動画広告では、動きや音声がつくことで静止画では表現できないストーリー性を表現できます。
情報量が多い分、「どうやったらユーザーに響く広告になるのか」という悩みを持っている広告主の方も多いのではないでしょうか。

ユーザーに響く広告を作成するためには動画の内容はもちろん、音声のつけ方にも意識する必要があります。
今回は、動画広告で音声に配慮するための3つのポイントを解説します。
Facebookでは80%のユーザー広告の音声に関して嫌悪感を示しているという調査結果から、自動で動画の字幕をつける機能を拡充しました。

このように音声はユーザーから嫌がられてしまう可能性があります。
ユーザーが動画広告の音声についてどう思っているのか、また各種広告で設定しているガイドラインを把握して、運用に役立てていきましょう。

参考:
Facebook動画広告が新機能でより効果的に

そもそも動画広告の音声は嫌がられるの?

FacebookやTwitterなどのSNSでは、投稿や広告の中で動画を挿入できます。
Yahoo!ディスプレイアドネットワーク(YDN)やGoogleディスプレイネットワークなどでも、動画広告が配信可能です。

こういった動画広告の中には、スクロールするだけで自動再生となり、同時に音声が流れるものがあります。
しかし、音声は時としてユーザーに嫌われる可能性があることを認識しておきましょう。

例えば、Facebookでは動画広告の音声に関して、下記のように広告主へ配慮を呼びかけています。

多くの人は、普段は音を消した状態でモバイルフィードを閲覧しています。そして80%の人は、フィード内の動画広告がいきなり音を鳴らし始めると媒体と広告主の両方に対して否定的な感情を抱きます。動画広告の制作にあたっては、この点を考慮し、音声なしでもメッセージが伝わるようにする必要があります。

また、実際に動画広告の音声が思わぬ騒動にまで発展してしまった例もあります。
2015年8月、韓国の電子機器メーカーサムスンは、YouTubeで配信しているライブ動画を自動で再生するバナー広告を出稿しました。

この広告には再生ボタンや音声を止めるボタンなどは設置されていません。
音量が大きいこともあり、ネットでは多くのユーザーからの批判の声が上がりました。

広告主は「この動画広告にはユーザーに嫌がられる音が入っていないか」を常に考える必要があります。

参考:
Googleディスプレイネットワーク
[サムスンの音声付きライブ動画を自動再生するバナー広告に苦情が殺到中]
(http://gigazine.net/news/20150814-samsung-noisy/)

動画広告における音声のルール

では、ユーザーに嫌がられない音声とは、どういったものなのでしょうか。
各種動画広告における音声のルールを見ながら、考えてみましょう。

テレビCM

ネットの動画広告よりも長い歴史を持つテレビCMでは、音量に関して統一られたガイドラインが存在します。

広告企業で構成された業界団体である「JAAA(一般社団法人日本広告業協会)」では、「音声レベル運用規準(ラウドネス)」を2012年10月より適用しました。

音声レベル運用規準では「視聴者がテレビのボリュームを動かさなくてよいこと」を理想の姿とし、テレビ番組における音声レベルに合わせて音量の大きさに制限を設けています。

ネット広告とテレビCMという異なる媒体ではありますが、どちらもユーザー目線で考えることが大切です。
テレビCMが「テレビ番組を見ている」というユーザーの環境に合わせたように、動画広告でもユーザーの利用環境を意識する必要があるでしょう。

参考:
テレビCM素材搬入基準「音声レベル運用規準」の適用について

Yahoo!プロモーション広告

Yahoo!プロモーション広告では、音声に関して広告掲載基準として下記のように定めています。

音声のある広告において訴求内容に関連性のない不快な音声を含むものは掲載できません。
字幕のない状態で、日本語もしくは英語以外の言語が終始用いられているものは掲載できません。ただし、BGMの言語は問いません。

例えば、ホラー映画の広告で終始悲鳴が続くといったユーザーに恐怖感や不快感を与えるものは禁止されています。
また、日本語か英語以外の言語だけで構成された動画に関しても、禁止しています。

特に前者については「ユーザーに不快感、嫌悪感、恐怖感を与える音声」という曖昧な基準ではあるものの、動画広告の音声を考える上でも参考になるでしょう。

参考:
広告掲載基準 第9章広告表現規制 6. 音声

Google AdSense

Google広告配信システムであるAdSenseでは、広告フォーマットのガイドラインとして、下記のように定めています。

動画広告は、既定でミュートにすることはできず、動画、ゲーム、オーディオまたは音楽などのコンテンツと同じ音量で再生される必要があります。
引用:動画およびゲーム向け AdSense ポリシー 広告フォーマットのガイドライン

この文章を見ると、「音量が消せないなんて、ユーザーに嫌がられるのでは」と思う方もいるでしょう。

Googleでは音量を消すことを禁じていると同時に、広告が配信されるホームページの運営者に対して下記のようにも定めています。

プレーヤーやゲームは、ユーザーが行うあらゆる種類の広告操作(URL のクリック、ボリューム調整、一時停止など)に対応している必要があります。

このように、サイトの運営者はユーザー自身の手で調整できるような広告を実現する必要があります。
つまり、広告の音量が嫌だったらユーザー自身が音量を消したり、小さくしたりといった行動が取れます。

参考:
動画およびゲーム向け AdSense ポリシー

動画広告で音声に配慮するための3つのポイント

では、実際に動画広告を作成する時、音声に関してどういった配慮を行えばいいのでしょうか。
ここまで紹介してきたガイドラインを参考にして、ポイントを3つ紹介しましょう。

1.直感的に音声を操作できるようにする

動画広告では、ユーザーが自分の環境や好みに合わせて音声を調整できることが求められます。
再生や一時停止といったボタンや音量調節ボタンを設置するのはもちろん、そもそも広告が自動再生される前に、音声が出ることを事前に注意書きしておくといいでしょう。

参考:
動画のユーザビリティ

2.字幕をつける

音声を消して広告を見ているユーザーにも配慮して、動画の意図が伝わる字幕をつけましょう。

Facebook広告では、自動的に字幕を生成することができます。
また、スマートフォンの動画アプリの中には、字幕を生成できるものもあります。

こういったアプリを利用すれば比較的容易に字幕をつけることができます。

参考:
[【2017年最新版】高品質な商品紹介動画が作れる!iPhoneアプリ7選]
(https://ferret-plus.com/6392)

参考:
ミュート(音声なし)再生を意識した動画コンテンツ企画がますます重要に!動画広告に「字幕」を付けて視聴時間を伸ばす

3.動画以外で情報を伝えられるものを併記しておく

音声をすべて聞かなくても、動画で訴えている内容を理解できるよう、文章や画像なども使って情報を伝えましょう。

また、動画で取り上げている商品やサービスについて紹介しているホームページを併記するのも有効です。
YouTubeの動画広告ではカードという、動画の再生中にホームページの案内を行える機能があります。
こういった機能を活用して、音声に頼らない広告を心がけましょう。

まとめ

動画広告の音声は、時としてユーザーから嫌悪感を抱かれる可能性があります。
あまりに音量が大きかったり、自分で音声を消せない広告はブランドへの不信感にもつながるでしょう。

広告を提供している各社のガイドラインに沿って運用を進めるだけでなく、広告を視聴するユーザーの環境に配慮することが大切です。
具体的には、ユーザー自身で音声を調整できるようにしたり、音声なしでも楽しめるように字幕をつけたりといった工夫を行うといいでしょう。

動画視聴時間の増加や、音声検索の登場に伴い、ネットと音との関わりはますます強くなっていくことが予測されます。
ぜひこの機会に、自社で配信しているコンテンツの「音」について改めて考えてはいかがでしょうか。

参考:
インターネットが今後どうなるかを理解するためのトレンド情報満載のレポート「2016 Internet Trends」