リスティング広告のABテストは、広告のクリック率やコンバージョン率を高めるために重要な手法です。しかし、どのようにテストすればよいか分からない、取り組んでいるものの思うような成果が出ていないという方も多いのではないでしょうか。

この記事では、リスティング広告のABテストパターンを考えるアイデアや、Google広告・Yahoo!広告でABテストを行う際の設定方法について解説します。リスティング広告の運用担当者の方はぜひ参考にしてください。

目次

1.リスティング広告のABテストとは
2.リスティング広告の広告文でABテストをするメリット
3.リスティング広告でABテストの対象となる要素
4.広告文のABテストパターンを考える7つのアイデア
5.リスティング広告(レスポンシブ検索広告)のABテストの設定方法
6.リスティング広告でABテストをする際の注意点
6.ABテストでリスティング広告の成果を高めよう

リスティング広告のABテストとは

ABテストとは、2種類以上のパターンを同時に検証し、より成果の高い方を見つけるテスト手法です。

例えば、「商品の安さを打ち出した広告文」と「デザイン性を打ち出した広告文」などのパターンを用意し、どちらの反応が良いかを試します。テストの結果反応が良かった方を残すことで、成果の改善が可能です。

2022年下旬以降は従来型のABテストが難しくなった

従来のリスティング広告の仕組みでは、「2パターンの見出しを作って成果を比較する」といった、基本的なABパターンが実施できました。しかし、2022年下旬からGoogle広告・Yahoo!広告の仕様が変更され、従来型のABテストを行うことが難しくなっています。

現在採用されている広告文は「レスポンシブ検索広告」という方式です。この方式では、登録した複数の見出しと説明文がランダムに組み合わせられて、自動で最適化が行われます。そのため、どのような組み合わせを用いて比較検討するかは自分でコントロールできません。

ただし、複数のパターンを比較して成果を高めるという点では、「レスポンシブ検索広告」でも従来型のABテストと同等、またはそれ以上の効果が期待できます。むしろ、ABテストのパターン管理や最適化を手動で行う手間が省けるため効率的です。

これらの事情を踏まえて、この記事では最新のリスティング広告の仕様に応じたABテストのやり方について解説します。

リスティング広告の広告文でABテストをするメリット

リスティング広告広告文でABテストを行うと、次のようなメリットが得られます。

ページ側の改善よりも手軽に実施できる

広告リンクページを改善する場合、ファーストページビューのデザインやリンクボタンの画像、キャッチコピーなど様々な要素の変更が必要です。一方、リスティング広告広告文は、管理画面から簡単に追加・編集できます。

ページ側の改善と比べて、手軽に実施し成果を高められることが、広告文のABテストを行うメリットです。

成功/失敗の要因を特定しやすい

リスティング広告は、GoogleやYahoo!の検索結果画面にテキストのみで表示されます。画像やデザインといった複合的な要素がなく、純粋に広告テキストだけでABテストができるため、成功/失敗の要因を特定しやすいことがメリットです。

リスティング広告でABテストの対象となる要素

リスティング広告では、「広告アセット」と「広告リンクページ」という2つの要素が、ABテストの主な対象となります。各要素の概要や、ABテストで改善できる指標は次の通りです。

広告アセット(見出しと説明文)

広告アセットとは、各広告枠の上部に大き目の文字で表示される「見出し」と、その下に表示される「説明文」のセットを指します。GoogleやYahoo!のレスポンシブ検索広告で設定できる広告アセットの仕様は次の通りです。

レスポンシブ検索広告広告アセットGoogle広告・Yahoo!広告共通)

項目 1つの広告アセットに設定できる個数 文字数制限
見出し(タイトル) 3〜15個 各30文字以内(全角15文字以内)
説明文 2~4個 各90文字以内(全角45文字以内)

広告アセットのABテストでは、次のような指標を改善できます。

広告のクリック率
より興味を引く広告アセットを作ることで、クリック率の改善が可能です。

・コンバージョン率
リンクページと関連性の高い広告アセットを作ることで、コンバージョン率を改善できる場合があります。

広告のリンク先ページ

ユーザーが広告文をクリックした時にアクセスするページも、ABテストが可能です。ただし、広告アセットの見出しや説明文と異なり、1つの広告に対して設定できるリンクページURLは1つとなっています。

そのため、リンクページでABテストを行う場合は、リンク先を変えた複数の広告アセットを作ってテストするか、ABテスト用のツールをランディングページ側に設置する必要があります。

リンクページのABテストで改善できる指標は次の通りです。

・コンバージョン率
リンクページキャッチコピーやボタンのデザイン、オファー内容などを変更することで、コンバージョン率の改善が期待できます。

広告文のABテストパターンを考える7つのアイデア

レスポンシブ検索広告では、できるだけ多くのパターンの見出しと説明文を登録しておくことが重要です。ここでは、見出しや説明文のパターンを考える際にヒントとなる切り口を7つご紹介します。

①商品・サービスの特徴を複数打ち出す

商品やサービスの特徴にフォーカスすると、見出し・説明文のパターンを増やすことが可能です。次のような視点で、自社の商品・サービスの特徴を考えてみましょう。

  • 成分や製造方法のこだわり
  • サポート体制の充実度(専任スタッフ、24時間サポートなど)
  • デザイン性の高さやバリエーションの豊富さ
  • カスタマイズの柔軟性
  • サイズ(大容量、コンパクトなど)
  • 保証の手厚さ

見出しの例
「〇種類の有効成分を配合」
「プロが導入から運用までサポート」
「手のひらサイズでお出かけに便利」

説明文の例
「厳選された植物由来成分のみを使用。お洒落なボトルデザインも人気な〇〇コスメの詳細はこちら」

②解決できる悩みや問題を打ち出す

ターゲットユーザーが抱えている悩みや問題にフォーカスすることも、広告文のパターンとして効果的です。悩みや問題に関する文言を広告文に含めると、自社の商品・サービスの対象者の注意を引くことができます。

ただし、特定の病名など一部のキーワードは広告文での使用が禁止されているため、広告ポリシーを確認しましょう。

見出しの例
「人材不足でお困りの担当者様必見」
「社内会議で英語が聞き取れない」
「ダイエットが長続きしない方へ」

説明文の例
「英語が聞き取れない・通じない悩みは発音矯正で解決。ビジネス英語専門のマンツーマン英会話教室」

③コストの低さをアピールする

リーズナブルな価格設定は、広告文でアピールしやすいポイントの一つです。また、無料サンプルや無料相談会などをオファーする場合も、コストがかからない点をアピールできます。

単に「安い」や「低価格」というキーワードを含めるだけでなく、金額を提示するなど、コストの低さを具体的にアピールすることが大切です。

見出しの例
「月額2000円でレンタルし放題」
「【初期費用0円】で導入できる」
「無料カウンセリング受付中」

説明文の例
「初期費用0円/月額5,000円からの低コストで導入できる営業支援サービス。資料請求はこちら」

④早さをアピールする

商品・サービスを提供するまでの早さをアピールできないか考えてみましょう。

有形の商品を販売する場合、注文から発送までの期間の短さなどがアピールポイントになります。無形のサービスを販売する場合も、サービスの導入までにかかる期間によって早さのアピールが可能です。

見出しの例
「13時までのご注文で即日発送可」
「お見積りから3営業日で導入完了」
「1分以内にチャットで回答します」

説明文の例
「在庫のある商品は即日発送!オーダーメイドも3営業日以内で作れるオリジナルTシャツ専門店」

⑤季節のイベントやトレンドに合わせる

「新年度」や「クリスマス」など季節に関するキーワードをタイミングよく使用すると、ターゲットユーザーの注意を引くことができます。また、流行の話題などのトレンドキーワードも、反応率を高めるために効果的です。

見出しの例
「大掃除シーズンの片付けがラクに」
「母の日に喜ばれる特別なギフト」
「テレワークにおすすめのチェア」

説明文の例
「クリスマス商戦の準備は大丈夫?ECの売上アップに役立つ広告管理ツールの詳細はこちら」

⑥限定性を打ち出す

期間や人数など、限定性を打ち出すキーワードは、ユーザーに対して「早く確認しないと見逃してしまうかもしれない」という気持ちを起こさせる要素です。そのため、広告文で限定性を打ち出すことで、クリック率の向上が期待できます。

見出しの例
「【〇月〇日〆切】前売り券販売中」
「先着30名様限定キャンペーン
「残席わずか/人気講師の特別講演」

説明文の例
「毎月〇社限定/ランディングページの改善点を見つける無料診断受付中。お申し込みはこちら」

⑦権威性を打ち出す

受賞歴や公的な資格、実績の豊富さなどの情報を広告文に含めると、権威性をアピールしユーザーからの信頼を得ることが可能です。

商品やサービス自体だけでなく、企業や開発者などが有する権威性も広告文に活用できないか考えてみましょう。

見出しの例
「〇年連続でグランプリ受賞」
「特許技術による高精度AI診断」
「人気ランキングサイトで1位獲得」

説明文の例
「ユーザーアンケートで93%以上が満足と回答!〇〇賞も受賞した人気コスメ」

リスティング広告(レスポンシブ検索広告)のABテストの設定方法

レスポンシブ検索広告を利用するには、Google広告Yahoo!広告アカウントが必要です。見出し(タイトル)と説明文を複数パターン入力すれば、各パターンの組み合わせが自動でテストされ、パフォーマンスの良いものが優先的に表示されます。

Google広告とYahoo!広告のレスポンシブ広告の設定方法は次の通りです。

Google広告の場合

Google広告の管理画面で「新しいキャンペーンを作成」をクリックし、キャンペーン目標を選択しましょう。今回は「見込み顧客の獲得」を例として解説しますが、どの目標でも設定方法は同様です。

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キャンペーンタイプで「検索」を選択します。
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画面の案内に従ってキャンペーン名やコンバージョンに関する設定、広告の配信対象地域などの設定を行いましょう。

キャンペーンの設定が完了すると、広告グループの設定画面が表示されます。「キーワードの入力」の欄に、広告を出稿したい検索キーワードを入力してください。

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広告の設定画面で「広告見出しを3~15個、「説明文を2~4個入力しましょう。入力した内容は、右側のプレビューで確認することが可能です。

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これらの他、画面の表示に従って最終ページURLや1日の予算額などを設定すれば、レスポンシブ検索広告を開始できます。

Yahoo!広告の場合

Yahoo!広告の「検索広告」の管理画面から「+キャンペーン作成」をクリックし、キャンペーンタイプで「標準」を選択しましょう。画面の案内に従ってキャンペーン名や1日の予算を入力し、「保存して広告グループ作成へ」をクリックします。

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次に、広告グループ名や広告グループ入札価格などを入力し、「保存してキーワード作成へ」をクリックします。

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広告を表示させたい検索キーワードを入力し、「保存」をクリックします。
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広告の作成画面で「広告名」と、「タイトル」を3~15個、「説明文」を2~4個入力しましょう。

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「最終リンクURL」など、その他の項目を入力した上で「保存」をクリックすれば、レスポンシブ検索広告の設定は完了です。

リスティング広告でABテストをする際の注意点

ABテストは成果の改善につながる手法ではあるものの、注意すべきポイントもあります。主な注意点は次の通りです。

十分な検証期間を設ける

ABテストの検証期間が短すぎると、成果が高いパターンを正しく見極められません。広告の表示回数やクリック数などの*「母数」が少ないうちは判断を急がず*、検証を続けることが大切です。レスポンシブ検索広告の場合、目安として2週間~1か月程度でアセットの組み合わせが最適化されます。

仮説を立ててABテストを行う

ABテストのパターンを考える際は、どのような切り口が良いか、仮説を立てることが重要です。例えば、「検討段階のユーザーは心理的なハードルが高いので、商品購入よりも資料請求を促した方が良い反応が得られるのではないか」などの仮説を立て、広告文に反映することをおすすめします。

仮説を立てた上で実際の反応をチェックすると、考え方が合っていたかどうかの知見が溜まり、次回以降の施策に役立てることが可能です。

キーワードやターゲットも含めて最適化する

リスティング広告で最適化できる項目は、広告文やリンクページだけではありません。広告を出稿するキーワードや、地域・ユーザー属性などのターゲット設定も大事な要素です。

広告文やリンクページのABテストだけに集中してしまわず、アカウント全体のパフォーマンスを俯瞰しながら設定を最適化しましょう。

ABテストでリスティング広告の成果を高めよう

リスティング広告の改善には、複数のパターンを作って比較するABテストが効果的です。Google広告やYahoo!広告のレスポンシブ検索広告では、複数の広告アセットを登録することで、成果の高い組み合わせが自動で選定されます。

今回ご紹介したポイントを参考に、ぜひ広告アカウントの最適化に取り組んでください。