ゲーミフィケーションとは?意味や事例を徹底解説!
MMD研究所が発表した「スマートフォンゲーム利用動向調査(2015年11月)」によると、1週間のゲームプレイ頻度の質問に「毎日スマートフォンでゲームをやる」と回答した人は最多の67.7%。皆さんの中にも、隙間時間でスマホゲームを開いている人は多いのではないでしょうか。
人気のゲームには「時間を割いてでもやりたい」と思わせる仕組みが多数存在します。その仕組みをビジネスに活かすのが「ゲーミフィケーション」です。今回は、ゲーミフィケーションの基本概念についてご紹介します。
目次
- ゲーミフィケーションとは
- ゲーマータイプを分類するバートルテスト
- ゲーミフィケーションを構成する要素
- ゲーミフィケーションを利用するときに重要なポイント
- ゲーミフィケーションの事例
- ゲーム化はサービスの良さを引き出す手段にすぎない
ゲーミフィケーションとは
「ゲームに使われている構造を、ゲームとは別の分野で応用すること」をゲーミフィケーションといいます。ゲーム化を意味する「Gamify(ゲーミフィ)」という単語が語源となり、作られた言葉です。
ゲーミフィケーションという言葉自体は、2011年前後から使われるようになりましたが、概念自体は新しいものではありません。ゲームの要素や仕組みを活かすという点では、以前から利用されています。
例えば、会員制のサービスに設けられている「ポイント制」や「レベル別の特典」などは、ゲーム的要素といえます。
ゲーミフィケーションはあくまでゲームの要素や仕組みをほかの分野で活用することであって、「取りあえずゲームにすればいい」というものではありません。
あくまでユーザーに継続的に利用してもらうための仕組みとして「ゲーミフィケーション」を取り入れるのであり、ゲーム化すること自体は目的ではないことを覚えておきましょう。
参考:
「ゲーミフィケーション」とは?~今さら人に聞けないマーケティング用語をおさらい!|SMMLab
ゲーミフィケーションの急速な普及
ゲーミフィケーションという言葉が知られるようになったのは、2011年にアメリカのリサーチ会社・ガートナー(Gertner,Inc.)が最新技術のトレンドを発表する「テクノロジーハイプサイクル」のなかで取り上げたことが発端でした。
2012年には日本支社であるガートナージャパンもプレスリリースを発表しており、2014年までにトップ企業の7割がゲーム化されたアプリケーションを導入していると予測しています。実際、2012~2016年にかけて、ゲーミフィケーションの世界市場は約25億ドルもの成長を見せました。
ゲーミフィケーションはユーザーの購買意欲を促すことにも使えますが、企業で働く従業員の生産性を向上させるにも有効な手段です。ノルマの達成やスキルアップにゲーム性を取り入れることでモチベーションアップにつながるため、製品ではないところで取り入れている企業もたくさんあります。
ゲーミフィケーションが注目された背景
先ほどゲーミフィケーション自体は以前から行われていたと書きましたが、どうして急にゲーミフィケーションが注目されるようになったのでしょうか。
それはWebがユーザーの生活に溶け込んで当たり前の存在になったことが関係しています。
総務省の「令和元年度 情報通信白書 インターネットの利用状況」によると、2018年時点のインターネット普及率は79.8%。また、デバイス別のインターネット利用率は、スマートフォンが59.5%と、国民の6割がスマートフォンでインターネットを使っているという結果が出ました。
スマートフォンで常にインターネットが使える環境では、リアルタイムで情報を見られるソーシャルサービスが好まれます。そこで特に成果をあげているのがソーシャルゲームなのです。また、ユーザーに対してこちらから一方的に情報を送っても、たくさんの情報と一緒に見られることなく流れてしまいます。ゲーム要素を取り込んで、ユーザー自ら見たい、参加したいと思えるようになる点でも、ゲーミフィケーションは有効といえるでしょう。
参考:
総務省|令和元年版 情報通信白書
ゲーミフィケーションの本質とは? ― ゲーミフィケーション登場の背景と理論|Markezine
ゲーマータイプを分類するバートルテストとは
ゲーミフィケーションを取り入れる際、使って欲しい手法が「バートルテスト」です。
バートルテストとは、リチャード・バートル氏が提唱しているゲーマータイプ分類の方法で、人は4つのゲーマータイプに分類されるとされています。
1. アチーバー(Achiever)
2. エクスプローラー(Explorer)
3. ソーシャライザー(Socializer)
4. キラー(Killer)
これら4つのタイプを満足させられるような仕掛けがあると良いとされています。
1. アチーバー(Achiever)
アチーバーは、Achieveの意味である「達成」することに満足感を得ます。例えば、提示されたクエストをこなしたり、称号を集めるなどに満足感を感じる人です。
2. エクスプローラー(Explorer)
エキスプローラーは、Exploreの意味である「探検」に満足感を得ます。例えば、ゲーム内で探検したり、新たな発見することに満足感を感じる人です。
3. ソーシャライザー(Socializer)
ソーシャライザーは、Socialの意味である「社会」的な他人とのかかわりに満足感を得ます。例えば、掲示板やチャットでのやり取りなどに満足感を感じる人です。
4. キラー(Killer)
キラーは、他人より上の立場に立つことに満足感を感じます。例えば、レベル制で他人よりも強いことが可視化されると満足感を感じる人です。
ゲーミフィケーションにおいては、これらの4タイプを満足させられる仕掛けがあるのかを考えることが大事です。
ゲーミフィケーションで使われる要素
ゲーミフィケーションで使われるゲームの要素には以下の4つがあります。
1. 明確な目標
ゲーミフィケーションを活用するために、まず目標を設定しましょう。目標がないままでは、目指すべきものがないので何のためにやっているのかわからない状況が発生してしまいます。どんな目標が適切なのかを考えることも重要です。
また、可視化の重要性は下記でも書きますが、設定した目標が見られるようにすることも忘れてはいけません。
2. 課題とその報酬
クリアすべき課題が与えられ、それをクリアすると報酬がもらえるという仕組みです。報酬がもらえることがモチベーションの向上につながるでしょう。
ここで気を付けるポイントは、課題を難しいものにしないことです。あまりにも難しいと、ユーザーが課題に取り組む前に諦めてしまう可能性があります。どのくらいの難易度が適切なのか、ユーザーの特徴を分析してみましょう。
3. 可視化できる現状
数値を可視化できれば、ユーザー自身が置かれた現状今の状態を把握できます。グラフや図にするとよりわかりやすいでしょう。可視化することで、ユーザーにフィードバックを返すことができます。
4. ユーザー間の交流
ゲームで強い敵が現れた際、"チームで協力し合って倒す"というシーンがあります。ほかのユーザーと協力する、ライバルとして対戦するなど、ユーザー同士が交流することでよりサービスの活発化が期待できます。
参考:
企業におけるゲーミフィケーション活用|セールスフォース・ドットコム
ゲーミフィケーションを利用する時に重要なポイント
ゲーミフィケーションを実施するだけで終わってはいけません。その後の改善こそが重要です。
ユーザーの反応をみておくと、新たな施策を考える時の重要なヒントになるかもしれません。ポイントやレベルを与えることだけがゲーミフィケーションではないことも覚えておきましょう。ただ報酬を与えるだけではそれがなくなった時にユーザーもいなくなってしまいます。ユーザーが自発的にやりたいと思うような施策を考えることが必要です。
また、ユーザーの分析も必須です。ユーザーの属性や特徴によってやるべき施策が変わってくるからです。ゲーミフィケーションの提供者とユーザーが相互しあって良い関係を築くことが理想です。
ゲーミフィケーションの事例
ゲーミフィケーションを上手く活用した事例をいくつか紹介します。
くら寿司:ビッくらポン
http://www.kura-corpo.co.jp/fair/2015bikkurapon.html
回転寿司チェーンのくら寿司では、5皿で一回ビッくらポン!というゲーミフィケーションを実施しています。食べ終わったお皿5皿を皿受付カウンターに入れると、ゲームができるという仕組みで、当たりが出るとガチャ玉をもらえます。5皿という簡単かつ明確な目標なので、4皿だったときにあともう1皿食べようかという行動につながる効果が期待できます。
NIKE:NIKE+
http://www.nike.com/jp/ja_jp/c/nike-plus
NIKEが提供しているNike Run Clubアプリというランナー支援サービスはご存知でしょうか。ランニングの記録を保存して、SNSでラン記録をシェアできます。また、アプリを使ってる世界中のランナーと記録を比較して競争できるランキング機能があり、モチベーション向上につながります。
プログラミング学習サービス:Progate
オンラインのプログラミング学習サービス「Progate」では、ブラウザ上でイラストを中心にしたプログラミング学習が実施されています。カリキュラムの進行度合いがゲームキャラクターのパラメーター画面のように表示されていて、まるでレベル上げをするかのように課題に取り組めるのが魅力です。
日本コカ・コーラ:ハピネスクエスト
2011年11月より日本コカ・コーラ社が実施していた「ハピネスクエスト」も、画期的なゲーミフィケーションの事例として当時注目されました(2016年11月にサービス終了)。
ハピネスクエストは、全国各地のコカ・コーラ自販機一台ずつに個性的なキャラクターが設定されており、自販機に設置されたQRコードを通してアプリ内にお気に入りの自販機を登録。するとその自販機キャラクターからメールが届くなど、コミュニケーションが取れるようになるというサービスです。同じ自販機にログインすることでキャラクターをレベルアップさせることができるため、ユーザーの購買意欲を大いに促していました。
参考:日本コカ・コーラ |企業情報 |ニュースリリース: The Coca-Cola Company
ゲーム化はサービスの良さを引き出す手段にすぎない
ゲーミフィケーションは単にゲーム化すればいいということではありません。ゲーム要素はあくまでも自社のサービスの良さをより引き出すための手段です。
自社のサービスを使うユーザーを理解し、ゲーミフィケーションの要素を熟考して、最適な施策を実行しましょう。実行した施策の結果は必ずしも予想どおりではありません。目標とする結果に近付けるように改善を繰り返すことも忘れないようにしましょう。
ゲームでマーケティングを学ぶ
マーケティングが学べる研修用ボードゲーム「Marketing Town」をferret編集部でやってみた
ボードゲームといえば、「友人や家族などで楽しむもの」というイメージがありますが、企業研修やインターンなど、学習用に利用されるものもあります。 今回は株式会社NEXERA(ネクセラ)が提供している、マーケティングの基礎を体感できる学習用次世代ボードゲーム「Marketing Town」を、実際にferret編集部で体験した様子をゲーム開発者のインタビューも交えてお伝えします。
- サイクル
- サイクルとは、スタートしてゴール、そしてまたスタートと、グルグルと循環して機能する状態のことを言います。まわりまわって巡っていく、といった循環機構をさすことが多いです。水の循環サイクルというように、実は繰り返しになってしまう使われ方もすることもしばし。また、自転車に関する事柄として、サイクルスポーツなどという使われ方をされることもあります。
- アプリ
- アプリとは、アプリケーション・ソフトの略で、もとはパソコンの(エクセル・ワード等)作業に必要なソフトウェア全般を指す言葉でした。 スマートフォンの普及により、スマートフォン上に表示されているアイコン(メール・ゲーム・カレンダー等)のことをアプリと呼ぶことが主流になりました。
- インターネット
- インターネットとは、通信プロトコル(規約、手順)TCP/IPを用いて、全世界のネットワークを相互につなぎ、世界中の無数のコンピュータが接続した巨大なコンピュータネットワークです。インターネットの起源は、米国防総省が始めた分散型コンピュータネットワークの研究プロジェクトARPAnetです。現在、インターネット上で様々なサービスが利用できます。
- デバイス
- デバイスとは「特定の機能を持つ道具」を表す語で、転じてパソコンを構成するさまざまな機器や装置、パーツを指すようになりました。基本的に、コンピューターの内部装置や周辺機器などは、すべて「デバイス」と呼ばれます。
- インターネット
- インターネットとは、通信プロトコル(規約、手順)TCP/IPを用いて、全世界のネットワークを相互につなぎ、世界中の無数のコンピュータが接続した巨大なコンピュータネットワークです。インターネットの起源は、米国防総省が始めた分散型コンピュータネットワークの研究プロジェクトARPAnetです。現在、インターネット上で様々なサービスが利用できます。
- アプリ
- アプリとは、アプリケーション・ソフトの略で、もとはパソコンの(エクセル・ワード等)作業に必要なソフトウェア全般を指す言葉でした。 スマートフォンの普及により、スマートフォン上に表示されているアイコン(メール・ゲーム・カレンダー等)のことをアプリと呼ぶことが主流になりました。
- シェア
- シェアとは、インターネット上で自分が見つけて気に入ったホームページやブログ、あるいは、Facebookなど自分自身が会員登録しているSNSで自分以外の友達が投稿した写真、動画、リンクなどのコンテンツを自分の友達にも共有して広めたいという目的をもって、SNSで自分自身の投稿としてコンテンツを引用し、拡散していくことをいいます。
- オンライン
- オンラインとは、通信回線などを使ってネットワークやコンピューターに接続されている状態のことをいいます。対義語は「オフライン」(offline)です。 現在では、オンラインゲームやオンラインショップなどで、インターネットなどのネットワークに接続され、遠隔からサービスや情報などを利用できる状態のことを言う場合が多いです。
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