2016年9月末、新たにGoogleが発表したA/Bテスト・パーソナライズツール「Google Optimize(beta)」をご存知でしょうか。

このサービスを使うことによって、Webサイトのコンバージョン率が上がったり、ゴールまでのユーザーの動きを正しく可視化できるようになります。しかし、そもそもA/Bテストやパーソナライズの概念を理解せずに、このサービスの価値を理解するのは難しいことです。

今回は、「Google Optimize(beta)」の核心に迫り、その詳細と何が強みなのかについて、初心者でもわかるように解説します。

『Google Optimize (beta)』とは?

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Google Optimize (beta)』は、ブラウザ上で画面上のUIを操作してA/Bテストを実行できるツールです。これまでGoogle Analyticsと呼ばれるGoogleのアクセス分析ツールの有料版『Google Analytics 360 suite』のみに搭載された機能だった『Optimize 360』の無償版という位置付けです。公式ホームページでは、下記の3点が特徴として強調されています。

[https://ferret.akamaized.net/images/580e0f0c29e7b26ece00037a/original.jpg?1477316364]

1. Google Analyticsベース

既存のGoogle Analyticsのサイトデータを利用して改善の余地のある部分を素早く簡単に特定することができます。

2. 先進的な統計モデリング

ベイズ推定として知られる分析方法を使って最適化。その経験に基づいた実際のパフォーマンスをモデル化して、正確な結果を得られるようにします。

3. 洗練されたターゲティングツール

実験的なターゲティングを行うことで、正確な時刻にユーザーに最適な体験をしてもらうことができるようになります。

A/Bテストとは?

ここまで何度か登場している「A/Bテスト」という言葉ですが、一体どのようなものなのでしょうか。

A/Bテストとは、ホームページの一部分、またはページそのものをAとBの2パターン用意し、どちらの方がより効果の高い結果が得られるかをテストする方法です。2つの方法を「分割して」テストするので、スプリットテストやスプリットランテストと呼ばれることもあります。

A/Bテストを繰り返してサイト改善を行うことで、バナーのクリック率を上げたり、ページ離脱率を下げたりすることができます。部分的な積み重ねの結果、最終的にはコンバージョン率や売り上げ増加へ繋がるので、A/BテストはWebプロモーションの費用対効果を高めます。

こうした低コストでハイリターンな改善を実現することを、グロースハックマーケティングと呼び、最近ではこうした施策を行う専門家であるグロースハッカーも職業として定着しました。

「Google Optimize(beta)」で行うA/Bテストの流れ

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Google Optimize(beta)の大まかな流れは以下のとおりです。

- 対象のページURLに専用タグを挿入
- ページURLをGoogle Optimize(beta)に入力
- 表示された画面で設定
- 元のコンバージョンと設定後のコンバージョンでA/Bテスト
- ユーザーシチュエーションによってA/Bテストをパーソナライズ化
- トラフィックデータを使ってPDCAサイクルを回す

例えば、「テキストの大きさ」や「登録ボタンの色」の違いで、期待される結果がどれくらい変わってくるのかを、Google Optimize(beta)が生成するコードをホームページに挿入するだけで、簡単に確認できます。さらに、オーガニック検索で来たのか、リスティングやバナー広告を経由して来たのか、あるいは初めてサイトを訪れるユーザーなのか、複数回訪問しているユーザーなのか、などを条件分岐し、これらのテストをカスタマイズすることができるのです。

現在は事前登録受付中

現在、Google Optimize(beta)のページでは、「Google Optimize is coming soon.」と表示されており、Eメールアドレスによる事前登録を受け付けています。具体的にどこまでの機能が使えるかは明らかにされていませんが、気になる方はぜひ登録することをオススメします。

まとめ

これまで収集されたデータによって人間が分析していたWebマーケティングの世界。これからは、人間以上に早く、正確性の高い判断で、ユーザーシチュエーション別に細分化したA/Bテストが簡単にできるようになります。そして、人間の仕事も、「これまではどうだったか?」「今はどうか?」を調べて施策を打つ仕事から、「これからどうしていくか?」を意思決定していく方向にシフトしていきそうです。

今後も、Google Optimize( (beta)から目が離せません。