BtoBマーケティングで顧客を育てる基盤として、CRMツールの導入を検討している担当者は多いはずです。

今や数多くのCRMツールが存在していますが、他社のマーケターは一体どのような視点でツールの選定・導入を決めているのでしょうか?

この記事では、企業におけるCRMツール導入・活用の実態をマーケターの「生の声」から読み解きます。

目次

  1. アフターコロナ、顧客コミュニケーションの再設計が必要
  2. マーケターがCRMツールに求めている役割
  3. マーケターがCRMツールで解決したいこと
  4. マーケターはどうやってツールの情報を得ている?
    5.マーケターがCRMツール選びで重視するポイント
  5. マーケターが感じているツール導入の「本音」と「課題」とは
  6. 効果的にCRMツールを導入・活用するために

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アフターコロナ、顧客コミュニケーションの再設計が必要

2年以上に及ぶコロナ禍を経て、生活者の消費に対する意識・行動は大きく変化しました。

例えば「店頭・対面での購買よりも、ECを選ぶ」「自分のスマホからテイクアウト食品をあらかじめ注文・キャッシュレス決済しておき、店頭で長時間並ぶこと無く受け取って帰る」といった行動が日常生活の中で「新しい当たり前」となってきています。

今や企業は業種業態を問わず、顧客コミュニケーションの再設計を迫られています。例えば、非対面で顧客と日常的につながるオンラインチャネル(SNS、LINE公式アカウントなど)の拡充や、オンライン・オフラインの垣根をできるだけ取り払い、よりスムーズな顧客体験を提供することなどが求められています。快適な顧客体験の実現には、「今、この瞬間に」顧客に求められる情報・サービスの迅速かつ的確な提供が重要です。

ひとつの事例として、「Yahoo!MAP」のサービスでは、従来の「地図サービスの提供」に加え、「混雑レーダー機能」の提供を開始しました。市街地における商業エリアや観光地の混雑状況を提供することでユーザーの意思決定や行動を後押しし、日常生活を「より豊かに・便利に」するためのサービスだと言えます。

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出典:コロナ禍を受けた 消費者の行動や意識の変化と 企業の取組み

ここで大事なことは、アフターコロナの顧客コミュニケーションを再設計するにあたり、顧客の意思決定・行動につながる情報を的確に提供できているか?という視点です。

「Yahoo!MAP混雑レーダー」のような地図サービスを提供する企業でなくとも、自社が提供するサービスの中で「今、顧客が求める情報」を的確に届けられるようになる手段が、CRMだと言えます。

マーケターがCRMツールに求めている役割

CRMツールは、あくまで顧客コミュニケーション再設計を実現するための手段です。

昨今、多くの企業において「顧客コミュニケーション再設計」「デジタルマーケティング展開強化」の動きが加速する中で、マーケターがCRMツールに期待する役割とは、どのようなものなのでしょうか。その答えとして、大きく以下3点が挙げられます。
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既存顧客との関係強化・離反防止

商品・サービスを既に購入した顧客との間で日頃からコミュニケーションを強化し、サービスからの離反を防ぐ役割です。

例えば、LINE公式アカウントメルマガを介して、購入済みの顧客に向けたアフターサポート情報や、アップセル・クロスセルを促す商品提案を配信するといった取り組みです。

日常的にコミュニケーションを重ねていく中でブランド理解度・好意度・愛着度を高め、「次もまたここで買おう」という気持ちを醸成し、リピート顧客育成に寄与します。

見込み顧客獲得

一度は何らかの接点があり、商品・サービスを認知してくれているものの、まだ購入の検討度合いが低い人に対するアプローチです。

契約に至るまでのプロセスでコミュニケーションを深めて、商品・サービスへの興味・理解を高め、商談・契約に誘導、そして新たな顧客を一人でも多く増やすための取り組みです。

新規顧客獲得

既存顧客や見込み顧客の行動データを分析する取り組みを通して、自社が市場で優位性を発揮できる「強み」を可視化できます。

そこから得られた示唆は、新規顧客獲得のための施策立案にも役立っていきます。

マーケターがCRMツールで解決したいこと

マーケターがCRMツールを用いて解決したいと思っているビジネス上の課題とは、どのようなものなのでしょうか?答えは、以下の3つです。
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顧客データの一元管理

企業にとっての経営資源の一つである「顧客情報」の一元管理です。

CRMツールを導入して顧客データの一元管理が実現すれば、営業・マーケティング・開発・情シスなど各部署が持つ顧客情報をひとまとめのデータベースにして、マーケティング、プロモーション施策に効率的に活用できます。

全社横断データベースになっていれば、過去の蓄積、最新の状況を含めて、誰もが共通の情報にスムーズにアクセス可能です。また、情報が散在している場合と比べて、データの不整合も解消され、正確な情報を必要なときに取り出して活用する環境が整います。

組織内でデータドリブンな意思決定がスピードアップし、正確性が増すことも期待できるでしょう。

メール・LINE配信

CRMツールで構築した顧客データベースから、「今、情報を必要としている顧客」だけをセグメント化して、メールやLINEを介して直接アプローチできます。

顧客一人ひとりにマッチしたアプローチ(商品の提案など)をして購入の後押しができれば、アップセル・クロスセルにつながり、リピーター獲得、LTV向上が期待できます。

問い合わせ対応

顧客情報の一元管理により情報共有が容易になると、社内の部門・拠点間の連携も強化されます。顧客から問い合わせが発生した場合でも、横のつながりを活かしながら、経営層と現場の意思疎通もスムーズになります。その結果、問い合わせ返信の精度向上・迅速化で顧客満足度アップも期待できます。

マーケターはどうやってツールの情報を得ている?

数多くのCRMツールが存在する中から、他社のマーケターはどのようにして情報を得て、導入の参考材料としているのでしょうか?

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社内・知人の紹介

「社内での情報交換」「社外の知人からの紹介」といったケースで、いわゆる「クチコミ」による認知・検討です。

実際にツールを使ったことがある人からのクチコミであれば、製品に備わっている機能、使用感、具体的な活用法、自社に適しているかなどのポイントをイメージしやすいものです。

代理店

代理店・コンサルからの紹介をきっかけにツールの情報に触れるマーケターも多いようです。

デジタルマーケティングの世界は情報更新のサイクルが早く、各種ビジネスセミナーへの参加や、さまざまなメディアを通して同業種のナレッジに触れる機会も多いものです。
自分から積極的に最新情報を取得し、知識をアップデートしていくこともマーケターの大切な要素だと言えるでしょう。

マーケターがCRMツール選びで重視するポイント

他社のマーケターは、CRMツールを選定する際にどのような点を重視しているのでしょうか?
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機能

最も重視されているのは「機能」です。つまり、やりたいこと(自社が実現したい施策)を実現できるかどうかです。

導入前に、「自社で解決したいビジネス上の課題」を明確にし、その実現のためにはどんな施策投入が必要で、それを運用するにはどんなCRMツールが必要だろうか…とブレイクダウンして考えておくことが重要です。

セキュリティ

個人(顧客)情報を扱う上での「セキュリティ」面も、実務に沿った側面からの重要な検討項目です。

CRMツール導入後は顧客データベースを社内で一元管理し、フル活用できる状態が望ましいと言えます。

部門間を超えたデータベース連携など、「本当に顧客情報の一元管理を実現させられるか?」というポイントについて、セキュリティの観点からも事前によく確認することが大事です。

価格

予算内で導入・運用が可能かどうかも、当然ながら検討項目になります。

CRMツール導入によって、どれだけ売上アップを予想できるかなど、費用対効果も検討してみましょう。また、CRMを導入することで人的リソース削減などが実現できれば、そのことによる費用対効果も得られます。

▼見るべきポイントをもっと知りたい方はこちら

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利用調査レポートから知るCRMツール導入のポイント

マーケターが感じているツール導入の「本音」と「課題」とは

CRMツールを実際に導入してみたマーケターの本音、導入して「良かったこと」と「これからの課題」はどうでしょうか。

良かったこと:「使いやすい」「安全」

  • 「セキュリティが担保されている」
  • 「顧客データを安全に、確実に保存・利用することができた」
  • 「知識がない担当者でも使いやすく、必要なことは実装されている」

今後の課題:「詰めが甘かった」「データベース分析まで手が回らない」

  • 「お客様の行動分析が予想していたものと違い、詰めが甘かった..」
  • 「ツールとしての利用はできているが、顧客分析まで手が回らない...」
  • データベースを活かしきれていない...」

マーケティング活動は、ツールを導入してからが本番です。そのためにも顧客とのコミュニケーションフローやマーケティング施策について事前に準備を行っておかなければなりません。

CRMツールを導入したものの戦略不足が原因で成功につながらない背景には「マーケティングにおいて必要なプロセスをすべてCRMツールが担ってくれる」という誤解があります。

検討していたプロセスや事前分析が正しいのかどうか心配な場合には、プロによる診断やコンサルティング支援を検討することも選択肢のひとつです。

効果的にCRMツールを導入・活用するために

CRMを定着させるためには、使いやすいマーケティングツールの導入と、自社の課題に合った支援を受けることが必要です。

「使いこなせそうにもない」
「自社内で運用体制を確保できそうにもない」
「そもそも、マーケティングに関する知見が自社内で不足している」

上記に当てはまると思ったら、CRMツールの提供だけでなく、CRM運用の伴走支援がある会社に相談してみることをおすすめします。

▼効果的なCRMの導入方法についてもっと知りたい方はこちら

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