広報担当者にとって、会社の知名度やブランドイメージは気になるところでしょう。目に見えない自社のイメージや認知度をはかるときに知っておきたいのが、表彰制度です。

今回は日本マーケティング協会が開催する日本マーケティング大賞をご紹介します。
日本マーケティング大賞で受賞しメディアで取り上げられれば、会社の認知度を上げるチャンスでしょう。

日本マーケティング大賞とは

日本マーケティング大賞とは、下記のように定義されています。

公益社団法人 日本マーケティング協会創立50周年を契機に創設された『日本マーケティング大賞』では、総合的に周到なマーケティング計画のもと目覚ましい成果を上げたプロジェクトを大賞として選出するとともに、特定の分野でのすぐれたプロジェクトを奨励賞として発掘するなど、マーケティングの意義を高める表彰をおこなっています。

参考:
https://www.jma2-jp.org/award/one

日本マーケティング大賞はこれまでに9回開催されており、マーケティングで新たなビジネスモデルを生み出したプロジェクトや、社会の問題を解決することに貢献した活動が数多く表彰されてきました。今回ご紹介する第9回日本マーケティング大賞の受賞事例も、ユニークで工夫を凝らしたものばかりです。この機会に一度目を通しておきましょう。

日本マーケティング大賞

47都道府県の一番搾り

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キリンビール株式会社が提供する「47都道府県の一番搾り」が日本マーケティング大賞の大賞を受賞しました。
「47都道府県の一番搾り」は、47都道府県それぞれの地域の特徴や魅力を生かしたビールです。それぞれの地域でワークショップを開き、住民の意見を反映させた都道府県別47種類のビールを開発しました。また、都道府県別のホームページやCM動画、グラフィックを個別に作成し、地元に密着した姿勢が評価されました。
これにより、約270万ケースの出荷量となり年初の目標を2倍以上の結果を出しました。

参考:
「第9回 日本マーケティング大賞」を発表
(※このWebページは2023年7月現在公開されていないためURL削除しました)

日本マーケティング大賞 奨励賞

太陽生命の革新的商品・サービス展開

太陽生命保険___太陽生命保険:組み合わせできる生命保険なら「保険組曲Best」.png
https://www.taiyo-seimei.co.jp/

太陽生命保険株式会社は、過去に病気やケガをしていて健康に不安がある方でも加入でき、認知症にも対応している「ひまわり認知症治療保険」を提供しています。また、保険金・給付金を請求するときに必要な手続きをスタッフがサポートしてくれるサービス「かけつけ隊」を提供しています。
高齢社会の需要に的確に対応した点が評価されました。

参考:
「第9回 日本マーケティング大賞」を発表
ひまわり認知症治療保険 | 太陽生命保険
お客さまに最優のサービスと商品の提供を目指して | 太陽生命保険

かじることで歯の健康チェックができるデンタルりんご「Dentapple」の開発・販売

Dentapple_デンタプル.png
https://dentapple.jp/

松本りんご協会は、りんごをかじることで現在の歯の状態をチェックできるサービスを歯科医師と共同開発しました。
Dentappleはテレビ番組や新聞など多くのメディアで取り上げられました。長野県松本産のふじりんごの出荷量は、前年と比較して155%と増加しました。りんご農家、歯科医師、消費者それぞれにメリットのあるサービスです。

参考:
「第9回 日本マーケティング大賞」を発表

日本の食で世界を変える“おにぎりアクション

世界食料デーキャンペーン_おにぎりアクション2016___TABLE_FOR_TWO.png
http://jp.tablefor2.org/campaign/onigiri/

TABLE FOR TWO Internationalは、世界の食料・健康問題を食を通して解決することに取り組む特定非営利活動法人です。おにぎりに関連する写真をサイトまたはSNSに投稿すると、アフリカやアジアの子供たちに給食が届くキャンペーン「おにぎりアクション」を実施しました。キャンペーン期間中に108,815枚の写真が投稿され、約4,000人の子供たちに給食を届けることができます。

参考:
「第9回 日本マーケティング大賞」を発表
世界食料デーキャンペーン おにぎりアクション2016 - TABLE FOR TWO

クリエーティブアイデア×チームビルドでドライブさせる地方創生 宮崎県小林市移住促進PRムービー “ ンダモシタン小林”

宮崎県小林市では、移住促進のためにPRムービーを作成しました。
訛りが強くフランス語に聞こえる小林市の方言の特徴を生かし、思わず繰り返し見たくなるような動画を作成しました。動画では小林市の自然や人がユニークに紹介されており、都会に住む方や、小林市に住んでいる地元の方も楽しめる内容です。
動画公開後には移住の相談件数が約2倍に増加し、地域活性化に貢献しました。

参考:
「第9回 日本マーケティング大賞」を発表
小林市PRムービー第1弾「移住促進PRムービー“ンダモシタン小林"」公開 - 小林市ポータルサイト
(※このWebページは2023年7月現在公開されていないためURL削除しました)

肢体不自由児童のために開発されたユニバーサルピアノ「Eye Play the Piano」

Eye_Play_the_Piano.png
http://eyeplaythepiano.com/

Eye Play the Pianoは手や腕を使わず目と頭を動かしてピアノを演奏できるシステムです。筑波大学附属桐が丘特別支援学校と、視線を追跡でき頭に装着して使用するディスプレイ、FOVEが共同開発しました。
特別支援教育とテクノロジーをかけ合わせた事例として、多くのメディアに取り上げられました。

参考:
「第9回 日本マーケティング大賞」を発表

日本マーケティング大賞 地域賞

V6岡田准一を園長に起用し、ひらパーV字回復

ひらかたパーク.png
http://www.hirakatapark.co.jp/

大阪府枚方市にある遊園地「ひらかたパーク」は、V6の岡田准一氏を園長とした宣伝活動を行いました。超ひらパー兄さんの愛称で親しまれ、大阪の笑いを生かしたプロモーションが評価されました。岡田氏が園長就任後、2年連続で来場者数100万人を突破しました。

参考:
「第9回 日本マーケティング大賞」を発表
ひらパーが今年度も入場者数100万人突破 V6岡田効果や大型連休が集客伸ばす - 産経WEST

佐賀県有田焼400年事業「ARITA EPISODE2」 ~産業としての伝統工芸復活を狙え~

ARITA_EPISODE_2___有田焼400年_新しい時代のはじまり__.png
http://arita-episode2.jp/ja/index.html

売上が伸び悩む佐賀の伝統工芸品、有田焼きの新たな市場を開拓して産業として復活させるため、17のプロジェクトを実施しました。
酒蔵とコラボレーションして酒器を製造したり、伝統技術を継承する人材を育成するために大学と連携したりなど、様々なプロジェクトがあり、伝統工芸の復活に大きく貢献しました。

参考:
「第9回 日本マーケティング大賞」を発表
Projects | ARITA EPISODE 2

過疎化の進行する北海道での宅配事業の成功 コープさっぽろ「トドック」

コープ宅配システム_トドック【eトドック】|コープさっぽろ.png
http://www.etodok.jp/usetebiki.php

生活協同組合コープさっぽろは、インターネットで注文できて商品を家まで届ける宅配サービス「トドック」を提供しています。
日本最大の面積を誇る北海道で、高齢者や妊娠・子育て中の方が買い物をして重い荷物を持って帰るのは大変です。
買い物を円滑にし、かつ地域を見守る役割を果たしている点が評価されました。

参考:
「第9回 日本マーケティング大賞」を発表

まとめ

日本マーケティング大賞は、市場を活性化させたものや社会の課題を解決したプロジェクトに贈られる賞であり、会社として参考にできるポイントがたくさんあります。
会社の認知度を上げるチャンスでもあるので、表彰制度を一つの指標として戦略的に取り組むのもいいでしょう。