ferret編集部:2014年12月18日に公開された記事を再編集しています。

アクセスアップのために*ページ追加(コンテンツ追加)*をしている人は多いのではないでしょうか。現実的に、それでは十分ではないのです。実は3ページ追加して1ページが見られるくらいが現実的というデータがあり、編集部のまわりでも話題になっています。

本記事では、アクセス増のために理解しておくべき集客の構造と、その対策について解説します。

集客のために記事を書こう!は幻想

よくホームページブログを運営していますと、「更新しろ!」「更新しないと検索にヒットしない」と言われることはありませんか?もしくはお客様やスタッフに強いていませんか?強いられていませんか?

もちろん更新するにこしたことはありませんが、残念ながらそれだけでは劇的なアクセス増にはなりません

以下の表をご覧ください。記事本数が約1619本あるブログGoogleアナリティクス画面です。アクセスされたページをデイリーで見ると、その閲覧されたページ種類数は455ページです。

<Googleアナリティクスでの操作>
行動>サイトコンテンツ>すべてのページ

総記事数1619ページに対し455ページがその日閲覧されています。つまり、**サイト全体のページ閲覧率は28.1%**となります。

455 ÷ 1619 x 100 ≒ 28.1%

7割は見られない

この28.1%という数字はそれでも良いほうです。ブログによっては閲覧率10%台のところも少なくありません。また逆に多くても、編集部の知る範囲では34%でした。

つまり、いくらページ数を増やしても、すべてが見られるわけでないのです。その積み上げに比例はするかもしれませんが、3分の1、つまり3本のうち2本は見られないというのが現実なのです。

コンテンツマーケティングを実践する方々は、この数字は知っておいて損はないかと思います。

私たちはすべてのページを見るわけではない

ホームページの8割は見られない。これは私たちの生活行動に照らしあわせても、納得がいきます。

ショッピングモール

たとえば、あるショッピングモールに買い物に行きます。それでもすべてのお店をみるわけではありません。また、ある素敵なデザインのホームページを見つけます。それでも全ページを見るわけではありません。

これが現実であり、頭ごなしに「更新しろ!」と言う人が、忘れてしまっている大切なことといえます。

ただ、リアル店舗で、見ないにしろ、その規模からくる信頼感で来店する、というのはあるかもしれません。ホームページでも、定期更新しているからこそGoogleの評価が上がり(適切にSEO対策をしていれば)検索エンジンにヒットする、というのはあるかもしれません。ただ、「コンテンツ追加を過大評価するのは危険」ということです。

全てがロングテールに当てはまるわけではない。

ちまたではロングテールと言われているだろう、と思われる方もいるでしょう。いわゆるニーズの少ないページも、わずかながら読まれている(買われている)はずだ、と。

ロングテール

ロングテールとは、アクセスの多くは2割のページが売り上げの8割を占めている、しかし、残りの8割も総数で見ると多い、という集客の考え方です。残りの8割はたいていは少しのニーズしかないものを取り上げた記事や商品をさします。

しかしそれは検索からのアクセスが前提なのです。

<Googleアナリティクスでの操作>
集客>チャネル・・・表の右上「円グラフ」マークをクリック

あまり更新していないようなホームページだと、以下のように検索からのアクセス(Organic Search)が多いと思います。

自然検索流入がほとんど

ほら、やっぱりそうだろ!と思われるかもしれません、しかしこれは割合の話であって、実際の閲覧ページの種類は、やはり前述のように多くても3割なのです。自然検索流入が、すべてのページに届いているわけではないのです。

インデックス数は単なる登録にすぎない

Googleで調べるともっと多くのページが、うちはインデックスされている、と言われる方も多いと思います。

サイト内検索

Googleで「site:ドメイン名」と検索すると、登録数がわかります。検索エンジンの検索対象となるページの目安といえます。ページ数よりも通常は多いはずです(カテゴリーページや自動で生成されます検索結果ページタグページなど)。

実際、前述の28.1%のホームページでデイリーである日を見てみると、ウェブマスターツール(Google Search Console)での平均掲載順位は11位、ウェブマスターツール(Google Search Console)上での表示ページは1041件です。全記事に対して64.2%、やはり全部のページが活躍してくれるわけではなさそうです。

<Googleアナリティクスでの操作>
集客>検索エンジン最適化>検索クエリ

表示されたとしても、そこでクリックされるかどうかは未知数です。そもそも検索で見つけてもらえるほどの内容なのかということもあるでしょう。すべてのページに過度な期待はしないほうが良いでしょう。

ページあたりの集客数という指標

ですから、1ページあたり何人連れてきてくれるのか、という指標を運営に役立てている動きもあります。

たとえば前述のホームページであれば、デイリーでユーザー数1024という数字だそうです(厳密にはGoogleアナリティクスのユーザー数はCookie数ですがここではわかりやすさを重視してユーザー数と表記しています)。

ユーザー数

<Googleアナリティクスでの操作>
ユーザー>サマリー
1024ユーザー ÷ 1619ページ ≒ 0.63

こうしてみると、人気ページの貢献度も加味されますので、指標としても使えそうです。Googleアナリティクスはアクセスされないページは記録されないのです。ですから、常にページリストを照らし合わせながら確認することになりますが、把握しておきますと、コンテンツの費用対効果の目安になるかもしれません。

いずれにせよ、追加したページコンテンツ)の効果は、つねにチェックしておくことが必要でしょう。

コンテンツを有効活用するために

では、その精度を上げる方法はないのでしょうか。せっかく追加したページコンテンツ)をいかせないのは勿体ありません。

それには、こちらの事例が参考になります。以下の図は、ページ数が515ページあるホームページですが、アクセスされているページの種類数がなんと500ページに近い状態です。

ページ種類数

1ページあたりの集客数としてみますと 25.6という脅威の集客力を誇っています。

これは一体どういうことなのでしょうか。Googleアナリティクスで、集客の内訳を見てみましょう。

<Googleアナリティクスでの操作>
集客>チャネル

チャネル

ソーシャルやメールなど、バランスよく集客しています。つまり、検索で届かないユーザーには、Twitterやfacebookなどのソーシャルやメルマガなどで告知をし、接点を増やす工夫をしているということなのです。

アクセス増のためにできること

以上のことから、ホームページへのアクセスを増やすためには、以下のような流入すべてに配慮することが重要といえます。

集客の全体像

これからコンテンツマーケティングページの大量追加が盛んになってくると、競合もどんどんページを追加し、相対的に自社ページが検索で順位をさげて、さらに誘導力が下がってくる可能性は高いと言えるでしょう。少なくとも好転するとは言いづらいでしょう。

ソーシャル、メルマガリンクを増やす(被リンク)、広告URLを直接入力してもらう・ブックマークをしてもらうなどのブランディング(具体的にはメディアなどの露出して名前を覚えてもらうなど)といった集客の基本を徹底することが重要と言えます。

検索にヒットしないけれどニーズがありそうなページTwitterで宣伝する、検索にはヒットしないけれどこのチームが優勝した今この瞬間は売れる!という商品ページだけは広告を配信する、などです。

それぞれコストや手間がかかることですが、これらを粘り強く対策していくことは、検索エンジンのアルゴリズムが変わったときにリスクマネジメントにもなり検索エンジンからの流入が減ってもメルマガやソーシャルで集客が可能など)、資産となります。

参考リンクSEOを行う上で覚えておきたいGoogleの主なアルゴリズムまとめ

それでも更新を止めてはいけない理由

アクセスにそれほど影響していない!としても、更新は大切です。

Webマーケティングブログで有名なLIGでは、毎月アクセス解析の結果を公開しています。そこで11月は祝日が多かったながらも1日3本記事を追加していながらも、PVを減らしたことを吐露しています。※11月は10月に比べ祝日も多く平日が少なかったことを言及しています。

10月度に過去最高をマークした340万PVと比較して、月次PVは減少し、約320万PVになりました。

参考リンクLIGブログの11月度アクセス解析と広告収入の結果 | 株式会社LIG
LIG

しかし、セッション訪問数)は向上しており、どちらかというと更新はGoogleに「更新してるサイトだよ」とシグナルを送ることで、SEOにより有利に影響させるための必要条件とも言えそうです。

大切なのはその更新の精度をしっかり把握して、試行錯誤しながら更新する、ということなのではないでしょうか。

まとめ

・ページは更新しても3分の1しか見られない。
・ページ追加の効果はGoogleアナリティクスでわかる。
・検索エンジン頼みではない導線の構築を粘り強く行う。

ホームページのアクセスアップで、ページの追加や更新が重要なことは間違いありません。しかし、その効果を決して過大評価してはいけないでしょう。ページを更新しているといってユーザーの求める内容があるわけではないからです。

大切なことはユーザーのニーズにあった内容があること、そしてそれを検索エンジンだけに頼らず、ソーシャルやメルマガなどあらゆる手段で届ける工夫をすること。これらすべてにバランスよく気配りできるウェブマスターが求められています。

ぜひみなさんもまず、全体におけるページ閲覧率ページあたりの集客数を算出してみてください。