旅館やアミューズメント施設など空間そのものをアピールしたい企業にとって、いかに顧客に対してリアルな魅力を伝えられるかは迷うところでしょう。
写真だけでなく、動画を用いた広告などを運用している企業もいるかもしれません。

そんな企業にとって新しい広告手法として知っておきたいのが、YouTubeやFacebookが対応している*「360度動画」*です。

今回は、Facebookの360度動画広告について運用事例と作成方法を解説します。
360度動画広告Googleマップのストリートビュー機能のように、360度の視野を体感することができる動画広告です。
ユーザーに対して現実の姿を感じやすい動画広告を配信することで、施設の魅力を感じてもらうことができるでしょう。

Facebook360度動画広告とは

Facebookでは360度の視点で撮影した最長6分までの動画にも対応しており、動画内でマウスカーソルを使って視点を移動させることができます。

360度動画は通常の動画に比べ、視点を自由に変えられるので、よりリアルな感覚で映像を楽しめるでしょう。
この投稿形式は広告としても運用でき、Facebook360度広告として配信できます。

なお、モバイルの場合、一部の端末は360度動画を視聴できません。
モバイルで視聴する際は、アプリを最新版にアップロードする必要があるので注意してください。

参考:
[360動画をアップロードするにはどうすればよいですか。]
(https://www.facebook.com/help/828417127257368)
Facebook360°Video

360度動画の運用事例

360度動画は専用のカメラがあれば、誰でも撮影することが可能です。
実際に活用している企業の事例を3つ見てみましょう。

1.横浜DeNAベイスターズ

横浜DeNAベイスターズでは、上記のように山﨑康晃選手がリリーフカーにとってバックヤードからグランドに向かう姿を360度動画として投稿しています。

緊張する選手の表情だけでなく、グランドで湧き上がる観客の様子を楽しむことができます。
歓声や場内の音楽も聞こえるので、より現実の視点に近い感覚で動画を見れるでしょう。

横浜DeNAベイスターズでは、VR映像を楽しめる「Gear VR」とコラボを行うなど、積極的にVR映像をマーケティングに取り入れています。
他の観客に混じりながら、球場で試合を見る感覚を楽しめる360度動画はこういったアミューズメント分野にも適したツールです。

参考:
360BAYSTARS*(2020年8月6日時点でページが存在しないためリンクを削除しました)*

日本航空(JAL)

JALでは、ビジネスクラスの機内を360度動画で投稿しています。
YouTubeでも合わせて投稿しており、エコノミーなど他のクラスの様子も楽しむことができます。

動画内では実際に搭乗した際の動きをイメージし、テレビの操作や機内食について説明されます。
説明文や図を映像内に含んでおり、機内の様子だけでなく機器の操作方法なども把握できるでしょう。

NESCAFÉ

NESCAFÉでは、複数人の食事の様子を撮影した動画を360度動画として公開しています。

実際に360度で撮影したわけではない動画であっても360度メタデータを追加すれば、360度カメラで撮影した映像と同じ形式での投稿が可能です。

視点が切り替えられる事で、このように全く新しい表現もできるでしょう。

参考:
[話題のFacebook“360度動画”!顧客が体感できる活用事例まとめ]
(https://gaiax-socialmedialab.jp/post-39715/)
[Facebook、フィードに360度動画広告を導入。ディズニー、ネスレなどが投稿]
(http://www.moguravr.com/facebook-ads/)

360度広告の作成方法

360度動画を広告として配信するには、360度動画のフォーマットに適していることが条件となります。

ファイルサイズ: 最大1.75 GB
ファイル再生時間: 最長6分
ファイルタイプ: MP4コンテナ

上記のように仕様が決まっているので注意してください。
それでは、実際に360度撮影用のカメラを用いて配信するステップを紹介していきましょう。

参考:
360度動画を使って投稿を宣伝する方法

1. 360度動画を撮影できるカメラを用意する

まず、360度動画専用のカメラを用意しましょう。

RICOH THETAやGiroptic 360cam、Samsung Gear 360などの機種があり、2万円弱〜4万円程度で購入できます。

参考:
[360度写真を作成するにはどうすればよいですか。]
(https://www.facebook.com/help/529997907206001?helpref=search&sr=4&query=360%E5%8B%95%E7%94%BB%E3%80%80%E3%82%AB%E3%83%A1%E3%83%A9)

2. 360度動画を撮影する

用意したカメラで実際に動画を撮影します。
自社の狙うユーザーに合わせて、どういった空間やシチュエーションが適しているか考えながら撮影していきましょう。

説明文や図形、ナレーションなど必要に応じて動画編集を行ってください。

3.広告マネージャーからFacebook動画広告を作成する

360度動画広告は、通常のFacebook広告と同様に「Facebook広告マネージャー」から投稿できます。
動画をアップロードする際に詳細設定より、[この動画は360°フォーマットで撮影されています]というチェックボックスにチェックを入れる事で、360度動画広告として作成できます。

その際には動画に360度メタデータが含まれている必要があります。
メタデータが含まれていないファイルに対しては、Googleが配信しているPython スクリプトを利用して追加することもできます。

Python スクリプト

広告マネージャーの利用方法など詳しい出稿方法はこちらのカリキュラムで紹介しています。合わせてご参照ください。
Facebook広告に関するカリキュラム

また、作成前に実際の見え方を確認したい際は、クリエイティブハブという広告案作成ツールを利用するといいでしょう。

参照記事:Facebook広告案を手軽に作成・管理できる公式ツール「クリエイティブハブ」の使い方を解説

4.動画の準備が整い次第届く通知を確認し、広告として配信する

広告を作成後は動画の準備が整い次第、Facebook側から通知が届きます。
通知を確認次第[投稿の広告を出す]をクリックして、配信しましょう。

参考:
[360度動画を使って投稿を宣伝する方法]
(https://www.facebook.com/business/help/1730249197231921)

まとめ

Facebookでは通常投稿として360度動画を投稿できるだけでなく、広告を作成して発信していくこともできます。

球場や旅客機など空間そのものが魅力となる企業にとって、ユーザーにより直感的な魅力を伝えるのに360度動画広告は役に立つでしょう。

Facebook広告は、特定の属性を選んで広告配信が行えるだけでなく、世界中のユーザーに対してリーチをかけることができます。
近年需要が伸びているインバウンド顧客に対しても、施設の魅力を伝えることができるでしょう。