この記事は、2017年4月25日の記事を再編集したものです。

「ゲーム」はあらゆる年代の人から親しまれ、近年はスマートフォン向けゲームが活況です。

MMD研究所と株式会社コロプラが提供するスマートフォン向けインターネットリサーチサービス " スマートアンサー" が共同で実施した「スマートフォンゲーム利用動向調査(2015年11月)」によると、最近1ヵ月以内に家庭用ゲーム機で遊んだ人は46.8%、スマートフォンでは76.5%でした。

さらに、"1週間にどれだけゲームで遊ぶのか" という質問に対しては、「毎日スマートフォンでゲームをやる」と回答した人が67.7%と最多。皆さんの中にも、電車に乗っている時間に無意識でスマホゲームをやったことがある人も多くいらっしゃるのではないでしょうか。

参考:
スマートフォンゲーム利用動向調査|MMD研究所

人気のゲームには多くのユーザーに「時間を割いてでもやりたい」と思わせるような仕組みが多数存在し、そのような仕組みをほかの分野で活かすことを「ゲーミフィケーション」と呼びます。

今回は、ゲーミフィケーションの基本概念についてご紹介します。
  

目次

  1. ゲーミフィケーションとは
    1. ゲーミフィケーションが注目された理由
  2. ゲーマータイプを分類するバートルテスト
    1. アチーバー(Achiever)
    2. エクスプローラー(Explorer)
    3. ソーシャライザー(Socializer)
    4. キラー(Killer)
  3. ゲーミフィケーションを構成する要素
    1. 明確な目標
    2. 課題とその報酬
    3. 可視化できる現状
    4. ユーザー間の交流
  4. ゲーミフィケーションを利用するときに重要なポイント
  5. ゲーミフィケーションの事例
    1. くら寿司:ビッくらポン
    2. NIKE:NIKE+
  6. まとめ

  

ゲーミフィケーションとは

「ゲームに使われている構造を、ゲームとは別の分野で応用すること」をゲーミフィケーションといいます。ゲーミフィケーションという言葉自体は、2011年前後から使われるようになりましたが、概念自体は新しいものではありません。ゲームの要素や仕組みを活かすという点では、以前から利用されています。

例えば、会員制のサービスに設けられている「ポイント制」や「レベル別の特典」などは、ゲーム的要素といえます。

ゲーミフィケーションはあくまでゲームの要素や仕組みをほかの分野で活用することであって、「取りあえずゲームにすればいい」というものではありません。

あくまでユーザーに継続的に利用してもらうための仕組みとして「ゲーミフィケーション」を取り入れるのであり、ゲームを作ること自体は目的ではないことを覚えておきましょう。

参考: 
「ゲーミフィケーション」とは?~今さら人に聞けないマーケティング用語をおさらい!|SMMLab
  

ゲーミフィケーションが注目された背景

先ほどゲーミフィケーション自体は以前から行われていたと書きましたが、どうして急にゲーミフィケーションが注目されるようになったのでしょうか。

それはWebがユーザーの生活に溶け込んで当たり前の存在になったことが関係しています。

総務省の「平成28年度 情報通信白書 インターネットの利用状況」のよると、インターネット利用者は、2015年末に1億46万人、人口普及率は83.6%になりました。また、デバイス別の世帯保有率は、スマートフォンが72.0%と普及が進んでいる結果になりました。

スマートフォンで常にインターネットが使える環境では、リアルタイムで情報を見られるソーシャルサービスが好まれます。そこで特に成果をあげているのがソーシャルゲームなのです。また、ユーザーに対してこちらから一方的に情報を送っても、たくさんの情報と一緒に見られることなく流れてしまいます。ゲーム要素を取り込んで、ユーザー自ら見たい、参加したいと思えるようになる点でも、ゲーミフィケーションは有効といえるでしょう。

参考: 
総務省|平成28年版 情報通信白書|インターネットの普及状況
ゲーミフィケーションの本質とは? ― ゲーミフィケーション登場の背景と理論|Markezine
  

ゲーマータイプを分類するバートルテスト

ゲーミフィケーションを取り入れる際、使って欲しい手法が「バートルテスト」です。

バートルテストとは、リチャード・バートル氏が提唱しているゲーマータイプ分類の方法で、人は4つのゲーマータイプに分類されるとされています。

1. アチーバー(Achiever)
2. エクスプローラー(Explorer)
3. ソーシャライザー(Socializer)
4. キラー(Killer)

これら4つのタイプを満足させられるような仕掛けがあると良いとされています。
  

1. アチーバー(Achiever)

アチーバーは、Achieveの意味である「達成」することに満足感を得ます。例えば、提示されたクエストをこなしたり、称号を集めるなどに満足感を感じる人です。
  

2. エクスプローラー(Explorer)

エキスプローラーは、Exploreの意味である「探検」に満足感を得ます。例えば、ゲーム内で探検したり、新たな発見することに満足感を感じる人です。
  

3. ソーシャライザー(Socializer)

ソーシャライザーは、Socialの意味である「社会」的な他人とのかかわりに満足感を得ます。例えば、掲示板やチャットでのやり取りなどに満足感を感じる人です。
  

4. キラー(Killer)

キラーは、他人より上の立場に立つことに満足感を感じます。例えば、レベル制で他人よりも強いことが可視化されると満足感を感じる人です。
  
これらの4タイプを満足させられる仕掛けがあるのかを考えることが大事です。
  

ゲーミフィケーションで使われる要素

ゲーミフィケーションで使われるゲームの要素には以下の4つがあります。

1. 明確な目標

ゲーミフィケーションを活用するために、まず目標を設定しましょう。目標がないままでは、目指すべきものがないので何のためにやっているのかわからない状況が発生してしまいます。どんな目標が適切なのかを考えることも重要です。

また、可視化の重要性は下記でも書きますが、設定した目標が見られるようにすることも忘れてはいけません。
  

2. 課題とその報酬

クリアすべき課題が与えられ、それをクリアすると報酬がもらえるという仕組みです。報酬がもらえるのでモチベーションの向上につながるでしょう。ここで気を付けるポイントは、課題を難しいものにしないことです。あまりにも難しいと、ユーザーが課題を取り組む前に諦めてしまう可能性があります。

どのくらいの難易度が適切なのか、ユーザーの特徴を分析してみましょう。
  

3. 可視化できる現状

数値を可視化できれば、今の状態を把握できます。また、数値はグラフや図にするとよりわかりやすくなります。可視化することで、ユーザーにフィードバックを返すことができます。

4. ユーザー間の交流

ゲームで強い敵が現れた際、"チームで協力し合って倒す"というシーンがあります。ほかのユーザーと協力する、ライバルとして対戦するなど、ユーザー同士が交流することでよりサービスの活発化が期待できます。

参考: 
企業におけるゲーミフィケーション活用|セールスフォース・ドットコム
  

ゲーミフィケーションを利用する時に重要なポイント

ゲーミフィケーションを実施するだけで終わってはいけません。その後の改善こそが重要です。

ユーザーの反応をみておくと、新たな施策を考える時の重要なヒントになるかもしれません。ポイントやレベルを与えることがゲーミフィケーションではないことも覚えておきましょう。ただ報酬を与えるだけではそれがなくなった時にユーザーもいなくなってしまいます。ユーザーが自発的にやりたいと思うような施策を考えることが必要です。

また、ユーザーの分析も必須です。ユーザーの属性や特徴によってやるべき施策が変わってくるからです。ゲーミフィケーションの提供者とユーザーが相互しあって良い関係を築くことが理想です。
  

ゲーミフィケーションの事例

ゲーミフィケーションを上手く活用した事例をいくつか紹介します。

くら寿司:ビッくらポン

ビッくらポン.png
http://www.kura-corpo.co.jp/fair/2015bikkurapon.html

回転寿司チェーンのくら寿司では、5皿で一回ビッくらポン!というゲーミフィケーションを実施しています。食べ終わったお皿5皿を皿受付カウンターに入れると、ゲームができるという仕組みで、当たりが出るとガチャ玉をもらえます。5皿という簡単かつ明確な目標なので、4皿だったときにあともう1皿食べようかという行動につながる効果が期待できます。
  

NIKE:NIKE+

nike.png
http://www.nike.com/jp/ja_jp/c/nike-plus

NIKEが提供しているNike+というランナー支援サービスはご存知でしょうか。ランニングの記録を保存して、SNSでラン記録をシェアできます。また、Nike+を使ってる世界中のランナーと記録を比較して競争できるランキング機能があり、モチベーション向上につながります。
  

まとめ

ゲーミフィケーションはゲームを作ればいいということではありません。ゲーム要素はあくまでも自社のサービスの良さをより引き出すための手段であり、ゲームを作ることが目的ではありません。

自社のサービスを使うユーザーを理解し、ゲーミフィケーションの要素を熟考して、最適な施策を実行しましょう。

実行した施策の結果は必ずしも予想どおりではありません。目標とする結果に近付けるように改善を繰り返すことも忘れないようにしましょう。