おさえるべきは「ユーザー目線」

高島氏のSNSでの情報発信から学べることは、徹底的な「ユーザー目線」です。
情報を伝えたい相手のことをユーザーとするなら、高島氏の場合のユーザーは福岡市民です。
市民に望まれる情報発信を行ったことが、高島氏の評価につながったと言えるでしょう。

ユーザー目線の情報発信で押さえておきたいのは3つです。

1.ユーザーが知りたい情報を発信する

最も重要なのはこの視点です。高島氏は復旧するまでの日数やこれ以上事態が悪化しないかなど、まさしく市民の一番気になるところに答えました。
例えば企業で食品に異物混入が起こった時、消費者にとっては自分がその商品を買っていないかどうか、食べてしまっていないかどうかが気になるところです。
企業側の視点で見ると、○○工場の〜の過程で異物が混入したという点に注視してしまうかもしれません。
消費者が、今何を知りたいのかを意識した情報発信を心がけましょう。

2.簡潔でわかりやすく表現する

SNSはブログや文書での発表とは異なり、基本的に長い文章は好まれません。
Twitterには140字の文字制限があり、Instagramはそもそも画像での表現を前提としたSNSです。Facebookでは6万字以上の投稿も可能ですが、表示される画面の幅が小さく、長文では読みづらさを感じます。

そのような点を踏まえると、簡潔でわかりやすく表現をする必要があると言えるでしょう。
実際、高島氏の投稿でもQ&A形式の箇条書きで、内容をわかりやすく伝えています。

3.SNS以外の受け皿を用意しておく

見逃しがちなポイントですが、SNSで情報発信する際には、投稿に関して質問が出てくることを予測して、事前にお客様相談室などの受け皿を用意しておきましょう。
SNSではコメント欄もありますが、内容によってはコメント全てに答えるのには膨大な時間がかかってしまいます。
何より問い合わせの種類は多岐にわたるので、SNSで全てをカバーするのではなく、他の担当部署に割り振る体制作りをしましょう。

まとめ

SNSで行う情報発信は、他のメディアに比べ消費者に早く直に伝わります。そのため災害時やリコール対応、決算情報の開示など世の中にインパクトを与える情報を発信する際には、どのように発信したかが、のちの企業イメージにかかわってきます。

企業のイメージを損ねないためには、SNSごとのユーザーの特徴を知り、そのユーザーがほしい情報はどのようなものなのかを意識することが何より大切です。
今回取り上げた高島市長含め、SNSでの情報発信を活用している企業や行政は多く存在します。実際にどのような情報発信が行われているのか、見てみるのもいいかもしれませんね。