自社の商品やサービス、ブランドを表すマークを「商標」として登録されることは多くの方がご存知のことでしょう。
2014年4月には新しいタイプの商標として音や色、動きまでもが商標登録可能となりました。

今回は、新しいタイプの商標として登録された事例を紹介します。
CMに用いてきた音楽やブランドカラーと行った要素は、知的財産としての価値を持ちます。ぜひ、新しいタイプの商標を把握し、自社のブランディングに役立てましょう。

商標とは

「商標」とは、事業者が自社の取り扱う商品やサービスを他社のものと区別する際に使用するマークを指します。

商標の対象は商標法第2条により「人の知覚によつて認識することができるもののうち、文字、図形、記号、立体的形状若しくは色彩又はこれらの結合、音その他政令で定めるもの」とされています。

つまり、商品やサービス名だけでなく、商品の形状やロゴも商標の対象になります。
また、2014年4月には新しいタイプの商標として音や色彩も対象となりました。

消費者は機能や仕様だけでなく、商品名やロゴを目印として商品を選んでいます。
たとえば、街中でスターバックスのマークを見かけたら、それを目印にして店を訪れるでしょう。そのため、この目印が他社に模倣されてしまうと、自社の売上に損害を与えかねません。
こういった目印を「商標」として登録しておくことで、他社に模倣された際でも所有権を主張できます。

商標制度に関してはこちらの記事で解説しています。
よかったら合わせて参考にしてみてください。

参照記事:
自社商品の保護&広告効果を増大させるのに役立つ「商標登録」とは?|ferret [フェレット]

参考:
商標制度の概要 | 経済産業省 特許庁
商標とは | 経済産業省 特許庁

新しいタイプの商標の事例

2014年4月の法改正により、音や色彩も商標登録の対象となりました。
では、具体的にどういった事例があるのでしょうか。詳しく解説します。

1.動き商標

スクリーンショット_2017-07-06_17.21.59.png
引用:新しいタイプの商標について初めての審査結果を公表します|経済産業省

「動き商標」とは動きによって変化する文字や図形の商標です。
例えば、消臭剤などを中心に展開する「エステー」では、CMで用いられているひよこと企業ロゴの動きを商標として登録しています。

また、映画製作・配給会社である「東宝」では、上映前に映し出す企業ロゴの動きを登録しています。

参考:
[新しいタイプの商標の保護制度について | 経済産業省 特許庁] (https://www.jpo.go.jp/seido/s_shouhyou/new_shouhyou.htm)

2.ホログラム商標

スクリーンショット_2017-07-06_17.30.37.png
引用:新しいタイプの商標について初めての審査結果を公表します|経済産業省

ホログラム商標は、すかしを含め、ホログラムで表現されているデザインの商標です。
例えば、上記のように三井住友カードでは、ギフトカードにデザインされるホログラムを商標登録しています。

3.色彩のみからなる商標

スクリーンショット_2017-07-06_17.35.56.png
引用:別紙|色彩のみからなる商標について初の登録を行います|経済産業省

色彩のみからなる商標は企業独自の色を商標としたものです。
単色または複数の色彩の組合せが対象となっており、包装紙や看板の配色がこれに当たります。

2017年2月にセブン-イレブン・ジャパンとトンボ鉛筆が取得したのが、初の事例となります。
それまで出願数492と新しいタイプの商標のなかでもっとも多くの企業が出願していましたが、なかなか登録には至りませんでした。

登録に至らない理由としては、色だけでは他のものと識別しづらい点が挙げられるでしょう。
申請によっては、広告での利用例や市場シェアのデータなど商標の実績までを特許庁に意見書として提出することが求められます。

参考:
[色彩のみからなる商標について初の登録を行います(METI/経済産業省)] (http://www.meti.go.jp/press/2016/03/20170301003/20170301003.html)
[色彩のみからなる商標の出願例について|新聞掲載記事|日本弁理士会東海支部] (http://www.jpaa-tokai.jp/activities/media/detail_438_0_2015.html)

4.音商標

スクリーンショット_2017-07-06_17.52.56.png
引用:新しいタイプの商標について初めての審査結果を公表します|経済産業省

音商標とは、音楽・音声・自然音で構成される商標です。
例えば、企業名やブランド名を音声に乗せたサウンドロゴやパソコンの起動音がこれにあたります。

上記のように楽譜のほか、音の構成を文章として示したもので商標登録されます。

なお、音商標は特許情報プラットフォームJ-PlatPat」より、音声ファイルが確認できます。具体的にどういった音が登録されているのかきになる方は参考にしてください。

参考:
[音商標の公開商標公報が発行されました。|METI/経済産業省] (http://www.meti.go.jp/press/2015/04/20150428003/20150428003.html)
[サウンドロゴとは?企業イメージを左右する印象的なロゴを作るコツ|ferret [フェレット]] (https://ferret-plus.com/5742)

5.位置商標

スクリーンショット_2017-07-06_18.00.17.png
引用:新しいタイプの商標について初めての審査結果を公表します|経済産業省

位置商標は、文字や図形などのマークを商品のどの位置につけるかを商標としたものです。
ジーンズを中心とした衣料品を展開する「エドウィン」では、ズボンの後ろポケットにつけるタグの位置を位置商標として登録しています。

また、セイコーマートでは、オレンジと白色で構成された看板を店舗上部配置することを位置商標として登録しています。取得が難しい「色彩のみからなる商標」ではなく、識別性の高い「看板の位置」で出願することで、登録が認められた事例です。

参考:
[新しいタイプの商標について初めての審査結果を公表します|METI/経済産業省] (http://www.meti.go.jp/press/2015/10/20151027004/20151027004.html)
色の新商標、企業が争奪戦、商品の印象左右、高いハードル、使う位置絞り出願。 | JAPAN SHOP

まとめ

2014年4月の特許法改正では、以下の5つの要素が新たに商標として認められるようになりました。

・動き商標
・ホログラム商標
 ・色彩のみからなる商標
 ・音商標
 ・位置商標

音や動きのついているサウンドロゴは、動き商標や音商標として登録できる可能性があります。また、パッケージや商品そのものの位置構成は位置商標として出願できるでしょう。
自社の商品・サービスの模倣品を防ぐためにも商標登録は有効です。
従来の商標に加えて、新しいタイプの商標として登録すべきものがないか社内で改めて確認してみましょう。