2.デービッド・アーカー(David Aaker)

デービッド・アーカー氏は、1938年に生まれ、UCB(カリフォルニア大学バークレー校)の大学院で教鞭をとっています。

ブランドは企業に収益をもたらすものであり、資産となり得るという価値観を社会に定着させたことが彼の功績としてあげられるでしょう。

現在では、企業買収時に行うデューデリデンス(第三者による企業価値の算出)においても、企業や商品のブランド名を算定して計上することが定着しています。
また、日本国内においても商品や製品だけでなく「動き」や「色彩」「音声」など、様々な商標が認められることになった背景には、ブランドそのものに価値があるというアーカー氏の主張があるでしょう。

参考:
デービッド・アーカー博士とブランド論を辿ってみれば
商標とは|特許庁*(2020年8月6日時点でページが存在しないためリンクを削除しました)*

3.フレデリック・ランチェスター(Frederick William Lanchester)

フレデリック・ランチェスター氏は1868年生まれで、第二次世界大戦時に活躍した航空工学のエンジニアです。
学者ではありませんが、マーケティング理論を理解する上でおさえておきたい人物でしょう。

彼の名前が用いられている*「ランチェスター理論」*を知っている方も多いかもしれません。
ランチェスター戦略は、第一次世界大戦時にランチェスター氏が編み出した「ランチェスターの法則」と、第二次世界大戦時にランチェスターの法則から進化した「ランチェスター戦略方程式」をミックスした戦略であり、数学に基づいた戦闘力の計算式を軸としています。

ランチェスターの法則には第1法則と第2法則があり、それぞれ一対一での戦闘と一対多数の戦闘を見込んだものとなっています。

【第1法則(一対一の戦闘を想定)】
戦闘力=武器効率(質)× 兵力数(量)
【第2法則(一対多数の戦闘を想定)】
戦闘力=武器効率(質)× 兵力数の二乗(量)

このように第1法則では、兵力だけでなく武器の効率をあげることで戦闘力が増します。
一方、一対多数では、兵力の数が戦闘力に直結するでしょう。

これは経済活動においても同様のことが言えます。
例えば中小企業であれば、一つの分野に特化することで効率をあげ、少ない兵力でも大きな戦闘力を持つことができるでしょう。

ランチェスターの法則に関して、こちらの記事で詳細を解説しています。よかったら合わせて参照してください。
参照記事:ランチェスターの法則とは?強者に立ち向かう差別化戦略の実践方法

参考:
[3分でわかる『ランチェスターの法則』「科学的な数理モデルで“弱くても勝つ”」 ]
(http://diamond.jp/articles/-/58178)

まとめ

マーケティングというとフィリップコトラー氏やT.レビット氏の名前が思い浮かぶ方も多いかもしれません。ですが、今回紹介したように経営学や航空工学を専門としている研究者の中には、のちにマーケティングにも利用されることとなる理論を提唱した人もいます。

特にデービットアーカー氏は現在にもつながるブランドの考え方を提唱しており、マーケティング担当者にとってもおさえておきたい人物と言えるでしょう。

また、今回紹介した人物の多くは存命であり、今後も新たな理論やフレームワークが発表されるかもしれません。ぜひ新しい理論を積極的に学べるよう、アンテナを高くして学習して行きましょう。