プログラミングをオンラインで学んだり、環境に左右されずに作成することができるモバイルアプリ開発ツールが登場したおかげで、モバイルアプリ制作に関する障壁が、だんだんと低くなっています。

そうした中でWebやITに関する担当者だけではなく、マーケティングや広報に関わる人の中にも、モバイルアプリを自社で開発したいと考え始めている人は増えてきたのではないでしょうか。

しかしながら、モバイルアプリを開発し始める前に、確認しておきたい重要事項があるのをご存知ですか。今回は、そうしたモバイルアプリを開発する前に確認しておきたいチェックポイントをまとめてみました。

すでにモバイルアプリ制作に携わっている方だけではなく、これから作りたいと考えている方も、ぜひチェックしてみてください。
  

モバイルアプリを作る前に押さえておきたい5つのチェックポイント

いきなりモバイルアプリ制作に取り掛かるのではなく、事前に確認しておきたいことがあります。
確認をせずにいきなり制作に入り始めると、のちに開発チーム内でのトラブルに繋がったり、せっかく製品を作ったのにプロジェクトが頓挫してしまうこともあります。
そうならないためにも、ぜひ次のチェックポイントを確認してみましょう。
  

1. アプリの付加価値やユーザーのニーズ、市場などを分析しておく

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せっかくモバイルアプリを作っても、アプリがインストールされなかったり、インストールされても数回起動するだけでユーザーが使わなくなってしまったら、本来のゴールを達成することができません。
そのためにも、事前にアプリの価値を高めるための調査・分析は欠かすことができません。

具体的に言えば、ユーザーのニーズをアンケート調査したり、競合に対しての差別化を明らかにしたりすることです。分析には、バリューチェーンやSWOT分析などのフレームワークも役に立ちます。

また、想定されるユーザーを*「ペルソナ」として定義しておいたり、ユーザーの行動を分析して「カスタマージャーニーマップ」*(CJM)を作ることもアプリの開発前に行っておきましょう。
ペルソナやCJMは、アプリ開発後のフィードバックによってその都度アップデートすることもできるので、まずはしっかりと利用者やその行動を想定してアプリ開発に取り組みましょう。
  

2. デザインパターンを押さえておく

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アプリの企画立案者がイメージしているものは、必ず事前にデザイナーや製作者とも内容を擦り合わせておくことが大切です。掘り下げが甘いままデザインを行うのは、プロジェクト全体にとってリスクです。

開発メンバーの中で、開発イメージを*「ストーリーボード」としてビジュアルの形にまとめたり、動線をレイアウトした「ワイヤーフレーム」*として作成しておくと、開発段階でのデザインの齟齬がなくなります。また、アプリがどのような用途で使われるのかによって、UIデザインの方向性も変わってきます。

ユーザーがアプリをとおしてどのようなことを達成してほしいかを考えながら、ベストなデザインを擦り合わせていきましょう。
  

3. 開発環境を確認しておく

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アプリを作成する時には、開発環境を確認しておきましょう。

例えば、iOSアプリを作る場合にはXCodeを使えばいいですが、すでにAndroid版を作ることを決めていたり、将来的にAndroidやWindows Phone向けのアプリを展開していきたいのであれば、クロスプラットフォームで作成することを想定して開発環境を決めておきたいところです。
そのほか、デバッグの方法や、実機での確認方法なども、しっかりと開発チーム内で決めておきましょう。
  

4. 最適なプロトタイピングツールを選ぶ

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プロトタイピングツールはすでにたくさんリリースされているので、様々な選択肢の中から選ぶことになります。リアルな動きを表現する必要がなければ、InvisionProttを使うのもいいでしょう。

しかし、よりリアルな動きを重視したいのであれば、Adobe Experience Design(XD)Facebook Origami Studioといったツールを使うことも考えられます。

プロトタイピングの準備が整ったら、チーム内の意見を集約して、導線と画面設計に磨きをかけていきます。ProttやAdobe XD、Origami Studioにはモバイル版もあるので、実機を操作しながら評価・改善を繰り返していきます。初めはデザイナーだけでも構いませんが、最終的には開発チーム全体でレビュー&フィードバックしていきます。
  

5. 仕様を確定させておく

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開発チームにはフロントエンドからバックエンドまでのエンジニアをはじめ、様々な利害関係者が参加しています。こうした人々の間で仕様に関して曖昧な点が生じないように、事前に*「仕様書」として仕様を定義しておきます。また、デザインチーム内では、デザインの方向性を決めた「デザインポリシー」*を決めておくとよいでしょう。