Googleは自社エンジニアが開発したサービスを実験的に公開する「Google Labs」を設け、開発途中のサービスでも積極的に提供してきました。
GoogleLabsからはGoogleMapやGoogle Readerなど、正規版としてリリースされたサービスも数多くあり、Googleのイノベーションの象徴とも言える存在でしょう。

今回は、Googleが実験的に公開しているサービスを紹介します。
2011年7月20日にGoogleLabsの終了が発表された以降も、Googleでは複数のサイトや特定のサービス上で実験的なサービスを公開しています。
描いている絵の内容を予測してイラストに変換する「AutoDraw」など、Googleの革新的なサービスはWebの未来を変えるかもしれません。
ぜひこの機会に、Googleがどんなサービスを開発しているのか一緒にみてみましょう。

参考:
[Googleのイノベーションの象徴「Google Labs」が終了へ|ITmediaNEWS]
(http://www.itmedia.co.jp/news/articles/1107/21/news018.html)
[GoogleのAutoDrawはAIを使って落書きをプロの絵に変えてくれる|TechCrunch]
(http://jp.techcrunch.com/2017/04/12/20170411googles-autodraw-uses-machine-learning-to-help-you-draw-like-a-pro/)

AIを利用したサービス

Googleでは、人間の脳の動きを模倣したAI(人工知能)を利用したサービスを実験的に公開しています。
AIは入力されたデータをもとに学んでいく機械学習を行うことで、高い精度を実現していきます。公開されているサービスもユーザーに体験してもらうことでデータが集積され、精度が高められていくでしょう。

参考:
A.I. Experiments.|Google

1.AutoDraw

AutoDraw___A.I._Experiments.png
https://aiexperiments.withgoogle.com/autodraw

「AutoDraw」は、ユーザーがキャンバスに描き込んでいる内容を推測し、自動でイラストに変換するサービスです。
犬や猫、バスなど何百ものイラスト予測が可能であり、自分でイラストを描く手間を省くことができます。

参照記事:
[Googleの自動描画ツール「AutoDraw」でできること・できないこと|ferret [フェレット]] (https://ferret-plus.com/6825)

AutoDrawについては上記の記事で詳しく説明しています。よかったら合わせてご参照ください。

2.Giorgio Cam

Giorgio_Cam___A.I._Experiments.png
https://aiexperiments.withgoogle.com/giorgio-cam

「Giorgio Cam」は撮影した写真を音楽として変換できるサービスです。
撮影した写真に写り込んでいる物体の名称が歌の歌詞になります。

3.Thing Translator

Thing_Translator___A.I._Experiments.png
https://aiexperiments.withgoogle.com/thing-translator

「Thing Translator」は、撮影した画像に写り込んでいる物体の名称を複数の言語に変換できるサービスです。英語や中国語、日本語などに対応しています。

4.Font Map

フォントマップ___AI実験.png
https://aiexperiments.withgoogle.com/font-map

「Font Map」は類似しているフォントが一目でわかるよう、フォント同士の関係性をマッピングしたものです。
750種以上のフォントに対応しており、自分のイメージにあったフォントを探すのに役立ちます。

GoogleChromeを対象としたサービス

Googleでは、WebブラウザのGoogleChromeで操作できる実験的なサービスを100以上公開しれいます。その中でも特徴的なサービスを3つ紹介しましょう。

5.Land Lines

Chrome_Experiments___Submit_Experiment.png
https://www.chromeexperiments.com/experiment/land-lines

「Land Lines」は指で描いた線をもととしてGoogle Earthから衛星写真を検索するサービスです。描いた線の形と同じ輪郭を描く道や森などが自動で検出されます。

6.A Year In The Life Of Earth's CO2

Chrome_Experiments___A_Year_In_The_Life_Of_Earth_s_CO2.png
https://www.chromeexperiments.com/experiment/earths-co2

「A Year In The Life Of Earth's CO2」は地球上でCO2がどのように移動していくのかをマップとして表示するサービスです。NASAが取得しているデータがもとになっています。

7.Pink Trombone

Chrome_Experiments___Pink_Trombone.png
https://www.chromeexperiments.com/experiment/pink-trombone

「Pink Trombone」は人間の声を再現できるツールです。
人間の喉を模倣した図を操作して、舌や唇の動きによる声の変化を再現します。

Androidを対象としたサービス

スマートフォン・タブレット向けのOSであるAndroid上で起動する実験的なサービスを紹介します。

参考:
android experiments |Google

8.HOME SCREEN ARCADE

Android_Experiments.png
https://www.androidexperiments.com/experiment/home-screen-arcade

「HOME SCREEN ARCADE」はAndroidのホーム画面上で操作できるゲームプラットフォームです。コントローラー用のボタンとしてウィジェットが起動し、ホーム画面のままゲームを操作できるのが特徴です。

9.FORM 'N' FUN

迷路.png
https://www.androidexperiments.com/experiment/form-n-fun

「FORM 'N' FUN」は紙に迷路を描いて、その写真をもとに遊ぶゲームです。
ゲームでは写真の迷路に合わせて玉が表示され、端末の傾きをもとにして操作できます。

10. STORIES

Android_Experiments___Home_Screen_Arcade_by_Sterling_Udell.png
https://www.androidexperiments.com/experiment/shortstories

「SHORT STORIES」はテキストをベースとして動作するゲームプラットフォームです。
ホーム画面上からアイコンをタップして操作することができ、物語を読み進めるようなゲームが体験できます。

まとめ

GoogleではGoogleChromeやAndroid向けに数多くの実験的なサービスを公開しています。「AutoDraw」や「Thing Translator」など、AIを利用したサービスの他にも、スマートフォンを利用してVRを楽しめるWebVRの公開も行っており、常に新しい技術を取り入れているのがわかるでしょう。

また、ここで紹介したもの以外にも、実験的な機能を試せるGoogleのサービスもあります。例えばGmailでは複数の実験的な機能を公開しています。Gmailのユーザーであれば、試してみるのもいいでしょう。

Googleでは「GoogleMap」や「Body Browser」など実験的なサービスから正規版へのサービスのリリースへとつなげてきました。今回紹介したサービスも、今後、正規のサービスとして提供される日もくるかもしれません。

参考:
WebVR Experiments |Google
[Google Labs から新製品のご紹介|Google Developers Japan]
(https://developers-jp.googleblog.com/2010/12/google-labs.html)
[Gmail Labs を有効にする | G Suite 管理者 ヘルプ] (https://support.google.com/a/answer/117099?hl=ja)