「自社のTwitterアカウントのフォロワーをもっと増やしたい!」「商品やサービスの口コミを拡散させたい!」このような悩みを抱えているマーケターは多いのではないでしょうか。

フォロワー獲得口コミ拡散などの目的でよく使われる手法が、Twitterキャンペーンです。この記事では、Twitterキャンペーンのメリットやおすすめの企業、実施の手順、注意点などについて解説します。

目次

  1. Twitter(ツイッター)キャンペーンとは
  2. ​​Twitterキャンペーンのメリット
  3. Twitterキャンペーンはこんな企業におすすめ
  4. Twitterキャンペーン成功の6ステップ
  5. Twitterキャンペーンの注意点
  6. Twitterキャンペーンは効率よく実施しよう

Twitter(ツイッター)キャンペーンとは

Twitterキャンペーンとは、Twitter上で展開するプレゼントキャンペーンのことです。

企業のTwitterアカウントからユーザーに向けて、インセンティブと引き換えに「フォロー&リツイート」「フォロー&ハッシュタグ投稿」「リツイート&ハッシュタグ投稿」といったアクションを呼びかけます。

それに対して多くのユーザーがリツイートやハッシュタグ投稿などといったアクションに協力してくれれば、短期間で自社に関連する投稿の増加を期待でき、その結果として、自社商品やサービスの認知獲得につながります。

ここからは、実際に企業が開催したTwitterキャンペーンの一例を紹介します。

フォロー&リツイートキャンペーンの例

サッポロビールは2019年2月、「ヱビス プレミアムエール」という新商品発売の際にTwitter公式アカウントで「フォロー&リツイートキャンペーン」を実施しました。

ユーザーがTwitterキャンペーンに応募するには、

1. サッポロビールのTwitterアカウントをフォローする
2. 元の投稿をリツイートする

という2つのステップを踏むだけなので、比較的気軽に参加してもらえます。賞品は、抽選で100名に「ヱビス プレミアムエール」6缶パックが当たるというものでした。

3.6万件のリツイートが生まれ、「ヱビスビールの新商品発売」という情報を、短期間で拡散できました。

フォロー&ハッシュタグ投稿キャンペーンの例

リラクゼーションドリンク「CHILL OUT(チルアウト)」のTwitter公式アカウントでは、2022年5月に「フォロー&ハッシュタグ投稿キャンペーン」を実施しました。

ユーザーは、

1. CHILL OUTのTwitterアカウントをフォローする
2. 指定のハッシュタグを付けてキャンペーン告知投稿を引用リツイートする

という2ステップを踏むだけで応募可能です。

賞品は、抽選で500名に「CHILL OUT」6缶ボックスが当たるというものでした。

3600件以上の引用リツイートが生まれ、結果として指定のハッシュタグ「#休憩だって戦略だ」というフレーズを短期的に拡散させることができました。

この手法はハッシュタグの考案がカギで、やや企画のハードルが上がります。ユーザーは、「#休憩だって戦略だ」という指定ハッシュタグに沿って、自分なりの休憩時間の過ごし方について意見を投稿する必要があります。

商品の世界観に即したテーマでありながら、ユーザーからの共感も獲得できるよう、ハッシュタグを決めることがポイントです。

リツイート&ハッシュタグ投稿キャンペーンの例

人気コスメブランド「Vt Cosmetics」は2022年12月、人気商品のECモール再入荷を告知するために、Twitterキャンペーンを実施しました。

ユーザーがTwitterキャンペーンに応募するには、

1. Vt CosmeticsのTwitterアカウントをフォローして、キャンペーン告知投稿に対し「いいね」や「リツイート」を行う
2. 指定のハッシュタグ「#シカレチA」「#レチシカ」を含めて、自分のコメントを投稿する

という2ステップが必要です。

賞品は、抽選で5名にスキンケアコスメシリーズの中からランダムにプレゼントが当たるというものでした。

「フォロー」「いいね」「リツイート」「コメント投稿」と、ユーザーに求めるアクションが比較的多いため、やや応募ハードルが高いと言えます。

しかし、すでにこのブランドのファンになっている人をターゲットにすることで、インセンティブと引き換えに口コミを語って商品やブランドをPRするというアクションを起こしてもらえる可能性が高く、短期間で特定の商品に関する情報拡散が期待できます。

その結果、わずか5日間で1000件以上のリツイート、550件以上の引用リツイート、1000件近くの「いいね」を獲得できました。

Twitterキャンペーンのメリット

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商品やサービスの認知拡大に向いており、なおかつ比較的低コストで実施できるTwitterキャンペーンには、次のようなメリットがあります。

潜在層 /顕在層への認知拡大

事例で挙げた「フォロー&ハッシュタグキャンペーン」施策によって、Twitter上に自社商品・サービスの口コミを増やすことができます。

口コミ増加とその拡散によって「商品についてまだ知らないものの、実はニーズを抱えている人(潜在層)」にリーチできる可能性が高まります。

また「既に商品を知っていて、やや興味を持っているけれど、まだ実際に試したことはない人(顕在層)」に対しても、Twitter上での接触・キャンペーン参加がきっかけとなって体験・購買を促進できます。

最低限のリソースで成果創出

Twitterキャンペーンの実施には、それほどコストや労力がかかりません。必要なタスクは、大きく以下の4点です。

  • キャンペーン企画立案
  • キャンペーン告知ツイート投稿
  • 賞品手配
  • 応募情報管理、抽選、発送

まずはキャンペーンを実施してみて、ユーザーから高い反響を獲得できれば、「成功パターン」として類似施策を継続することで、以降は効率的に運用できるようになります。

柔軟な予算コントロール

賞品やキャンペーンクリエイティブ制作にかける予算は自社の状況次第で柔軟にコントロールでき、月十万〜数十万円といったコストで認知拡大が期待できます。

フォロワーの反響を獲得できるポイントを押さえてキャンペーンを継続実施すれば、比較的低予算でも長期的に高いインプレッションを獲得できるでしょう。

他施策への相互転用も可能

Twitterキャンペーンを実施した結果、自社はどのようなユーザーから高く支持されているのか、意外な発見につながるケースもあります。

例えば「筋トレ、ダイエット、お酒に興味関心のある30代男性」といったファン層が明確に見えてきたら、他のマーケティング施策(Web広告、SNS広告、YouTube、テレビCMなど)のペルソナをアップデートするなど、Twitterキャンペーンを通して得られた知見を他施策に展開することもできます。

Twitterキャンペーンはこんな企業におすすめ

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Twitterキャンペーンの実施は、次のような企業に向いています。

指名買いが少ない

 
顕在層より潜在層が多い、つまり商品やサービスの認知度がそれほど高くなく、指名買いが発生しにくい状況の企業に向いています。口コミ拡散によって商品・サービスの認知拡大を図ることができます。

プッシュ施策の効果が鈍化

「プッシュ施策」とは、企業側から見込み顧客に向けて訪問、電話、メール、DMなどでアプローチする手法のことです。しかし、さまざまな手を尽くしても顧客の反応が鈍いといった課題に直面している企業も少なくありません。

その点、Twitterキャンペーンは「プル施策」、つまりきっかけだけを企業側から提供し、顧客の自発的な反応を待つ手法を用います。

押し付けるようなアプローチではなく、ユーザーのアクションを引き出すスタイルなので、見込み顧客の興味関心を育てることができ、購買へと引き上げられる可能性が高まります。

予算が限定的で大規模な施策が打ちにくい

Twitterキャンペーンは比較的低コストで長期運用しながらインプレッションの増加、認知獲得を狙えます。

そのため、「マーケティング施策にあまり予算を掛けられない」「大規模施策は打てない」といった予算が限定的な企業にも向いています。

体験しないと購買までのハードルが高い

「体験しないと購買までのハードルが高い」といった商材でも、ハッシュタグキャンペーンなどの実施によってユーザーからの口コミを数多く獲得できる可能性があります。

実際に体験したユーザーの口コミが拡散すれば、購買の後押しにつながるでしょう。

競合差別化が難しい商品やサービス

競合差別化が難しい商品やサービスの場合、ユーザーの第一想起に入るかどうかが自社を選んでもらうカギになります。

Twitterキャンペーンを継続実施し、長期的にユーザーとの接触機会を増やすことで、ユーザーに想起してもらいやすくなります。

Twitterキャンペーン成功の6ステップ

ここからは、実際にTwitterキャンペーンを成功させる上で必要な6つのステップについて解説します。

【STEP1】ターゲットを定め、テーマを決める

まずはターゲットとするユーザー層を定め、テーマを決めます。ユーザーからの口コミ投稿を促す場合は、キャンペーン用ハッシュタグもここで決めましょう。

自社アカウントのフォロワーにはどんな趣味嗜好・属性の人が多いのか、フォロワーリストを改めて見ながら要点をまとめることが大切です。

その際、競合他社のキャンペーンに反応しているユーザー層も狙って企画を立てましょう。両者が乖離していると、反応を得ることが難しいためです。

【STEP2】キャンペーンの実施

Twitterキャンペーンは、投稿直後の拡散が成否を大きく左右します。

キャンペーンテーマに沿ったハッシュタグ投稿が発生したら、一件一件「いいね」を付与していくなど、地道な作業の積み重ねも必要です。

【STEP3】当選者を決める

キャンペーン期間が終了したら、当選者に連絡したり、賞品を送付・付与したりする作業が発生します。当選者の決め方としては、以下のような方法が考えられます。

ランダム抽選

ExcelやGoogleスプレッドシートで乱数を発生させてランダムに選出する

選考

フォロワー数などを加味して選出する

なお、キャンペーンの告知文に「厳正な抽選」と書いておきながら実際は選考を行うことは、ユーザーを欺く行為になります。「フォロワー数を加味して当選者を決めたい」という考えがあるならば、告知文などに「選考」と明記したほうが良いでしょう。

【STEP4】終了後にフォロワー傾向を分析する

キャンペーンで獲得したフォロワーが、自社のターゲット層と合致しているかチェックしましょう。また、キャンペーンが終わったら早々にフォローを解除してしまうユーザーもいるため、キャンペーン終了後も継続的にフォローしてくれているかも確認することが大切です。

そして、どれぐらい「いいね」「リツイート」「引用リツイート」「ハッシュタグ投稿」といったエンゲージメントを得られたかを効果測定し、次回キャンペーンの改善点を洗い出します。

【STEP5】定着および反応率向上の投稿

Twitterキャンペーンを通して多くの新規フォロワーを獲得できたなら、それは「以前の投稿には興味を示さなかった・接触できなかった人を、キャンペーンを通じて獲得できた」ということです。

キャンペーン終了後の通常投稿は、キャンペーンで獲得できたユーザー層に向けて投稿内容を調整し、定着・反応率向上を図ることも大切です。

【STEP6】Twitter広告のターゲット設定に活用

キャンペーンに参加してくれたユーザー層をTwitter広告のターゲット設定に活用するのも効果的です。ペルソナをアップデートすることで、さらなるリーチ拡大が期待できるでしょう。

Twitterキャンペーンの注意点

最後に、Twitterキャンペーン実施時に注意すべき点を解説します。

Twitterキャンペーン終了後のフォロワー離脱

Twitterキャンペーン終了後、大きくフォロワーが減少することがあります。いわゆる「懸賞アカウント」と呼ばれる、懸賞目的でTwitterアカウントを持っているユーザーによる離脱です。懸賞目当てのユーザーは、キャンペーン終了後にはある程度離脱するもの、とあらかじめ理解しておきましょう。

一方、キャンペーン終了後もフォローを外さずにいてくれるユーザーは、新たな見込み顧客候補だと言えます。そのユーザー達から引き続き興味を持ってもらえるように、日々の投稿内容もアップデートしていきましょう。

管理運用工数の確保

短期間の爆発的な反響や情報拡散(いわゆるバズり)が起きると、ユーザーからの問い合わせが増えるなど、キャンペーン対応で忙しくなる場合も考えられます。

1人体制で他業務と掛け持ちしていると一時的に手が回らなくなることも考えられるため、初動で反響が大きければヘルプ要員を充当できるようにしておくなど、開始前に社内の理解も得ておきましょう。

「Twitterルール」の理解・遵守

Twitterは、Twitter社が運営するプラットフォームであるため、「Twitterルール(利用規約)」があります。

たとえ知らなかったとしてもTwitterルールに違反してしまうと、途中でキャンペーン告知ができなくなってしまったり、ユーザーに対して「いいね」を付与できる回数に制限が掛かったり、最悪の場合にはアカウント凍結もあり得ます。

キャンペーン企画段階で、Twitterルールに準拠できているかどうか、Twitterルールもしっかりチェックしましょう。

Twitterルールはこちら

Twitterキャンペーンは効率よく実施しよう

 
応募データの管理や抽選などは、ExcelやGoogleスプレッドシートでもできます。しかし応募件数が増えれば増えるほど、管理工数も増える点に注意が必要です。

また、Twitterキャンペーン実施前後のフォロワー分析なども、ExcelやGoogleスプレッドシートだとすべて「手動」「目視」が必要で、非常に労力と時間がかかります。

投稿管理や抽選機能、分析など、Twitterキャンペーン運用をサポートしてくれる便利なツールもあるため、ぜひ活用を検討してみましょう。