スマートフォンやSNSの登場、国内の人口変化などにより、Webを取り巻く社会の環境は常に変化しています。

Webサービスを展開している企業はもちろん、ホームページやSNSの担当者も社会の変化に合わせた知識を身につけ、施策へ反映していくことが必要とされるでしょう。
日本国内においては総務省がICT政策としてネット関連の施策を掲げています。

公衆無線LANや位置情報を取得できる環境整備など、日本国内のネット利用環境を変えるかもしれない施策もあり、担当者としてはチェックしておきたいところでしょう。

今回は、Web環境を変化させる可能性のある行政のICT政策・プロジェクトを抜粋して紹介します。

ICT政策を理解しておくことで、Web関連のニュースをより深く読み解くことができます。
「聞いたことはあるけど、実際どんな政策かは知らない」といった方も、この機会に政策ごとの要点をつかめるようになりましょう。

ICTとは

国が掲げる施策の中で頻繁に使われる「ICT」は、そもそもどういった意味を持つ言葉なのでしょうか。

ICTとは「Information and Communication Technology」の略で、「情報通信技術」を指しています。
似た単語として「IT(Information and Technology)」を聞いたことがある方は多いでしょう。ICTは、技術そのものに着眼しているITよりも、情報の共有や伝達といったコミュニケーションを重視している点に違いがあります。

日本国内では、セキュリティやIoTデータ活用など情報通信技術に関連したICTを政策に取り入れています。

参考:
ICTって何ですか?|NTT西日本
ICT利活用の促進|総務省

注目のICT政策・プロジェクト

日本国内のICT政策は主に総務省が担当しています。
なかでもWeb環境を変化させる可能性のある政策を抜粋して紹介しましょう。

1.G空間シティ構築事業

G空間シティ構築事業は、カーナビやスマートフォンの位置情報のような「地理空間情報技術(geotechnology:通称 G空間情報)」を活用した街づくりを目指すものです。

具体的には、災害情報の提供を行う「G空間防災システム」の構築や、G空間情報を活用した新産業・新サービスの創出支援が挙げられるでしょう。
特に東京・名古屋・大阪の3都市では、地下街でも位置情報を取得できる環境づくりを進めています。

位置情報を活用できる環境が整備されることで、企業にとっても位置情報に合わせた高度なターゲティングや新しいサービスの提供が可能になるかもしれません。

参考:
[G空間シティ構築事業|総務省]
(http://www.soumu.go.jp/main_sosiki/joho_tsusin/top/local_support/02ryutsu06_03000054.html)
[G空間シティ構築事業|G空間×ICT|総務省]
(http://www.soumu.go.jp/menu_seisaku/ictseisaku/ictriyou/geo-spatial_ict/g-city/index.html)

2.教育情報化の推進

ICT政策は教育現場にも取り入られています。
具体的には、学校内における無線LANの整備やICTシステムの啓発教材の作成など、教育現場でもICTの積極的で正しい活用が行われるような取り組みが挙げられます。

なかでも社会に大きな影響をもたらす政策としては、2016年から取り組まれている「若年層に対するプログラミング教育の普及推進事業」が挙げられるでしょう。
文部科学省が教育指導要領案に盛り込んでいるプログラミング教育とも関連し、効果的な実施手法や指導者の育成方法等が検討されています。

参考:
[教育情報化の推進|総務省]
(http://www.soumu.go.jp/main_sosiki/joho_tsusin/kyouiku_joho-ka/index.html)
小学校段階におけるプログラミング教育の在り方について(議論の取りまとめ)|文部科学省
プログラミング教育「必修化」の期待と課題|WEB RONZA

3.オープンデータ戦略の推進

総務省を中心とした行政機関では、行政の透明性や信頼性の向上・経済の活性化を目的としてオープンデータを推進しています。

オープンデータとは、「機械判読に適したデータ形式で、二次利用が可能な利用ルールで公開されたデータ」を指し、オープンデータをもとにした開発が可能となります。

具体的に、総務省統計局では情報通信に関連する各種データをオープンデータ化しています。また、データの提供だけでなく、統計情報をグラフで確認できる「統計ダッシュボード」ではAPIが公開されています。
この取り組みにより行政の提供するシステムと連動した開発が可能となり、今までにないサービスが生まれるかもしれません。

参考:
[オープンデータ戦略の推進|総務省]
(http://www.soumu.go.jp/menu_seisaku/ictseisaku/ictriyou/opendata/index.html)
API|統計ダッシュボード

4.公衆無線LANの整備の促進

総務省では、2010年東京オリンピック・パラリンピック開催に向け、インバウンド需要に合わせた公衆無線LANの整備を行っています。

具体的には、鉄道やホテルなどで提供されている複数の無線LANネットワークを一元化し、利用開始手続きを手軽にするための技術仕様の策定や、実証実験が挙げられるでしょう。

より手軽に公衆無線LANが利用できるようになれば、訪日観光客のネット利用が進む可能性があります。飲食店やホテルなどの事業者にとって、より多くの顧客を得るチャンスとなるでしょう。

参考:
[公衆無線LANの整備の促進|総務省]
(http://www.soumu.go.jp/menu_seisaku/ictseisaku/public_wi-fi/index.html)

5.情報バリアフリー環境の整備

高齢者や障がいを抱えている方を含め、誰もがICTを活用できるような環境作りのための政策です。具体的には日本国内の電化製品やWebサービスにおけるアクセシビリティの調査や、ガイドラインの策定を行っています。

現在では、ホームページにおけるアクセシビリティに関した取り決めは、日本工業規格(JIS)として定められています。

2017年現在、研究会の定期開催は行われておりませんが、日本国内におけるアクセシビリティの調査研究は継続して行われています。

参考:
[情報バリアフリー環境の整備|総務省]
(http://www.soumu.go.jp/main_sosiki/joho_tsusin/b_free/b_free1.html)

まとめ

ホームページのアクセシビリティに関する枠組みを決めたり、ICTの活用を教育現場でも取り入れたりと、日本国内では様々なICT政策が取られています。
なかには政策を推進させるような事業を展開している企業へ助成金の給付や税制優遇をとっている場合もあり、それに合わせて新しいサービスやツールが生まれるかもしれません。

国の施策によって、Web全体を取り巻く環境が変化する可能性があります。
紹介したような政策から「今後、Webがどのように変わるのか」を考えてみるのもいいでしょう。