.jp/feature/news/20141109mog00m040005000...
米グーグルの検索サイトで男性の名前を検索した際、不適切な個人情報が表示されるのは人格権の侵害とする仮処分の申し立てに対し、東京地裁(関述之裁判官)は10月9日、検索結果の一部削除を命じる決定を出した。

5.Yahoo!も「忘れられる権利」を尊重する流れへ

インターネット上での「忘れられる権利」についての議論が活発になってきた動きを受け、検索エンジン大手であるYahoo!も、個人情報の削除要請について今までは原則対応しないという方針を変更し、削除要請に応じる新基準を設けると発表しました。

URL:http://www3.nhk.or.jp/news/html/20141107/t1001301085100...
インターネット上の個人情報の削除を巡って欧米でいわゆる「忘れられる権利」の議論が活発化していることなどを受けて、国内のIT大手「ヤフー」は検索結果の情報の削除には原則として応じないとする従来の基準を見直して、削除の条件を明確化した新たな基準の検討に入ることになりました。

まとめ

インターネットは誰でも、いつでもどこでも情報を受発信することができる場です。インターネットがもたらした恩恵は途方もなく大きい一方で、人権や著作権など、あらゆる権利が侵害され、被害を被っている方もごまんといます。

しかしインターネットメディアの変化に現行の法律が対応しきれておらず、何がアウトなのか、何がセーフなのかが曖昧になっている部分が多いのが実情です。そのため、問題無いと思って行った行為が実は法律に抵触していたり、自分の知らないところで人権を侵害されていたりといつ自分が被害者になるか、もしくは加害者になるかわからない状態です。


そのような中で、せめて加害者にならないために、まずは著作権や人権に関する法律を理解したうえで、こちらで紹介したような著作権関連のニュースも定期的に確認するようにしましょう。