ファシリテーションに求められるスキル

ファシリテーターに求められるスキルは幅広く、また多岐に渡ります。

その中でも、特に求められる4つのスキルを紹介します。

参考:
ファシリテーションとは|特定非営利活動法人 日本ファシリテーション協会
第3回:「構造化」と「意思決定」のスキル|J-Net21
  

1. 場のデザインのスキル

場のデザインとは、会議の席順や当日の運営方法、事前の準備までどのような「場」を作るのか設計することを指します。特に活動の目的とチームの状態に合わせて、問題解決に至るプロセスを設計することが重要視されます。
  

2. 対人関係のスキル

実際に会議や企画がスタートすれば、メンバー同士の意見が交わされます。その際に、メンバー1人ひとりの意見を受け止め、さらに深い意見を引き出していく能力が問われます。具体的なスキルでいえば、ポイントを押さえた復唱や的確な質問、傾聴の姿勢などが挙げられるでしょう。
  

3. 構造化のスキル

複数のアイデアが生まれてくれば、当然似たような意見や対立する意見がでてきます。そのような意見が出てきた際には、全体を俯瞰した上で、それぞれの意見を整理していくことが必要となってきます。

この時、意見を整理していくロジカルシンキングの能力が問われるだけではなく、ファシリテーション・グラフィックを用いて、ほかのメンバーの合意を取りながらわかりやすくまとめていくのが重要です。
  

4. 合意形成のスキル

会議がある程度まとまってきたら、実際にその会議で得た内容を次のステップへと落とし込んでいく意思決定が必要です。メンバーの多数決で安易に決めるのはなく、メンバーの意見を反映させた最適解へと導いていくスキルが求められます。

その際は、メンバーの意見を聞くだけではなく、バタフライテストのような手法を用いて意見を取りまとめていくのも一手です。
  

本格的にファシリテーションを学ぶなら

ここまで解説してきたようにファシリテーションを発揮するには、幅広いスキルが必要となります。特に中心的な人物となるファシリテーターには特別な能力が求められるでしょう。

本格的にファシリテーションについて学ぼうという方は専門講座や書籍から、知識を吸収してみてはいかがでしょうか。
  

ファシリテーター講座

1. ファシリテーション&ネゴシエーション講座|グロービス・マネジメント・スクール

ファシリテーション&ネゴシエーション講座|グロービス・マネジメント・スクール.png
http://gms.globis.co.jp/curriculum/skill/fan/outline.html

グロービス・マネジメント・スクールと言えば、年間約8,500人の社会人が新規に受講を受けている、国内でも規模の大きいビジネススクールとして有名です。ビジネススクールと聞くと入学試験があり、大学のような受講形式をイメージしますが、グロービス・マネジメント・スクールであれば目的に合わせて1科目から選択できます。

このファシリテーション&ネゴシエーション講座では、ビジネスリーダーを目指す方を対象に、「人を動かす」「人の知恵や意欲を引き出す」「複数の利害関係者の意見をまとめる」などの合意形成のプロセスを学べます。
  

2. 実践 ファシリテーション|産能マネジメントスクール

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http://www.hj.sanno.ac.jp/cp/course/3732

産業能率大学が運営するマネジメントスクールによる講座です。グロービス・マネジメント・スクールと同様に、ファシリテーションの講座のみを受講可能です。中堅社員、リーダー、管理者を対象にした講座です。リーダーとしてどのようにメンバーと接し、どのようにチームから成果を引き出すかという視点で学べます。

3. ファシリテーション基礎講座|日本ファシリテーション協会

2018年1月20日_土__公開セミナー_ファシリテーション基礎講座__:_東京会場___ファシリテーション基礎講座(公開セミナー).png
https://www2.faj.or.jp/activity/seminar/2017/2018120/

日本ファシリテーション協会が運営する講座です。ファシリテーションの普及を目指してつくられた民間非営利団体で、前出の2つのマネジメントスクールよりも、よりファシリテーションをメインに運営をしています。

ビジネスリーダーだけではなく、まちづくりや教育など、幅広い分野の方を対象にしています。ファシリテーションの基礎を、講義と演習(ワークショップ形式)を通じて学べるので、初学者にも参加しやすい講座だと言えます。
  

4. ファシリテーター養成講座|ICAJapan

ファシリテーター養成講座___ICA_Japan.png
https://goo.gl/77VasV

世界35ヵ国で国際規模の人道支援、コミュニティ支援を行っているNPO法人「ICAJapan」が行っている養成講座です。市民参加型の活動におけるファシリテーションの経験を軸としており、2日間の講座では「焦点会話手法」「合意形成手法」「行動計画プロセス手法」の3点を学べます。

焦点会話手法では、建設的な意見が出る有意義な会議にするためのデータやアイデアの収集方法を、合意形成手法ではグループの意見をまとめたり政策の形成をしたりといった合意形成の方法を学びます。また、行動計画プロセス手法では、チームの信頼を築きつつプロジェクトを運営していくためのスキルが学べます。
  

5. アイデアを生み出すファシリテーション・トレーニングほか|博報堂マーケティングスクール

博報堂のマーケティングの学校 「博報堂マーケティングスクール」.png
http://www.hakuhodo.co.jp/marketingschool/

「博報堂マーケティングスクール」では、基本的な内容から実践的な内容まで、ファシリテーションを学べる講座を複数開講しています。主にマーケティング担当者や商品企画担当を対象としており、マーケティング施策や新商品開発のアイデアを生み出し、まとめていくためのファシリテーションスキルを学べます。

講座ごとに日程が設定されているので、自分の学びたい内容に合わせてチェックしてみてください。
  

ファシリテーションを学べる本

1.『ファシリテーターの道具箱』森 時彦

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https://goo.gl/z5dRf0

これからファシリテーションをはじめる人にとって、使いやすいツールや小技を学ぶには良い本です。ファシリテーションのノウハウが見開き2ページで49個紹介されています。左のページが説明で、右のページが図解です。よって、ある程度ファシリテーションの基礎知識がある方で、ちょっとした解決案に困っているような方にも便利な内容だと言えます。
  

2.『ファシリテーションの教科書』グロービス(著)、吉田 素文(執筆)

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https://goo.gl/7I24Yh

筆者はグロービスの講師育成に携わっており、著者自身も数多くのファシリテーションを経験しており、その体験に基づいて書かれています。ファシリテーションの教科書というタイトルどおり、基礎的な内容は一通り学べ、初心者に必要な知識について網羅されています。
  

3.『リーダーのための! ファシリテーションスキル』谷 益美(著)

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https://goo.gl/C2q7SU

初めてリーダーを任されたビジネスパーソン向けの本です。メンバーの個性を引き出し、チームとして成果を出すためのノウハウが満載です。ビジネスだけではなく、飲み会などの幅広い範囲でファシリテーションスキルを使うことを想定して書かれています。
  

4.『問題解決ファシリテーター』堀公俊

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https://goo.gl/r7i63U

日本ファシリテーション協会初代会長である堀公俊氏による著書です。ファシリテーションとは何か、またファシリテーションを発揮するために必要なスキルとは何かと言ったファシリテーションの知識が体系的にまとめられています。実際の事例も紹介されており、実践的な内容を学べます。

参考:堀公俊 ― ほりきみとし|日本経済新聞出版社
  

5.『ファシリテーション入門 』堀公俊

ファシリテーション入門__日経文庫____堀公俊__本___通販___Amazon.png
https://goo.gl/EDEu43

こちらも日本ファシリテーション協会初代会長である堀公俊氏による著書です。会議運営、プロジェクト推進、組織変革、合意形成などファシリテーションの基本的な知識やスキルが紹介されており、初心者でも読みやすい内容となっています。