VRとARの最新事情

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次に、最近の状況と活用事例をいくつかご紹介しましょう。
  

VRの最新情報

VRは、先述のとおり、現在デバイスの普及期を迎えているといえます。PC用としては、米OculusVR社の製品が群を抜いた知名度を誇っていますが、2017年に入ってからは後発メーカーが続々と新製品を発表しています。価格や性能は様々で、百花繚乱といったところです。

参考:
Oculus|米OculusVR社の製品公式サイト
  
家庭用ゲーム機の分野では、何といってもSCE社のPlaystationVRです。2017年秋に発売が開始され、現在も品薄状態が続いています。SCEは正式に販売台数を発表していませんが、2017年2月現在で90万台を突破、現在も増える傾向にあると言われています。母体となるPS4でも、VR対応ソフトが2017年6月現在で74タイトルを数え、ゲームだけではなく景勝地の映像をVRで楽しめるようなものまでリリースされています。

また、忘れてはならないのが、スマートフォン装着型のゴーグルです。従来は本体端末の表示デバイスだったVRゴーグルですが、モニターと本体機能が一体化したスマートフォンならばオールインワンで済むという発想です。安価でVRを楽しめるとあって、こちらも侮れない人気ぶりです。PCやゲーム機用にはソフトウェアの制作費用が相応にかかりますが、スマートフォン用アプリならば、ある程度割り切ったスペックで作れるので、開発会社にとっても比較的低いハードルで参入できるメリットがあります。

参考:
スマートフォン用VRゴーグル|Amazon日本サイト
  

ポケモンGOで注目度が急上昇!ARの最新情報

一方のARついてですが、こちらのトピックは何といっても「ポケモンGO」です。この大ヒットを通じ、初めてARという言葉に触れた人も多いのではないでしょうか。全世界でのダウンロード数が6億5,000万回を突破したという(2017年3月現在)、空前の大ヒットです。

「ポケモンGO」には、原型ともいえる"Ingress(イングレス)"というプロジェクトが存在します。「現実の世界には、目に見えない秘密が隠されている」という設定で繰り広げられる、一種の陣取りゲームですが、ゲームのフィールドはGoogoleMapのデータを利用した現実の地形で、フィールド上にある「ポータル」と呼ばれるポイントは、実在の建物や景勝地を、参加者自らが登録しているのが特徴です。

実は、「ポケモンGO」で「ポケストップ」と呼ばれているチェックポイントの大半は「ポータル」が転用されています。それ以外の技術的なノウハウも"Ingress"の開発や運用で培われてきたものが使われています。「ポケモンGO」や「Ingress」では、コンビニやファストフード、銀行などのチェーン店とタイアップしています。ゲームのフィールド上に自社のロゴを表示させたり、リアル店舗で買い物をするとゲーム内で使えるアイテムが貰えるなど、マーケティングのツールとしても活用されています。

ゲームやエンタメ分野だけではありません。スマートフォンやタブレット端末用のアプリGoogle翻訳」には、カメラで撮影した映像に含まれる文字を読み取り、ほぼリアルタイムで翻訳、元の文字のある場所に置き換えて表示する機能が搭載されました。多少翻訳のおかしな部分はありますが、ブラッシュアップが進めば多言語コミュニケーションの大きな手助けになると期待されています。

参考:
ポケモンGO(公式サイト)

Ingress公式

Google翻訳(GooglePlayストア)