言葉の定義やキャッチアップすべきトレンド、仕事のやり方や周りの環境に至るまで、テック業界ではさまざまなものが急激に変化しています。

例えば、Webデザインという言葉の定義は、10年前とは大きく変わったのではないでしょうか。
以前はブラウザの白紙のページいかに美しくレイアウトするかに重きを置いていましたが、今は美しいだけでなく「結果」の出るデザインが求められています。

UXという言葉についても同様です。
UXはもはや
コンバージョンを上げるための単なるツール
ではありません。
適切にオンボーディングして利用頻度を上げたり、VRやチャットボットなどの新しいテクノロジーを通じて没入感を与えたりと、網羅する範囲は限りなく広がっています。

定義が大きく広がった今、まさにUXデザイナーは「UX」をどのように捉えるべきなのでしょうか。
今回は、 UXデザイナーが考えるべき4つのポイントをご紹介します。

1. モバイルフレンドリーの次を見据える

2011年頃、「レスポンシブデザイン」が話題となりました。
当時は、通常のブラウザによる
ユーザーエージェント
の判別で「デスクトップ用サイト」「モバイル用サイト」を切り替えるのが一般的でした。
しかし、レスポンシブデザインの登場により、単一のHTML・単一のCSSで、メディアクエリの設定をするだけでブラウザ幅に応じた(複数のスクリーンサイズに対応した)デザインを行うことができるようになったのです。

しかし、「レスポンシブデザイン」の注目度は2013年にピークを迎え、それ以降はだんだんと下火に向かっています。

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▲ 出典:Google Trend (検索キーワード:Responsive Design)

もはやインターネットブラウジングの4分の3がモバイルであるとも言われているので、最近ではモバイル対応していないホームページを探すほうが難しいのではないでしょうか。

「レスポンシブデザイン」という言葉の検索トレンドを確認していきましたが、他にも時勢に乗ったもののもはやその言葉を語るには遅すぎるという言葉もいくつかあります。

例えば、「アバブザフォールド」(avobe the fold)「ビロウザフォールド」(below the fold)という言葉もそれらの言葉のひとつです。
「フォールド」とは折り目のことで、「アバブザフォールド」はスクロールせずに表示されるページファーストビューの部分を指します。
今日では、スクリーンサイズが多様化しすぎて、ほとんどのWebサイトがスクロールするのを前提に考えられているため、「フォールド」という言葉自体に古臭い印象があると感じているUXデザイナーも多いようです。

また、「ヒューマンセンタード」(human-centered)なデザインも同様です。
この言葉には、UIに人間的な動きを取り入れることでUXを向上させようとするデザイン手法ですが、今日のUXでは「トレンド」というよりも「ベーシック」(基礎・基本)であると考えられています。

もう一つ、面白い例があります。

2014年から2016年にかけて、Google「モバイルファースト」「モバイルフレンドリー」を推進してきました。
2015年の時点でスマートフォン対応のサイトには「スマホ対応」というラベルが貼られており、どのサイトがスマートフォンに対応しているかが一目瞭然でした。

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しかし、現在ではGoogle検索エンジンはデスクトップ版とモバイル版の検索結果を分けており、モバイルファーストインデックスの導入により、モバイル版ではモバイル対応前提の検索結果を表示するようになりました。
モバイル版の「スマホ対応」という表示も外され、今ではAMPに対応している記事にのみ「AMP対応」というラベルが貼られているだけです。

つまり、基本的に自社のホームページを「モバイルフレンドリー」にすることはもはや当たり前のことだと考えておいたほうがよいでしょう。