紅白歌合戦から読み解くSNS運用のポイント

今まで紹介してきたように、NHKでは様々なSNSへの取り組みを行ってきました。
なかでも、2016年12月31日に放送された『NHK紅白歌合戦』では、その特徴やSNS運用のポイントが見て取れます。
番組中に行われた様々な企画を通して、Twitterを中心としたSNS運用のポイントを見ていきましょう。

1.流行をつかんだ企画

10代〜20代の利用率が高いTwitterでは流行をつかんだ情報発信がポイントの1つと言えます。紅白歌合戦では「シン・ゴジラ」や「君の名は」「恋ダンス」などの、2016年度中にヒットした要素を取り入れた企画が目立ちました。

参考:
[モバイル&ソーシャルメディア月次定点調査 (2016年7月度)]
(https://marketing-rc.com/report/report-monthly-20160803.html)

ゴジラ×紅白

2016年に興行収入80億円を超えるヒットとなった映画『シン・ゴジラ』とコラボし、放送中のNHKホールをゴジラが襲うという設定の企画です。

実際にTwitter上では企画映像が流れるタイミングで「紅白」を含むキーワードのツイートが増大しています。

参考:
[X JAPAN、シン・ゴジラを撃退 紅白歌合戦でコラボ]
(http://www.huffingtonpost.jp/2016/12/31/shin-godzilla-kouhaku_n_13910418.html)
[渋谷にゴジラが現れる!?『紅白×ゴジラ』スペシャル企画発進!!]
(http://www6.nhk.or.jp/nhkpr/post/original.html?i=08599&f=prtw)
「シン・ゴジラ」ヒットの理由はリアルさと満載の小ネタ遊び

恋ダンス

星野源が歌う「恋」の放送時には、司会から会場に向かって”恋ダンス”を一緒に踊るという呼びかけがされました。

“恋ダンス”とは、2016年に注目を集めたTBSドラマ『逃げるは恥だが役にたつ』のエンディングで主題歌に合わせて踊るダンスの通称で、YouTubeでは数多くのダンス動画が投稿されています。

今回、番組の審査員の1人にドラマのヒロインである新垣結衣さんがいたこともあり、Twitter上で話題になりました。

参考:
「恋ダンス」ブームを生んだ緻密なWebマーケティング戦略を徹底解説

2.リアルタイムでの配信

紅白歌合戦のTwitter公式アカウントでは、番組の内容に合わせてリアルタイムでの配信が行われました。

先ほど取り上げたような企画や内容について、およそ5時間の放送時間中に100以上ものツイートを行っています。
このように視聴者自身が番組の内容について語りたくなるような情報を発信し続けることでTwitter上で情報が広がり、より大きな広告効果を生むでしょう。

このような素早く頻繁な情報発信は企業で運営を行う担当者にとっても意識したいポイントです。

3.インフルエンサーの活用

番組の途中には、渡辺直美さんとピコ太郎さんによる出演歌手の紹介企画も行われました。

渡辺直美さんはインスタグラムで570万人以上のフォロワーを抱えるインフルエンサーの1人です。
また、ピコ太郎さんはインスタグラムでジャスティンビーバーが取り上げたことをきっかけにして流行したと言われ、インスタグラムでも6万人以上からフォローされています。

このようなSNS上で発信力を持つ芸能人を使うことで、投稿を通して番組の内容が多くの人の目に触れます。

企業でもこのようなインフルエンサーを用いたプロモーション手法が普及していますが、一方では広告と表示せずに製品のプロモーションを行うステルスマーケティングに繋がってしまう側面もあります。

自社でインフルエンサーの影響力を活用したい時は、そのようなステルスマーケティングにならないよう気をつけましょう。