過去にさかのぼると、Googleは他社と比較しても数多くの企業・サービスを買収しています。
2006年の動画投稿サイト『Youtube』の買収が記憶に新しいところで、近年では、モバイル、セキュリティ、人工知能と様々な分野のサービスを積極的に買収しています。

2016年も10を超える多種多様なサービスを買収しているGoogle。今回は、2016年にGoogleが買収したサービスをまとめてご紹介します。
今後Googleがどのように事業展開していくのか、を知る上でも、今年どのようなサービスを買収してるのかチェックしておきましょう。

Googleが2016年に買収した14個のサービス

1.Apigee

Apigee
http://jp.techcrunch.com/2016/09/09/20160908google-will-acquire-apigee-for-625-million/

Apigeeは、デジタルサービス構築に必要となるAPIの開発・管理のプラットフォームを提供する企業です。顧客には薬局チェーンWalgreens、AT&T、Burberryをはじめとする有名企業を数多く含んでいます。

今年9月にGoogleが買収したことを発表し、その買収額は6億2500万ドルでした。
Apigeeの買収によりGoogleは同社の技術、顧客リスト、さらにAWSの顧客の一部を入手することになり、API市場において優位に立てるに違いありません。

2.Eyefluence

Eyefluence
http://jp.techcrunch.com/2016/10/25/20161024google-buys-eyefluence-eye-tracking-startup/

Eyefluenceは、2013年創業のアイトラッキング技術を開発するスタートアップです。
今年10月にEyefluenceがブログ上でGoogleに買収されたことを発表しました。買収額の詳細は非公開です。

Eyefluenceが着手してきたアイトラッキングは、VRヘッドセットにおいて非常に重要な技術です。
同社が開発してきた技術は"目の動きが完全にマウスの代わりになる"というもので、ユーザーは目を動かすジェスチャーだけで快適に動作を行うことができます。

3.Synergyse

Synergyse
http://jp.techcrunch.com/2016/05/03/20160502google-acquires-synergyse-an-interactive-training-service-for-google-apps/

Synergyseは、Google Apps for Workの使い方を教えるサービスで、Google元社員が2013年に創業しました。
約3,000の企業団体、約400万人に教育訓練を行った実績を持ち、同社の発表によるとこの教育訓練プログラムを利用する企業はApps中において採用しているプロダクトが他社のサービスに比べて35%多いということです。

今年9月にGoogleによる買収が決定しております。※買収額は公開されておりません
今後、同社が提供する「Synergyse Training for Google Apps」はGoogle Appsユーザーに無料で提供することが決定しています。

4.Webpass

Webpass
http://jp.techcrunch.com/2016/06/23/20160622google-fiber-is-buying-high-speed-internet-provider-webpass/

Googleの光回線事業Googleファイバーは、今年6月に高速インターネットサービスプロバイダー(ISP)Webpassを買収しました。

Webpassは2003年に創業したアメリカ・カリフォルニア州に拠点を持つ企業で、国内の大都市圏に高速インターネット接続を提供してきました。
Google Fiberは現時点でアメリカ国内で5つの都市にサービス提供していますが、将来的に20に拡大したいという目論みがあり、今回の買収でさらなる拡大を後押しすることが予想できます。

5.Moodstocks

Moodstocks
http://jp.techcrunch.com/2016/07/07/20160706google-buys-france-based-moodstocks-which-makes-image-recognition-tech-for-smartphones/

フランスで産声を上げた画像解析のスタートアップMoodstocksは、今年7月にGoogleによる買収が決定しました。
買収が決まる2週間前に、Twitterが動画・画像の機械学習技術を手がけるMagic Ponyを買収しており、Googleもこれに続く形でした。

今後、MoodstocksチームはGoogleの研究開発運用拠点に参加します。
なお、今回の買収によりMoodstocksはGoogle内で開発に注力する考えで、同社のAPI・SDKは提供を終了する予定です。

6.Anvato

Anvato
http://jp.techcrunch.com/2016/07/08/20160707google-acquires-anvato-a-media-streaming-and-monetization-platform-for-broadcasters/

Googleは動画と中継ビジネスのテクノロジー面強化を目的とし、7月にAnvatoを買収しました。
Anvatoは大手メディア企業も使っているビデオソフトウェアプラットフォームで、クラウド上で動画編集や広告の挿入などが一貫してできるサービスを提供しています。
これは、Googleのプラットフォームでこれまで提供していなかったサービス内容です。

今後Anvatoは、Cloud Platformチームに参加しすることが決定しています。なお、買収額は明らかになっていません。

7.Orbitera

Orbitera
http://jp.techcrunch.com/2016/08/09/20160808google-buys-orbitera-a-platform-for-building-marketplaces-cloud-software/

8月にクラウド・プラットフォームブログ上で、クラウドソフトウエアの売買プラットフォームを手がけるスタートアップ企業Orbiteraの買収を発表しました。

今後、エンタープライズ向けサービスの強化を目指してGoogle Cloud Platformに参加することが決まっています。詳しい買収条件は明らかになっていませんが、買収額は1億ドル以上だといわれています。

8.Urban Engines

Urban Engines
http://japan.cnet.com/news/business/35089298/

Urban Enginesは位置情報分析のスタートアップ企業です。Googleは、Urban Enginesの技術をGoogle Mapsに取り入れるため今年9月に買収しました。
マップ技術はApple、Uberほか、数多くの企業が取り組む注目度の高い分野です。

今回の買収により、Googleの位置情報分析分野への取り組みはより加速することが考えられます。

9.API.AI

API.AI
http://jp.techcrunch.com/2016/09/20/20160919google-acquires-api-ai-a-company-helping-developers-build-bots-that-arent-awful-to-talk-to/

Googleは9月に、API.AIを買収しました。※買収額は公開されておりません
API.AIは、誰でも自然言語で会話できるbotを作ることができるサービスで、現時点で英語、中国語、フランス語、ドイツ語を含む全15ヵ国語に対応しています。

また、これまでに30億件のAPIリクエストを処理しており、利用したことがあるデベロッパーは6万以上だといいます。

10.Kifi

Kifi
http://jp.techcrunch.com/2016/07/13/20160712google-acquires-deep-search-engine-kifi-to-enhance-its-spaces-group-chat-app/

Googleは7月、ソーシャルアプリケーション強化を目的としてKifiを買収しました。
Kifiはいくつかのソーシャルアプリで共有されている関連リンクを収集するエクステンションで、「Kifi for Twitter」を提供しています。今後KifiはグループチャットアプリSpacesに参加することが決定しています。

11.Pie

Pie
http://thebridge.jp/2016/02/google-acquires-singaporean-workplace-chat-app-pie-region

Pieは、シンガポールを拠点としている業務用チャットアプリのスタートアップです。今年2月に買収が決定し、Googleの東南アジアにおいての初めての買収先になりました。
買収の理由は、モバイルの方向性、起業家精神であるとGoogle製品担当VPのCaesar Sengupta 氏は述べています。

今後PieのエンジニアはGoogleがシンガポールで作っているチームに加わります。

12.LaunchKit

LaunchKit
http://jp.techcrunch.com/2016/07/28/20160727launchkit-team-heads-to-google-and-open-sources-its-tools-for-helping-devs-launch-their-apps/

LaunchKitは、アプリをローンチするためのデベロッパー向けツールを提供するチームです。
7月にGoogleが買収し、Developer Product Groupに加わることが決定しました。
LaunchKitの製品はオープンソースとしてGitHub上で公開、12か月間はサービスを利用できますがその後閉鎖する予定です。

13.FameBit

FameBit
http://japan.cnet.com/news/service/35090434/

FameBitは、コンテンツクリエイターと企業を引き合わせるプラットフォーム「FameBit」を運営する企業です。今年10月にGoogleが買収し、YouTube公式ブログへの投稿で発表しています。

同社のサービスは引き続き独立した事業として運営するものの、今後運営形態は変わる可能性があるとしています。なお、買収額についての公表はありません。

14.BandPage

BandPage
http://thebridge.jp/2016/02/youtube-acquires-music-startup-bandpage

Google傘下のYouTubeは、オンラインミュージックプラットフォームBandPageを2月に買収しています。
このプラットフォームはファンとミュージシャンをつなげたりFacebook上でプロモーションができるというもので、50万以上のミュージシャンを有しているといいます。

今年2月時点では今後のサービス継続については触れておらず、買収額も非公開です。