市場規模や営業力によって施策の選択肢は変わる

ferret :
見込み顧客数を落としてでも検討層に近いコンテンツを用意する取り組みは、すべてのBtoB事業会社が実施した方がいいのでしょうか。

熊井戸 :
そうではないパターンもあります。
特定の職種、役職、業種向けのサービスなど、市場の規模が小さい場合は難しいでしょう。広告を出しても、対象となる顧客に正しくリーチするのが難しいからです。

そのような場合は、まずはとにかく顧客との接点を作らなくてはいけないので、対象となる方も興味をもつようなコンテンツで顧客との接点を作り、少しずつ顧客との信頼関係を構築していく必要があるでしょう。

ferret :
企業として営業力があるかどうかにも関係してきますね。

熊井戸 :
その通りです。インサイドセールス、フィールドセールスがどれだけ強いかで、商談転換率や、成約までのクロージング率は大きく異なります。営業のリソース、スキルによって、マーケティング施策の選択肢は変わってきますね

ユーザーの解像度を上げてコミュニケーション戦略を描く

ferret :
各Webマーケティング施策を改善する際、どのようなステップで進めればいいのでしょうか?

熊井戸 :
ファーストステップは、どこが原因になって成約までつながっていないのかの課題特定」になります。どのチャネルから、どの広告クリエイティブをきっかけに接点を持つことができた顧客が、どこのタイミングで購買しない決断をしてしまっているのかを、MA(Marketing Automation/マーケティング施策実行ツール)やSFA(Sales Force Automation/営業支援システム)、CDP(Customer Data Platform/顧客データプラットフォーム)といったツールを用いて、一気通貫で可視化する計測環境を整えます。

この課題特定ができたら、ありたいコミュニケーション戦略」が取れているかどうかを考えていくのがセカンドステップです。

BtoB業界は、関係者が多く成約までに時間がかかるという、カスタマージャーニーが複雑なのが特徴です。そのため、ユーザーに対する解像度を高く持てているか、並びにそれに対して、ありたいコミュニケーション戦略を描けているかが、戦略の成否を分けるポイントになると思います。

ユーザーに対する解像度が戦略の成否を分ける.jpeg

マーケティングから営業まで、一気通貫でお客様のカスタマージャーニーを理解し、それに対して各施策で何をアプローチすればいいのか、というインサイトの整理と訴求整理をする。この全体設計が正しい姿を描けているかいないかによって、Web広告を始め、各施策で出せる成果は全く変わってきます。

まずは全体をしっかり俯瞰して、お客様のことを正しく理解すること。

Web広告単体でメッセージを考えるという「メディアの運用起点ではなく、「全体の戦略起点」として、ありたい姿になっているかを見直していくことが最も重要ではないかと考えます。

▼この記事の詳細を資料でもご覧いただけます

BtoBマーケティングの広告運用の肝となるリードコンテンツとは?

BtoBマーケティングの広告運用の肝となるリードコンテンツとは?

広告運用支援のプロである株式会社オプトのノウハウを、ferretがインタビューをもとに編集しました