商品の魅力をアピールするのに、あなたの会社ではどのような手法を用いていますか?
ホームページで展開したり、チラシを配布したりと創意工夫をしながら、顧客に商品を知ってもらうためのプロモーションを行っているでしょう。

プロモーションを行うなかでも「この商品の良さは実際に体験してこそわかる」と感じることはありませんか?
そんな時に使いたいのが体験型マーケティングの手法です。
試飲イベントやサンプリングといった体験型マーケティングでは、実際に触れてもらうことで商品の良さを顧客自身が実感することができます。

今回は「体験」を利用したマーケティングの手法をご紹介します。
このサービスの魅力を顧客に直接伝えたいという思いのある方は必読です。

「体験」をマーケティングに活用するメリット

実際に商品やサービスに触れてもらうことで、魅力を感じてもらう販売促進方法を体験型マーケティングといい、食品・酒造メーカーを中心として幅広い業界で利用されています。

例えば、スーパーマーケットで行うビールの試飲会は実際に飲んでみることで味を実感できるだけでなく、販売員との会話を通して商品の購入率が上がるというメリットがあります。

実際に株式会社メディアフラッグによる調査では「過去の一度でも試飲・試食を受けて商品を購入したことがある」と答えた人は、99.1%にものぼりました。
また、購入したあとにまた同じ商品を一回以上購入したことがあるという人は64.0%となり、リピーターの獲得にもつながっています。

現在では、店頭やイベント会場での集客だけでなくSNSやホームページと連動したマーケティングを行う企業も現れています。

例えば、ビールの泡を凍らせてソフトクリームのように盛り付けた「一番搾りフローズン〈生〉」は、期間限定の店舗を展開し、実際に飲んでもらうことで商品の周知を図りました。
その際には、店舗を訪れた多くの女性客を中心にSNSでも話題が広がり、Twitterでは1日で800件もの関連ワードがツイートされるという盛り上がりを見せました。

このように、商品やサービスを体験した人自身が購入するだけでなく、SNSを中心とした「口コミ」が広がることでさらにプロモーションの効果は高まります。

また、体験してもらうことで、消費者の生の声を聞くことができるというメリットもあります。
これから「広報・PRを目的としたもの」「消費者の反応を把握する目的で行うもの」に分けて、体験型マーケティングの手法を見ていきましょう。

参考:
「試飲・試食販売についてのアンケート 99%が試食商品の購入した経験あり、“再購入する”も6割超」をリリースしました。
[体感型マーケティング成功のポイントは、5つのツールの掛け算――キリンビール]
(https://www.advertimes.com/20131209/article138276/)

1.広報・PRのための「体験」

商品の認知度向上や販売促進を行うための手法です。
体験を通したプロモーション手法の中でも、主なものから5つご紹介します。

1-1.試食・試飲・試遊イベント

イベント限定で商品・サービスを無料で提供する手法です。

代表的なものとして、スーパーマーケットでの試食や試飲、飲食店とのコラボによる試食などが挙げられます。

イベントを実施する際には、商品に合わせた場所を選ぶことが大切です。
例えば、ソーセージやビールなど比較的安価で毎日消費する商品であればスーパーマーケットでの小規模イベントが有効でしょう。

商品によってはマラソン大会のようなスポーツイベントとコラボしたり、ゲームの試遊会のような展示会での出展を行ったりと、幅広い展開が見込めます。

1-2.トライアルキャンペーン

主にWebサービスを中心として取られている手法で、特定の期間商品を無料または安価で利用できるというものです。
Webではアカウントを付与するだけでサービスが利用できるため、商品の郵送は不要になります。

代表的な例として、Amazonのプレミアム機能を利用できるプライム会員の無料体験キャンペーンが挙げられるでしょう。
このキャンペーンでは1ヶ月間、無料でプレミアム機能を利用でき、期間終了後は年間3,900円の有料会員へと切り替わります。

調査会社CIRPによると無料体験のあとに有料会員として継続する利用者は全体の73%にものぼり、トライアル後も継続して利用する顧客がいることがわかります。
労務管理システムや会計システムなど、導入までの障壁が高い商品において「まずはお試しでやってみよう」と思わせる効果もメリットと言えるでしょう。

参考:
[Amazonプレミアム無料体験]
(https://www.amazon.co.jp/gp/prime/pipeline/landing?ie=UTF8&Version=1&entries=0)
[アマゾン、無料「家事サービス」をプライム特典に計画中]
(http://forbesjapan.com/articles/detail/14332)

1-3.サンプリング

街頭での配布やダイレクトメールを通して、消費者へ試供品を届ける方法です。
無料で商品自体を渡すため、シャンプーや飲料など少量に分けて配布できる商品に限られるので注意しましょう。

対面でサンプリングを行う他にも、SNSを通じて無料で商品をプレゼントする「ソーシャルサンプリング」という手法が存在します。
フレーバーウォーターの「い・ろ・は・す もも」は発売前に、SNSで商品の無料プレゼントキャンペーンを行いました。
桃の形をしたボックスに入れることで当選した人がシェアしたくなる仕組みを作り、実際にプレゼントした1,100名のうち、半数以上の人が写真をとってツイートしています。

事前に商品を使ってもらう機会を作るだけでなく、使用感をいかに多くの人に共有してもらえるかがポイントと言えるでしょう。

参考:
[い・ろ・は・す ももの事例に学ぶ"話題のつくり方" - 鍵は4つの起爆剤]
(http://news.mynavi.jp/articles/2015/11/24/cocacola/)

1-4.観光コラボ

観光協会のイベントに合わせて、観光客に実際に訪れてもらうという手法で、商品の販売だけでなく、ホテルや旅館、エステなどのサービスでも利用できます。

例えば岐阜県では、中国人観光客向けの観光ホームページユーザーを集め、旅行体験共有会というイベントを行っています。
実際に中国在住の旅行作家やブロガーに観光地を回ってもらい、体験した人自身による体験レポートが拡散されることで、中国旅行会社による岐阜県の旅行ツアーが組まれるまでになりました。

参考:
[知名度がなくても始められる「旅行体験共有会」という手法]
(http://www.nikkeibp.co.jp/atcl/column/15/IB-BU/012700028/)

1-5.工場見学

食品や製品の工場に顧客を招き、実際に商品を製造しているところを見てもらう手法です。
工場見学は子供の社会見学の意味もあり、国内では産業観光として注目されています。

実際にトリップアドバイザーでの口コミによる年間の評価を集計した「行ってよかった! 無料観光スポット 2016」では第一位にJALの工場見学が選ばれ、工場見学が観光地として注目を浴びていることがわかるでしょう。

プロモーションとしてだけでなく、事業を社会貢献につなげるCSRの観点でも利用したい手法です。

参考:
[無料観光スポット第1位の「JAL 工場見学 Sky Museum」はどんなところ?]
(http://tg.tripadvisor.jp/news/ranking/freeattractions_2016/)
[行ってよかった!無料観光スポット ランキング 2016]
(http://tg.tripadvisor.jp/news/ranking/freeattractions_2016/)

2.消費者の反応を把握するための「体験」

実際に商品やサービスを体験してもらう体験型マーケティングの手法はプロモーションとしてだけでなく、消費者の反応を把握するための調査としても利用されています。

2-1.体験モニター

ターゲットの顧客層に合わせたモニター(被験者)を選び、実際に商品やサービスを使ってみた感想を聞き取る調査手法です。
期間を絞って自宅で商品を使ってもらう方法や一箇所に集まって複数の人に商品を使ってもらう座談会形式のものなど、様々な方法が取られています。

発売前にモニターとして選ばれた消費者の意見を取り入れ、商品開発やマーケティング施策の補正を図ることができるでしょう。

2-2.ブラインドテスト

ブラインドテストとは、ブランド名や商品名を隠した状態で商品を使用してもらう調査手法です。先入観を取り払うことで正確な意見をもらえることがメリットで、新薬の実証実験にも用いられる手法です。
一方では、ブランド名を隠されることなく商品を購入する実際の消費者が経験する体験とは異なってしまうというデメリットがあります。

参考:
[食品、飲料製品開発の為の市場調査 「期待する味覚を実現する」]
(http://www.research-clinic.com/marketing/%E5%91%B3%E8%A6%9A%E6%95%B4%E5%90%88%E6%80%A7%E5%88%86%E6%9E%90/)

2-3.広告・PRを兼ねた調査

紹介したような試飲会や工場見学でもプロモーションの意味をもたせつつ、商品の意見を聞くことが可能です。
アンケートを配布して感想を聞いたり、体験モニターの口コミを期待したりと横断的な取り組みが取れるでしょう。

参考:
国家戦略プロフェッショナル検定:実践キャリアアップ戦略 食の6次産業化プロデューサー

まとめ

体験によるマーケティング手法には大きく分けて「広報・PRを目的としたもの」と「消費者の反応を把握する目的で行うもの」の2種類に分かれます。

現在では、体験モニターのような調査目的のものであっても、被験者がSNSなどのネット上で口コミを広げることで商品のPRにつながる例もあります。

体験型のプロモーションは、体験用の商品を用意したり、会を運営するための人員を用意したりと、資源が必要になります。
また、ネット広告やチラシに比べて情報を伝えられる対象者がどうしても少なくなってしまうのはデメリットと言えるでしょう。

一方では「体験」は消費者にとって、印象に残りやすいプロモーション手法とも言えます。
現在ではその体験自体がSNSを通じてシェアされ、ネット上で大きく認知が広がる可能性もあるでしょう。

体験してもらい商品の魅力を感じてもらいつつ、自社の情報収集にもつながる体験型マーケティングは活用次第で幅広い展開が見込めます。
自社の商品・サービスがどのような性質を持つのかを考えて、取り組むようにしましょう。