ホームページの作成やWeb広告の運用など、Webマーケティングに取り組みたいと思っても「うちはお金ないし……」と諦めてしまったことありませんか?

WebマーケティングではSNSの運用など少額からでも取り組める方法が数多くあります。ですが、ホームページの作成を依頼したり、広告を運用したりなど、より大きな集客を行うには資金も必要になってきます。

中小企業であれば、今までに行ったことのないことに投資するのは勇気のいることでしょう。
そんな時に知っておきたいのが、助成金などの"行政の助成制度"です。

今回は、その種類や提供する機関などの助成制度の基本知識と、Webマーケティングに関わる助成制度そのものについて解説します。
金銭面での不安を感じている企業にとって、頼みの綱となる助成金について基本的な情報からまずは学んでいきましょう。

※掲載する情報は2017年1月13日現在のものです。最新の情報は各機関の発表している情報を参照するようにしてください。
  

助成制度とは

官庁や地方自治体などの行政は、国全体の発展のために個人だけではなく企業に対しても様々な支援を行っています。
金銭的な支援だけではなく、経営に関する相談や税制での優遇など、その内容は多岐に渡ります。

政策の変化や組織の変更などの影響を受けるため、年度によって制度は変更や追加を繰り返しています。
わかりやすい例を挙げると、2016年にはキャリアアップ助成金の「正社員や多様な正社員への転換等」の金額が拡充されました。これは労働者一人ひとりのワーク・ライフ・バランスを推進するという政府の方針をもとにしたものです。

助成金などの制度は社会に合わせて変化していくものだと認識しておきましょう。

参考:
キャリアアップ助成金|厚生労働省
  

助成制度の種類

行政の助成制度は助成金のみではありません。
自社にとって必要な支援は何かを考え、それに合わせた支援を求めることが大切です。
今回は独立行政法人中小企業基盤整備機構の運営しているJ-Net21の支援情報ヘッドラインをもとに、助成制度の種類を解説していきましょう。
  

融資、保証

事業を始める際には、元手となる資金が必要です。
そのような資金を無利子または限りなく低い利子で貸し付ける融資制度が整備されています。商工中金や日本政策金融公庫などの、政府系の金融機関が貸し付けを行っています。

 例:セーフティネット支援 取引企業倒産対応資金/商工中金、小規模企業共済 創業転業時・新規事業展開等貸付けなど/中小機構

例えば、「セーフティネット支援 取引企業倒産対応資金」では取引先企業の倒産により企業経営が困窮しており、資金が必要となる企業に対して低い金利で貸付を行っています。

このように一部の用途に限り、通常よりも負担が少なくお金を借りられるので、起業や経営再建が進むことが期待されます。
  

リース、割賦、貸与

国の政策を推進するのに必要な機器をリースしたり、創業期に必要な設備を行政で購入して品物だけを企業に貸し付けたり、品物の種類は様々です。

 例:小規模企業者等設備貸与/三重県、受動喫煙防止対策に係る測定支援/厚生労働省

例えば、「受動喫煙防止対策に係る測定支援」では、煙草の受動喫煙対策に取り組もうとする企業や飲食店に対して、一酸化炭素計や臭気計のような環境測定の機器を無料で貸し出しています。
金銭ではなく品物を貸し出すことで、一部の企業だけではなく複数の企業に使い回して支援を行えることが特徴です。
  

税制

企業が国に支払う税額に対する優遇処置を行う支援制度もあります。
特定の税の免除や減額など、額によっては企業にとって大きな意味を持ちます。

 例:くるみん税制(次世代育成支援対策推進法の認定企業に対する税制優遇制度)/厚生労働省、雇用促進税制/厚生労働省

くるみん税制では授乳コーナーの設置や多目的トイレの設置など、高齢者や子育てに関わる人にとって使いやすい環境を整備している企業が対象となります。
建物や備品の減価償却に対して割増償却という企業の所得が圧縮される方式が取られるため、それに伴い、所得にかかる法人税が減額されます。

この特徴としては、特定の設備への投資に対して税制優遇を行うなど、一部の行動を行った企業のみが優遇される仕組みにあります。
国にとって推進したい取り組みに企業が投資しやすくなる助成制度と言えるでしょう。
  

補助金、助成費、委託費

国として特に大きく成長を促したい分野に関する企業や学術機関などでの金銭的な支給制度として、補助金や助成費、委託費が提供されています。
公募制のため、人気がある制度が多くの希望者が募り、倍率が高くなるので注意しましょう。

 例:革新的ものづくり・商業・サービス開発支援補助金/中小企業庁、特定地域経営支援対策事業/農林水産省

例えば、「革新的ものづくり・商業・サービス開発支援補助金」では、中小企業の新商品作りを支援するため、革新的な商品アイディアに対して補助金を支給する制度です。

同じ目的で中小企業庁が行った、ものづくり中小企業製品開発等支援補助金事業では、「LEDを利用したデジカメ用小型撮影ライト」や「外食産業で利用するプラスチック製箸向け洗浄機」などの開発に対して助成金が支給されました。

市場を牽引するような革新的な事業や地域に貢献する事業など、特定の分野に限ったアイデアや事業に対して返済を必要としない資金を支給するのが特徴です。

参考:
新ものづくり補助金商業サービス編|ミラサポ
ものづくり中小企業製品開発等支援補助金事業成果事例集
  

出資

企業に対する直接的な融資だけではなく、特定のファンドに出資を行い、ファンドをとおして企業の資金的援助を行うあり方も支援として取られています。

 例:中小企業成長支援ファンド/中小機構、企業支援ファンド/中小企業基盤整備機構

中小企業成長支援ファンドでは、新規事業を行おうとしている会員企業が合同で出資したファンドに対して政府系金融機関である中小機構も出資に加わっています。
身近で例えると、社員が部内の交流のために忘年会を開こうとする時、参加する社員が支払う飲食代の一部を企業が負担するようなものだとイメージするといいでしょう。
  

経営支援、経営相談その他

金銭以外にもオフィススペースの安価での提供や特別相談窓口の開設など、経営全般に対しての支援制度があります。

 例:「多言語音声翻訳システムの利活用実証に係る実施団体公募/総務省、鳥取県・岡山県共同アンテナショップ(東京)ビジネスセンターの利用者募集/鳥取県

鳥取県では、首都圏に進出しようとする地元企業に対して、県の運営するアンテナショップの一部スペースを活動の拠点として利用できるよう貸し出しています。
金銭的な補助や設備の支給とは異なりますが、企業にとってメリットを得られる制度が多く存在します。
  

ビジネスプラン募集、表彰

市場の発展に寄与するような新たなビジネスを創出した企業や地域の発展に貢献した事業者に対して、その活動への表彰を行っています。

 例:なでしこ銘柄/経済産業省、パリでの販路拡大支援として各地域のクールジャパン商品を常設展示/中部経済産業局

例えば、経済産業省が選出するなでしこ銘柄は、女性活躍推進に優れた取り組みを行った上場企業を選出するものです。賞金がもらえる場合だけではなく、表彰されること自体が企業認知度の向上などの効果を生みます。

参考:
平成 27年度「なでしこ銘柄」を発表しました~女性活躍推進に優れた上場企業 45 社を選定!!~
  

提供している機関

・経済産業省などの各官庁
・都道府県、市区町村
・日本政策金融公庫などの政府系金融機関
・ハローワーク など

助成制度を提供している機関には上記のように様々なものがあり、所属する機関によって取り扱う領域や制度の目的が異なります。

例えば、同じ製造業への助成金だとしても、官庁であれば市場全体にもたらす効果がどの程度あるのかを採用基準にされますし、地方自治体であればどのように地域活性化に寄与したのを評価されます。

助成制度を利用する際には、その制度がどのような目的のもとに設置されている制度なのかを事前に把握しておきましょう。
  

Webマーケティングに関わる助成金制度

ホームページの開設や広告出稿など、Webでマーケティングを行う際にも費用がかかるタイミングがあります。
その際に利用できる可能性のある助成金をいくつかご紹介します。
  

小規模事業者持続化補助金

平成27年度 小規模事業者持続化補助金____ホーム.png
http://h27.jizokukahojokin.info/

日本商工会議所では、従業員20名以下(製造業の場合)の小規模事業者による販路拡大の取り組みに対して上限額50万円の補助金を支給しています。

以下のように、展示会の出展費や外注費などが対象となっています。

《対象となる取り組みの例》
(1)広告宣伝(広報費)
・新たな顧客層の取り込みを狙い、チラシを作成・配布
(2)集客力を高めるための店舗改装(外注費)
・幅広い年代層の集客を図るための店舗のユニバーサルデザイン化
(3)展示会・商談会への出展(展示会等出展費)
・新たな販路を求め、国内外の展示会へ出展
(4)商品パッケージや包装紙・ラッピングの変更(開発費)
・新たな市場を狙って商品パッケージのデザインを一新
※日本商工会議所公式ホームページより抜粋

この制度では、施策の実施後の補助金支給となるので注意が必要です。
  

「新・展示会等出展支援助成事業-販路拡大サポート事業-」

「新・展示会等出展支援助成事業_販路拡大サポート_事業」のご案内|東京都中小企業振興公社.png
http://www.tokyo-kosha.or.jp/topics/1603/0025.html

公共財団法人東京都中小企業振興公社では展示会等への出展及び各種メディアへの広告掲載を行う東京都内の中小企業者に対して、上限額150万円の補助金を支給しています。

新聞・雑誌だけではなく、Webサイトへの広告掲載も対象になるのが特徴です。広告費のみでの申請は認められていないので注意してください。
  

その他、ホームページ作成に関わる助成金

平成28年度中小企業ホームページ作成費補助金についてのお知らせ 中央区ホームページ.png
http://www.city.chuo.lg.jp/sigoto/kigyonosinko/_user_shoukan_time.html

市区町村によっては、新規に作成するホームページについて補助金を支給しています。
中央区の場合は上限額5万円までの支給が受けられます。

各自治体のホームページを見て、自社が利用できるものがあるか探してみるといいかもしれません。

参考:
ホームページ作成・変更費用を補助します|港区産業振興課
外国語ホームページ新規作成費用支援 助成金|台東区産業振興事業団
  

キャリア支援に関わるもの

Web担当者の育成にはキャリア支援の助成金の中に利用できるものがあります。
スキルアップのための研修費用などは、これらの制度を利用してみるのもいいでしょう。

 例:職場定着支援助成金、キャリア形成促進助成金など

  

まとめ

行政の助成制度は助成金だけではなく、経営相談や表彰など様々なものがあります。提供している機関によって取り扱っている領域や制度の狙いは異なります。

それぞれの助成金の最新情報をつかんで、自社の利用できるものなのか精査しましょう。
助成金の中には、ホームページの制作費やWeb広告の費用にも使える助成金もあります。

「Webを使って集客したいけどお金に不安があって……」という方は、助成金も1つの方法として知っておきましょう。