皆さんは、マーケティング広告をご存知ですか?

リマーケティング広告は……
不特定多数の人に広告を出すのではなく、特定のページを閲覧したユーザーなど、接点があったものの離脱したユーザーに対してのみ表示させるGoogleの広告メニューの一つです。
※一般的にはリターゲティング広告と呼ばれます

マーケティング広告は、サイトに訪れたことがあるユーザーに対してピンポイントに広告を配信できるため、効率的な広告運用が見込めます。

マーケティング広告の配信には、Googleアナリティクスで用いているセグメントを利用することができます。

今回は、セグメント機能を利用したリマーケティング広告の利用方法について解説します。

リマーケティング(リターゲティング)広告とは

セグメント機能の話の前に、まずは「リマーケティング広告」そのものについて解説します。

マーケティング広告は、Googleが行っているリターゲティング広告のことで、Yahooではリターゲティング広告のことを「サイトリターゲティング」と呼びます。
サイト内の指定したページに訪れたユーザーにのみ、広告を配信するための機能です。不特定のユーザーに対して配信する場合と比べ、"一度Webサイトを訪れる"という接点を持ったユーザーだけに絞ってアプローチできるので、コンバージョン率が高くなりやすい傾向があります。

Googleのリマーケティング広告の場合、サイトを離脱したユーザーに対してのみGoogleと提携している約200万のWebサイト上で広告を配信することができます。一度訪問したWebサイト広告を、他のサイトを訪問した際に目にしたことがあると思いますが、まさにそれがリマーケティング広告です。

リターゲティング広告の仕組み

リターゲティング広告の設定方法の前にその仕組みについて解説します。

タグが設置されたサイトに訪れると、ユーザーのCookie(ブラウザに保存される小さなデータのこと)に保存されたIDが登録されます。

ユーザーが別のサイトを訪れた時に、Google Adsenseが表示する際にIDより判断してリターゲティング用の広告が配信されうるのです。実際にどの程度配信されるかは広告予算次第です。

リマーケティング広告にGoogleアナリティクスを活用する

このリマーケティング広告を行うためには、どういう顧客層に対して広告を配信するのかを決める必要があります。

一口にサイトを訪れたユーザーと言っても、離脱した場面がカートに入れた直後なのか、申し込みの直前なのか、トップページを訪れてそのまま離脱したのかなど、様々なパターンがあります。サイトを訪れたユーザーに対して一律に広告を出すよりは、コンバージョン手前のユーザーに限る方が費用対効果が高くなります。
その際、絞り込んだユーザー全員に対して同じ広告を配信する必要はなく、男性向けの商品を閲覧して離脱したユーザーには男性向け商品の広告を配信するなど、属性によって出しわけることも可能です。

こうした設定を行う方法の一つに、Adwordsとアナリティクスをリンクさせる方法があります。Google AdwordsとGoogleアナリティクスのアカウントを連携させることで、新たなタグを設置することなくリマーケティング広告のための設定をすることができます。

ちなみに、アナリティクスを利用しないでリマーケティングを利用する際は、リマーケティング専用のタグを新しく埋め込み、リマーケティングリストのルール(URLに特定の単語が含まれているかどうか等)を作成することが必要になります。

リマーケティング ユーザーリスト作成に用いるセグメント

ここからは、アナリティクスを利用したリマーケティングのやり方について説明します。
マーケティング広告を配信するためには、誰に配信するかを設定する必要があります。そこで作成するのがリマーケティング ユーザーリストです。このリマーケティング ユーザーリストをアナリティクスのセグメント機能を元に作成することができるのです。

ちなみに、セグメントとは、年齢・性別や流入元、使用しているデバイスなど、ユーザーに紐づく情報をもとに、特定の層ごとにアクセス解析するための機能となります。なお、セグメントについて詳細は以下の記事を参考にしてください。

参考
意外と知らない?Googleアナリティクス7つのセグメント指定条件の解説|ferret [フェレット]

この機能を利用することで、「コンバージョンに至らなかったユーザー」にのみ広告を配信することや、逆に「コンバージョンに至ったユーザー」に関連する商品の購入を促す広告を配信することができます。

セグメントをリマーケティングユーザーリストに追加する方法

具体的にセグメントをリマーケティングユーザーリストに追加するための方法を説明します。

まずは、Googleアナリティクスにログインして、ユーザーサマリーなどレポートを開きます。
次に「+セグメント」をクリックしてリマーケティングユーザーリストに追加する予定のセグメントを選択し、アクションのユーザーリストをクリックして作成します。

GA1.png

すると、リマーケティングユーザーリストが開くので、保存するアナリティクスのビューを選び、ユーザーリストを共有する広告アカウントを選択します。

次にルックバック日数と有効期間を設定します。
ルックバック日数とは、どれほど遡ったユーザーのデータを利用するかを7日,14日,30日の期間から選べることができます。
例えば、セッション数が3以上であるユーザーをフィルタした場合に、ルックバック日数を14日に設定すると14日間にセッション数が3以上あるユーザーがリストに追加されます。

有効期間は、ユーザーリストに追加したユーザーをいつまで広告に利用するかを決めます。最大で540日まで設定することができますが、あまり長く設定してもユーザーが忘れてしまえば、もはやリマーケティング広告の強みを活かせないでしょう。

高度な利用の仕方としては、「90日間有効なユーザー」から「60日間有効なユーザー」を除外したユーザーリストを作成することで、「Webサイト訪問後から60日経ったユーザー」というリストを作成することも可能です。再購入を促す広告を配信する、といったような使い方も可能です。

参考:
セグメントを使用したリマーケティング | アナリティクスヘルプ

セグメントを利用したリマーケティング広告を行う上で注意点

ユーザーのプライバシー保護の目的の上でリマーケティングをする上で一部制限があります。
例えば、リマーケティング広告を配信するためには、最低でもリストに100人必要なこと、ユーザーにとってデリケートな情報でリマーケティングは行えないことがあります。

ユーザーと関連性が高い広告は、広告主とユーザーと双方にとってメリットがあります。しかし、度が過ぎると個人のプライバシーが蔑ろにされることになります。

Googleではリマーケティング広告を含むユーザーとの関連性が高い広告(パーソナライズド広告)について既存の広告掲載ポリシーに加えてパーソナライズド広告用のポリシーも定めています。
あくまでプライバシーに配慮したリマーケティング広告を行うように心がけましょう。

参考:
パーソナライズド広告 | AdWords 広告掲載のポリシー ヘルプ

まとめ

マーケティング機能を利用することで、コンバージョン率が高いと思われるユーザーに広告を配信できます。アナリティクスのセグメント機能を使うことで、より適切なユーザー層にターゲットを絞ることができます。

マーケティング広告を成功させるためには、サイトに訪れて離脱したユーザーがどのようなプロセスでコンバージョンに至るか、というカスタマージャーニーを意識することが欠かせないでしょう。