上司「おお、前回のメルマガ配信後、売上が伸びているじゃないか」
部下「はい!それに前回は開封率が5%にアップして、クリック率(CTR)も2%向上しました」
上司「"件名"と"本文"を変更したのが良かったみたいだな。次は"配信時間"を変えてみよう!」
  
このように配信したメールの測定結果をチーム内でレポート化し、次回の配信に活用している企業様も多いはずです。

担当者の工夫や改善がダイレクトに結果にあらわれるのはメールマーケティングの醍醐味で、特に配信リストの数が数万件もあるBtoC企業においては、1%の結果の違いが数十万円の売上の変化になることも珍しくありません。

一方、BtoC企業と比べると相対的に配信リストの少ないBtoB企業においては、数%程度の改善結果だとビジネスに与える影響が小さく、配信を担当されている方もメールマーケティングに全力を注ぎにくいというお話を聞くこともあります。

「メールって文章を考えるのも面倒だし、もうやめようかな」という思いが少しでも脳裏をよぎった方、お待ちください!実は、BtoB企業こそメールマーケティングに取り組むべきなのです。

そして今、「BtoB企業だからこそ……なぜ?」と疑問に思った方も少なくないのではないでしょうか。そこで今回は、BtoB企業に勤めている皆様向けにメールマーケティングに取り組むべき理由と、活用方法をご紹介いたします。
  

なぜ BtoB企業こそメールマーケティングに取り組むべきなのか

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いまだにメールマーケティングが注目される理由とは

先ほど「BtoB企業こそ、メールマーケティングに取り組むべき」と書きましたが、果たしてそれはどうしてでしょうか。

答えは至ってシンプルです。
ビジネスにおけるコミュニケーションツールの主役は、依然としてメールが主だからです。

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引用元:[ビジネスメール実態調査 2017|2017 Japan Businessmail Association](http://www.sc-p.jp/news/pdf/170602PR.pdf):blank

BtoC企業の場合は、LINEやFacebook、インスタグラムなど、顧客との接点となるコミュニケーションツールに様々なツールが存在しますが、BtoB企業の場合は電話とメールがほぼ中心です。その中でもメールは受け取り手の好きなタイミングでチェックすることができるため、送り先のスケジュールを気にする必要もなく、電話営業のように話を聞いてもらう前に受付で切られてしまうということもありません。

広く深くアプローチできる上に、費用や手間のほとんどかからないメールマーケティングは、まさにBtoBビジネスでは欠かすことのできないマーケティング手法と言うことができるでしょう。
  

配信時間とコンテンツはどうする?

受け取り手が好きなタイミングでチェックができるとは言え、効果を最大化させるためには受け取り手にもっとも届くタイミングは考慮すべきです。

会社のメールアドレスに送るのですから、土日や深夜など就業時間外に送るのはもちろん、1週間の始まりで忙しい月曜日の朝や週末に差し掛かる金曜日の夕方以降などは、相手の目に届く確率は低く、配信にベストな時間帯とは言えません。

ベストなタイミングは、受け取り手の業種によって様々ではありますが、一般的には、火曜日から木曜日の午前8時~9時頃、つまり始業時間のほんの少し前や、お昼休みから戻って来る13時頃に配信するのが良いと言われています。
  

「B」と「C」の特色を理解してコンテンツは端的にわかりやすく

また、コンテンツ(本文)については端的に要件を述べるスタイルが最近の時流です。

リピート購入をメール配信の主な目的とするBtoC企業では、顧客のファン化が重要なため、面白味のある文体や人柄が伝わるエピソードなどを入れるテクニックも有効です。一方、BtoB企業においては、紹介するものがどんなサービスなのか、導入することでどんなメリットがあるのかなど、具体的な便益を紹介しましょう。

最近ではメールソフトの初期設定は、HTMLメールの受信を許可するようになってきていますので、画像や動画を使った表現力の高いメールを送ることもできます。パンフレットの中身を画像化したり、紹介動画を掲載したりすることで、具体的でイメージしやすいコンテンツを届けるのも非常に有効です。
  

効果測定機能を使ってメールの良し悪しを理解しよう!

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続いて、メールマーケティングに欠かせない「開封率」と「クリック率」です。

記事タイトルにもあるとおり、果たして、配信リストの少ないBtoB企業では効果測定機能をどのように活用すべきでしょうか。

もちろん、配信結果の改善指標として「開封率」や「クリック率」と言った数値そのものへの注目も大事ですが、実はもっと大事なのは*「誰が開けたのか」「誰がクリックしたのか」*ということです。メールを開けた人、文中のURLをクリックした人は、少なからず紹介したサービスに興味を持ってくれた人であることは間違いありません。(もちろん、誤ってクリックした人もいるかもしれませんが)そうであれば、その人たちに直接アプローチしない手は無いでしょう。

そこで次なるアクションとしては、メールを開封した人やクリックした人のリストを営業チームに提供し、営業から個別にアプローチをしてもらうことになります。

あなたの会社のサービスの内容がわかっている人、興味を持っている人にアプローチをするわけですから、通常のアウトバウンドコールよりも案件化する可能性は高く、効率的に営業活動を行うことができるはずです。きっと事前に「どういうリストがほしいのか」というのをマーケティングチームと営業チームで話し合った上でメール施策を実行、というフローを踏めていれば、尚のこと営業チームとしては”おいしいリスト”となるはずです。

その後、営業アプローチが終了した際には、メール文中のどんなワードがお客様に刺さったのか、どんな情報をさらに知りたいと感じ問い合わせに訪問・問い合わせにつながったのか、などを営業部門からフィードバックしてもらうことで、さらに効果的なメルマガ配信につながります。

ちなみに、配信リスト数(コミュニケーションを図る数)の多いBtoC企業では、配信者1人ひとりへアプローチは非現実的ですが、営業という強大な資源を持ったBtoB企業ならばこそ、効果測定機能を使うことで、より適切なタイミングで効果的にアプローチすることが可能です。
  

配信リストをセグメント!照準を絞ってターゲットを狙い撃ち

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メールマーケティングにおける重要な要素の1つに配信リストのセグメンテーション(顧客のグループ化)があります。

配信リストに対して全く同じコンテンツを送るのではなく、セグメント化されたグループに対し、それぞれの興味度に応じたコンテンツを送ることで、配信効果を最大化させることがセグメンテーションの目的です。

BtoC企業の場合は、メールマーケティングのゴールは既存顧客のリピート購入であることが一般的です。そのためには、ショッピングカートシステムなどに保持されている購入履歴や購入頻度、購入金額などといったデータを使って顧客をセグメントすることが比較的容易にできます。

一方、初回購入がそのままゴールとなるBtoB企業の場合は、セグメンテーションに使える具体的な顧客情報を企業側が持っていないことが多々あります。

このような場合に、クリックした人、開封した人、何も反応が無い人と言ったように、配信したメールの結果の温度感を使用してセグメンテーションするのも1つの手です。何回かにわたる配信結果の反応を蓄積していくことで、その案件の温度感がはっきりしてきます。

温度感の高いグループは営業による直接アプローチ、まだ温まっていないグループはメールでのナーチャリングと言ったように、活動内容にも差を付けていくことで、効率的にアプローチをしていきましょう。
  

まとめ

リストの数が少ないBtoB企業に於いては、費用対効果を理由にメールマーケティングに取り組んでいないという会社がまだまだ存在します。しかし、ご覧いただいたように効果測定機能と営業力を上手く組み合わせることで、これまで以上の成果を出すことは十分に可能なのです。

導入に至るまでのプロセスが多段階に渡るBtoBの商材は、適切なタイミングでのアプローチや見込み顧客の長期にわたる育成(ナーチャリング)が重要になってきますが、メールマーケティングはそのどちらの仕事をこなすことができます。

まだ、メールマーケティングを始めていないのであれば、ぜひ一度お試しいただければと思います。