「インスタグラムを通じて、店舗やイベントの様子をより多くのユーザーに届けたい」
こういった思いを実現するには、店舗やイベントに対してユーザーがインスタグラムに投稿してくれるような仕掛けを施す必要があるでしょう。

今回は、店舗やイベントの写真を投稿してもらうための3つの仕組みを紹介します。

総務省が2016年に行った「情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査」によると*インスタグラムの利用率は全年代で20.5%、20代では45.2%*にものぼることがわかっています。特に女性の利用率の高いインスタグラムでは、若い女性向けをターゲットとした店舗やイベントでは注力すべきツールと言えるでしょう。
インスタグラムの特徴をおさえながら、投稿してもらえる仕組み作りのポイントを学びましょう。

参考:
[平成 28 年情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査報告書|総務省]
(http://www.soumu.go.jp/main_content/000492877.pdf)

インスタグラムの投稿における特徴

インスタグラムで投稿してもらうための仕組みを考えるには、まず、インスタグラムでどういった内容が投稿されているか特徴を掴んでおきましょう。

1.インスタジェニックな写真が用いられる

インスタグラムはテキストのみでは投稿できず、画像または動画が必要となります。
また、ハッシュタグとして絵文字を設定することができたり、公式の画像加工アプリ「Layout」を提供していたりといった点からも、ビジュアルを重視していることがわかるでしょう。

そのため、インスタグラムではビジュアルとして優れているセンスのいい写真が好まれる傾向にあります。実際、10代〜20代の若年層の間では、写真映りがいいことを指す「フォトジェニック」をもじった*「インスタジェニック」*という言葉も生まれています。

「インスタジェニック」とはインスタグラム向けに写真映えする風景やグッズに対して使われており、インスタジェニックを意識した商品開発を行う企業も登場しています。

参考:
インスタジェニックを追い求める若者たちに「自分らしく」の声は届くのか | AdverTimes(アドタイ)
「インスタジェニック」|朝日新聞社メディアビジネス局 広告朝日

2.ハッシュタグが用いられる

インスタグラムにおける投稿の特徴の1つとして「#(ハッシュタグ)」が多用されている点が挙げられるでしょう。
ハッシュタグとは、任意の単語に対して「#」をつけることで、投稿に対して独自のタグをつけられる機能です。

リツイートやシェアといった投稿を拡散する仕組みがないインスタグラムでは、ハッシュタグによる検索をきっかけとして投稿が広がっていきます。
実際、株式会社サイバー・バズが2016年8月に行った調査によると、インスタグラムの女性ユーザーのうち61.5%がハッシュタグでの検索を行っており、ハッシュタグの利用や検索が定着していることがわかります。

参考:
女性Instagramユーザーの約6割がハッシュタグ検索を利用、 そのうち約4割が検索からの購買経験あり ~ハッシュタグ検索は「購入」を目的として活用される傾向に~|株式会社サイバー・バズ

3.リアルタイムでの情報発信が行われる

SNSは数文字のテキストや画像1枚でも気軽に投稿できるため、ブログやホームページなどの情報発信に比べて、よりリアルタイムの情報を投稿出来ます。
なかでも、インスタグラムでは、24時間で投稿の内容が削除される「ストーリー」機能など、リアルタイム性の高い機能を備えています。

ストーリーは2016年8月に提供開始されて以降、利用者数を増やし、2017年6月時点では毎日2億5000万以上投稿されるほど人気の投稿形式となっています。
ストーリーを通して、リアルタイムでの情報発信が行われているのもインスタグラム独自の特徴と言えるでしょう。

参考:
Instagram、ライブ配信終了後のリプレイ動画をインスタグラム ストーリーズでシェア可能に | Facebookニュースルーム

インスタグラムに投稿してもらうための3つの仕組み

では、インスタグラムに店舗やイベントの様子を投稿してもらうにはどうしたらいいのでしょうか。
先ほど紹介した3つの特徴に合わせた、3つの仕組みを紹介しましょう。

1.フォトスポットの設置

インスタジェニックな写真を撮影できるフォトスポットを設置することで、顧客に対して楽しんでもらえるだけでなく、インスタグラムにも投稿してもらえるでしょう。

例えば2017年3月に開催されたファッションイベント「東京ガールズコレクション」内では、美容化粧品メーカーの「LuLuLun」や映画「PとJK」などの各企業がフォトスポットを用意しました。
フォトスポットを設置する際には、ただブランドのロゴを用意したり、撮影機材を設置したりといったことだけでなく、それが思わず写真を撮りたくなるような場所になっているかが重要です。

各企業が用意しているフォトスポットがどういった工夫を行っているのかを見ながら、自社に生かしていきましょう。

参考:
どのような「フォトスポット」にすれば、若者がSNS投稿するのか | AdverTimes(アドタイ)

2.ハッシュタグキャンペーンの実施

店舗やイベントで撮影した写真を投稿してもらう方法として*「ハッシュタグキャンペーン」*が挙げられます。

撮影した写真に特定のハッシュタグをつけて投稿してもらったユーザーに対して、ノベルティなどを渡すといったキャンペーンを実施することで、意図的に投稿を促すことが可能でしょう。

例えば芸能事務所「YG ENTERTAINMENT」では「#YG_BEAR」というハッシュタグをつけて投稿した人に対して、ステッカーをプレゼントするキャンペーンを実施しました。こちらのキャンペーンは日本最大級の音楽フェス「a-nation」内に設置したフォトスポット内で撮影した写真を対象にしています。

このようにフォトスポットとハッシュタグキャンペーンと合わせて行うことで、相乗効果を生むことが可能でしょう。

参考:
a-nation会場に「YG BEAR x BIGBANG」ブースが登場! | BIGBANG OFFICIAL WEBSITE

3.時間限定の企画の実施

常時行っている催しだけでなく、時間限定の企画を行うことで、ストーリーといったリアルタイム性の高い投稿を促すことができるでしょう。

例えば、フラッシュセールサイト「GILT」が行ったリアルイベント「GILT Party」では、協賛企業による常設のブース販売だけでなく、話題のアーティストによるライブ・ペインティングといった時間限定の企画も開催されました。

こういった企画はイベントに注目を集めるだけでなく、当日の映像をリアルタイムで発信してもらえるきっかけにもなります。ライブ・ペインティングや著名人のトークショーといったインスタジェニックな写真が撮影できる企画であれば、さらに投稿数を増やすことができるかもしれません。

参考:
【イベントのInstagram活用7パターン】2015年版 夏フェスのソーシャルメディア活用まとめ| kakeru(かける)
インフルエンサーがInstagramで行う、リアルイベントの宣伝とは? | Colorful Instagram - 最高のインスタグラムライフをあなたに。

まとめ

インスタグラムは画像を中心としたSNSのため、いかにフォトジェニックな写真を撮影できるかが重要となります。そのため、フォトスポットを設置する場合は、見た目が綺麗なのか、ユニークな写真が取れるのかといった写真映えを考えるようにしましょう。

また、プレゼントなどを用意する経費はかかるかもしれませんが、ハッシュタグキャンペーンを実施することで意図的に投稿を促すことも可能でしょう。

今回、紹介した仕組みはそれぞれインスタグラムのユーザーの特徴を掴んだ内容です。ぜひ、自社でもインスタグラムのユーザーを分析してみて、どういった内容なら投稿を促せるのか考えてみましょう。