2020年の改正個人情報保護法により、Cookieが規制されました。そのため、デジタルマーケティングやWeb広告をはじめとしたCookieを使用する施策において、大きな影響が出ています。

ここでは、Cookie規制の内容や背景からWEB担当者が実施できる対策まで詳しく解説します。

目次

  1. Cookie(クッキー)規制の背景
  2. Cookie(クッキー)がマーケティングに活用される理由
  3. マーケターに求められるCookie(クッキー)規制への対策
  4. Cookie(クッキー)に依存しないマーケティングにも注目しよう

Cookie(クッキー)規制の背景

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Cookieとは、Webサイトにアクセスしたユーザーの行動を一時的にパソコンやスマホに記録する仕組みのことです。ここでは、 Cookie規制の背景について解説します。

サードパーティーCookieによるプライバシーの侵害

Webサイトおよびマーケティング活動に欠かせないCookieですが、近年規制の動きが活発化されている背景にあるのが、サードパーティーCookieによるプライバシー侵害に対する懸念です。サードパーティーCookieは、Webサイトにアクセスしたユーザーの行動を継続的に追跡するため、個人のプライバシーを侵害する恐れがあります。

この動きは世界的にも広がっており、EUのGDPRやePrivacy Regulation、アメリカ合衆国のカリフォルニア州におけるCCPAなど、さまざまな個人情報に関連する法律でCookie規制が強化されています。

国内でもCookie規制が強化された

日本でも、2022年4月に施行された改正個人情報保護で、Cookie規制が強化されました。Cookieは個人関連情報であり個人情報には該当しないと定義したうえで、Cookieの第三者への提供において個人情報を紐づけする際に本人の同意が必要になりました。

本人の同意を取る方法はいくつかありますが、初めてアクセスしたユーザーに対して「Cookieの使用に同意しますか?」とポップアップを表示させる方法を導入しているWebサイトが多いでしょう。

Cookie(クッキー)がマーケティングに活用される理由

Cookieがマーケティングに活用できる理由は次のとおりです。

  • アクセスを分析できる
  • 広告配信に活用できる
  • ユーザー別に異なるアプローチができる

Cookieを利用すれば、ユーザーのアクセス数やその後の行動などを確認できます。例えば、情報提供型コンテンツにアクセスしたユーザーが短時間で離脱した場合は、コンテンツの文章が読みづらかったり、画像や広告の配置が適切ではなかったりした可能性があります。このように、ユーザー行動から取るべき改善策を模索することが可能です。

また、Webサイトにアクセスしたことがあるユーザーに広告を表示するリターゲティング広告にもCookieが欠かせません。さらに、ユーザーが商品やサービスの発見から購入までのどの段階にいるのかを把握し、ユーザー別に異なるアプローチをするのにもCookieが必要です。

リターゲティング広告ができない

リターゲティング広告とは、ユーザーがアクセスしたWebサイトの商品、サービスなどの広告をそのユーザーに対して配信するものです。一度は購入を考えたが別の商品・サービスが気になった、誤ってブラウザを閉じてしまったなどの理由で離脱したユーザーに対し、その商品やサービスの広告を配信することで購入を促せます。Cookieを使用するリターゲティング広告は、Cookie規制の影響を受けます

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アクセスやコンバージョンを正確に分析できない

Webサイトへのアクセス数やコンバージョン数の把握にもCookieを使用します。Cookieを使用しない場合、アクセス数やコンバージョン数を正確に分析できないため、妥当性が高い改善策の立案が困難になります。改善策の質が低ければ、施策実行にかかるコストを無駄に消費することになりかねません。Webサイトを収益源としている場合は、キャッシュフローが悪化する可能性もあるでしょう。

マーケターに求められるCookie(クッキー)規制への対策

マーケターには、Cookie規制に素早く対応することが求められます。Cookie規制の影響を受けた施策の代替え案を立案したり、別の角度からターゲットにアプローチしたりすることがポイントです。Cookie規制への対策について具体的に見ていきましょう。

同意管理プラットフォームの活用

同意管理プラットフォームとは、Webサイトにアクセスしたユーザーのデータを運営者へ提供するかどうかの同意を得るためのツールです。ユーザーは、運営者が取得するデータの内容を確認し、同意・非同意のいずれかを選択します。同意管理プラットフォームで各ユーザーの同意取得状況を管理できます。

同ツールを導入すれば、ユーザーは自分が提供したデータの利用方法を把握できるため、データの提供に対する不安や疑念などの抑制に繋がるでしょう。

ターゲティング手法の変更やカスタマージャーニーの見直し

Cookie規制の状況では、Webサイトへのアクセスや行動からターゲットを分析し、適切なアプローチ方法を立案することが困難です。Webサイトへのアクセスだけではなく、メルマガ登録の際に基本情報の入力を必須にしたり、資料請求に誘導したりすることで、ターゲットの分析に必要な情報を得られます。

また、カスタマージャーニーの見直しも必要です。カスタマージャーニーとは、ペルソナの行動や思考、感情などを時系列で可視化したものであり、各プロセスにおける顧客が求めている情報やアプローチなどを分析できます。

適切なカスタマージャーニーを作成できれば、顧客の詳細な行動の把握が困難な状況でも、その顧客が求めるであろう情報やアプローチを行い、購入意欲を高められます。

リターゲティングに頼らない手法の展開

サードパーティーCookieを使えないと言うことは、つまり自社データを貯める施策が重要になってきます。まずは大前提として基本的なWebマーケティングはしっかりしておきましょう。

● まずは基本的なWebマーケティングをしっかり

・受け皿となるサービスサイトの最適化
良質なコンテンツによる集客(オウンドメディア・ホワイトペーパーセミナー
・適切なコンテンツのデリバリーSEO・SNS)

● 他の手法でカバー

基本的なマーケティングが整っていたら、新しい手法も検討しましょう。
SNS活用やソーシャルリスニング、予算に余裕があればマス広告、リソースに余裕があればYoutubeチャンネルの活用などが考えられるでしょう。

SNSマーケティング
ソーシャルリスニングによる深い顧客理解
マス広告(TVCM・タクシー広告
Youtubeチャンネル

● 各KPIの見直し

リターゲティング広告からの集客・リード獲得・ナーチャリングが難しくなるため、リターゲティング広告のパフォーマンス低下と、他の施策でカバーすることを踏まえたKPI全体の見直しもしておきましょう。

リピーターを増やす施策や顧客エンゲージメントの強化

新規顧客の獲得だけではなく、リピーターを増やす施策にも力を入れましょう。例えば、商品やサービスを利用しているユーザーに最新情報やお得情報を伝えたり、丁寧にアフターサポートを行ったりする方法があります。これらの施策は、顧客エンゲージメントの強化にも繋がります。

顧客エンゲージメントとは、顧客が企業に対して持っている信頼や愛着といった感情的なものの度合いのことです。顧客エンゲージメントが高まることで、その企業が提供している他の商品やサービスも購入するようになり、LTV顧客生涯価値)が上昇します。

Cookie(クッキー)に依存しないマーケティングにも注目しよう

Cookie規制は、ユーザーの同意があれば情報を取得できるため、アクセス解析やターゲティング広告などが機能しなくなるわけではありません。しかし、以前と比べて正確なデータの取得や適切なターゲティング・リターゲティング広告の配信ができなくなっているため、Cookieに頼らないマーケティングにも注目が必要です。

カスタマージャーニーの見直し高品質なコンテンツの作成顧客エンゲージメントの強化など、さまざまな方法を用いて商品・サービスの購入・利用を促しましょう。

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特に多くのインターネット企業に影響を及ぼしそうなのが「Cookieの規制」です。ターゲティング広告などインターネット広告にもよく活用されているCookie が、今までのように使えなくなる可能性があります。今回は、IT企業や広告担当者が知っておくべきCookie規制について徹底解説。個人情報保護の基礎知識や、国内・国外でどんな動きや規制が生まれているか、どんな問題が起きているかも詳しくご紹介します。2020年代もトラブルなく施策に取り組めるよう、今のうちに対策しておきましょう。