巻き添えとなるオリジナル

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当然の事ながら、本件で利用されたレイバンは全くの無関係です。販売ページはもちろん、売られている商品も偽物。
明らかに商標や意匠権を侵害された被害者の立場です。
  
参考:
偽造品・SNSスパム投稿に関するご注意
  

しかしながら、この話題をする際には必ず「レイバンの~」という形を取られてしまいます。

ほとんどのユーザーは、話半分で見聞きした話を誰かに伝えるでしょう。そのように劣化して拡散された情報は、例えば「あのレイバンがスパムをばらまいている」といったような誤ったメッセージに変質し、企業イメージを損なう可能性があります。

一度流布したネガティブなイメージは、一般ユーザーから払拭するのはなかなか難しいものです。

看板を勝手に利用されてしまった側としては、上記のような声明を、ネット以外の媒体にもリリースするなど、周知活動を逐次行うぐらいしか対策はありません。
しかしレイバンのように世界規模で展開しているようなブランドでは、注意喚起だけでも大変な労力が掛かるでしょう。

しかし、これらの対策はあくまで対症療法的なものです。
不正アクセス者は常に抜け穴を探し、セキュリティ意識の低いユーザーを狙っているのはいうまでもありません。

ブランド保有者の立場としては、これらセキュリティへの技術的な対策だけではなく、先の様な事態が発生した場合に、適切な対応を採る事が望まれます。認証プロセスの見直しなどの「穴をふさぐ」タイプの方策も重要ですが、ブランドイメージを更に貶めないような配慮が必要です。

例えば、認証プロセスをいたずらに複雑化しても、煩雑さに拒否反応を起こして利用をやめてしまうユーザーを増やすだけではなく、口コミでネガティブな印象を拡散されてしまう可能性もあるでしょう。また、不測の事態を受けての声明の文言1つ取っても、配慮の欠ける表現をしただけで、2次災害へと発展しかねません。

昨今の組織や個人の不祥事で当事者から発せられる謝罪や事情説明の文言には、「上から目線」「責任転嫁している」などの、ネガティブで反抗的なリアクションがすぐに出てきます。
  

まとめ

レイバンのように世界的な信頼を得ている有名ブランドなら、この程度のトラブルで大きな損害を受けることはないかもしれません。
ただ、将来の顧客となる可能性のある若い世代にとっては、大きなイメージダウンとなってしまうかもしれません。

このようなタイプの不正アクセス事案では、ターゲットとされたブランドとしては、直接詐欺などの被害に遭っている訳ではありません。
せいぜい商標の不正使用や名誉棄損などの被害として捜査当局に訴え出ることしかできません。
まして、このような不正行為に手を出すような人物や集団ならば、アクセスルートの偽装など追跡をかわす手段を講じている場合が普通で、簡単には対応できないのが現状です。

だからといって、無策のまま何もせずにいるのではなく、対策はしておいた方が良いでしょう。