もはやビデオアプリの領域を超えたコミュニケーションツールを想定

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Source: Designmodo

Skypeといえば長い間*「無料のビデオ通話アプリ」*という位置付けで、人気を博してきました。

実際、iPhoneの登場以前からSkypeの利用になれていたメンバーは、Facetimeがデフォルトで入っているのにもかかわらずSkypeを利用するのを好んでおり、デバイスに縛られずに無料でビデオ通話ができるのがSkypeの強みであると考えられていました。

ルクセンブルクでSkypeが創業されたのは2003年。
2005年にはeBayにより買収され、2009年には投資家グループが買収。
最終的には2011年にMicrosoftが買収し、SkypeはMicrosoftの新たな部門「Skype Division of Microsoft」となりました。

当初、Skypeは従来通り世界のユーザー向けにサービスを提供しながらも、幅広いMicrosoftの製品に統合される予定でした。
しかしながら、MicrosoftのOSにプリインストールされながらも、Microsoftによる買収後も、Skypeは独自の路線を歩んでいくこととなります。

しかし、Windows 10のリリースを機に、MicrosoftはSkypeの位置付けを変えようとしています。

新しいSkypeでは、ビデオ通話だけでなく、テキストチャットにも力を入れています。
チャット機能はさまざまなアプリが導入していますが、Skypeが今回特に力を入れたのは、「活き活きと、表現豊かに、そして個性的に」グループチャットができるようにUIをデザインし直したところです。
新しいSkypeでは、「ハイライト」機能も加わったことで、さまざまな方法でコミュニケーションをとることが可能になり、友達とシームレスにアイデアを共有したり、意見を交換したりできるようになります。

こうして見てみると、*「Messengerに似せてきたのかな?」とも思えますが、それこそがSkypeの戦略です。
2003年以来、Skypeはビジョンとして
「人々が、距離に関係なく、新しくシンプルで直感的な方法で、意味のあるつながりを作る一助となること」*を掲げています。
結局のところ、Skypeがやりたいのは単なる「ビデオ通話」のポジションにとどまることではなく、広くコミュニケーションツールとして、一人でも多くの人に使ってもらうことなのです。

ただし、今後の課題としては、競合していくアプリとどのように差別化を図るか、という点が挙げられます。
ご承知の通り、インターフェイスはiMessageやWhatsApp、MessengerやSnapchat、日本においてはLINE、そのほかのメッセージサービスがすでに業界をリードしています。

Skypeであえてテキストメッセージングを行う人々が増えるかどうかはまだ分かりませんが、いずれにしてもSkypeはビデオ通話や音声通話の分野では力のある存在です。
そのために、「ビデオ通話中のインタラクション」がユーザーの心を掴むかどうかが重要なようにも思えます。

まとめ

全体的なUIからはライトブルーのメニューやバーが消え、背景は白や黒が選べるようになり、カスタマイズ可能な部分も増えました。
また、任意でカラースキームを設定することも可能です。

よりパーソナライズ可能になり、コミュニケーションの手段も増えたSkypeは、今後多くの人々に広まるのでしょうか。
今後の動向に注目が集まります。

新しいSkypeは、間もなくAndroidで先行リリースされ、次にiPhoneにリリースされる予定です。
WindowsやMacバージョンは、数ヶ月後にリリースされるとのことです。