オンライン広告を経由したWebサイトでのコンバージョンは、成果が可視化しやすく、ユーザーのアクションを計測する選択肢も豊富です。

一方で、オンライン・オフライン広告に掲載した電話番号への問い合わせである電話コンバージョン」の計測には、費用や正確性の面で課題があり、お困りの方も多いのではないでしょうか。

そこで本記事では、電話コンバージョンの基礎知識を解説するとともに、相性が良い業種や現状の課題を解決するツールなどについて詳しく解説します。

目次

  1. 電話コンバージョンとは
  2. 電話でのコンバージョンが重要な理由
  3. 電話が利用されるシーン
  4. 電話コンバージョンを狙うべき業種
  5. 電話コンバージョンの計測はGoogleアナリティクスでも可能
  6. 電話コンバージョン計測時の課題
  7. 電話コンバージョンの課題解決に役立つコールトラッキングツール
  8. 便利なツールで電話コンバージョンによる売り上げアップを目指そう

電話コンバージョンとは

電話コンバージョンとは、資料請求問い合わせなど、企業の利益につながる電話でのアクションのことです。

現代では、メールや問い合わせフォームによるコンバージョンが多い一方で、業種によっては電話コンバージョンが多くの割合を占めています。

まずは、自社の製品・サービスの特性を理解し、電話コンバージョンの必要性を確認することが大切です。

電話でのコンバージョンが重要な理由

電話でのコンバージョンが重要な理由

某弁護士事務所では、約69%ものコンバージョンが電話によって発生しています。Webサイトには予約フォームが設置されているにもかかわらず、約7割の人が電話で予約をしているのです。

この結果には、弁護士事務所を利用する人の年齢層や相談内容の複雑性などが関係していると考えられます。

電話が利用されるシーン

電話の利用が想定されるシーンを理解することで、自社製品・サービスにおいて電話コンバージョンを狙うべきかどうかが見えてきます。

電話による購入、予約、問い合わせなどが行われるシーンについて詳しくみていきましょう。

緊急性が高い問い合わせ

緊急性が高い電話と言えば、119や110を思い浮かべる人は多いでしょう。その他のシーンでは、通帳やクレジットカードの紛失、業務に必要な機器の故障、ソフトでのエラー発生などが挙げられます。

これらは、Web問い合わせよりも電話の方が早く対処できるため、業種によっては電話番号を目立つところに記載しておくべきでしょう。

高齢の方からの問い合わせ

高齢の方は、Webよりも電話での問い合わせを好む傾向があります。

スマートフォンの利用に慣れていなかったり、問い合わせフォームの入力方法がわからなかったりする場合は、電話の方が早く問い合わせできます。

高齢の方が主な利用者の場合は、電話コンバージョンをより意識すべきでしょう。

情報漏えいを避けたい内容の問い合わせ

電話のほうが情報が漏えいしにくいイメージがあるために、機密性が高い情報のやり取りに電話を使用する人は少なくありません。

Webでも万全のセキュリティ対策ができていれば情報漏えいのリスクはほとんどありませんが、その事実を知らないケースが多いのです。

例えば、お金にまつわる話や人に聞かれると恥ずかしい話などが該当します。

電話コンバージョンを狙うべき業種

電話が利用されるシーンを踏まえ、電話コンバージョンを狙うべき業種について詳しくみていきましょう。

飲食業

飲食店は電話での問い合わせが多い業種のひとつです。特に予約は電話で行う人が多いため、しっかりと電話コンバージョンを狙いたいところです。

飲食店に電話をかけてくる人は、近隣の店舗を探していることが多いため、Google広告などでは電話番号と一緒に住所も表示するようにしておくと、コンバージョン率のアップが期待できるでしょう。

不動産業

不動産会社は、電話による空き物件の問い合わせがよく発生します。特に急いで物件を探している人は、Webサイトからの問い合わせではなく、電話を選ぶでしょう。

物件を探している人はシーズンを問わず常に一定数いるため、不動産業は電話コンバージョンを狙いやすい業種といえます。

自動車販売業

自動車販売店も電話による問い合わせが多い業種の代表です。

車の状態は、Webサイトに掲載されている画像や文字情報だけではわかりにくいため、特に熱心に車探しをしている人は電話で問い合わせる傾向があります。

そのまま購入につながることも期待できるため、取りこぼしのないように電話コンバージョンを狙いましょう。

学習塾

学習塾も、授業内容やスケジュール、受講料などの問い合わせが多い業種です。なかには、電話応対の雰囲気を確認するためにかけてくる人もいるでしょう。

このような人がいることも考慮して、問い合わせ内容に対して的確に答えるだけでなく、真摯な対応を心掛けるとコンバージョン率がアップするかもしれません。

電話コンバージョンの計測はGoogleアナリティクスでも可能

電話コンバージョンは、Googleアナリティクスでも計測できます。計測できるコンバージョンの種類や手順は次の通りです。

Googleアナリティクスで計測できるコンバージョンの種類

Googleアナリティクスで計測可能な電話コンバージョンには、以下の5種類があります。

  • 広告からの電話問い合わせ
  • Webサイトに掲載された電話番号への電話
  • モバイルサイトに掲載された電話番号に対するクリック
  • 電話専用広告と電話番号アセットのクリック数
  • 通話コンバージョン データのインポート

参考:Google 広告 ヘルプ | 通話コンバージョン トラッキングについて

Googleアナリティクスで電話コンバージョンを計測する方法

Googleアナリティクスで電話コンバージョンを計測する方法は、コンバージョンの種類によって設定方法が異なります。ここでは例として、広告経由の通話数を計測する方法をご紹介します。

1.Google 広告にログインします。
2.管理画面の右上にあるツールアイコンをクリックします。
3.[測定] で、[コンバージョン] をクリックします。
4.プラスボタン(+) をクリックします。
5.[電話件数] をクリックします。
6.[電話番号表示オプションを使用した広告や電話専用広告経由の通話数] を選択し、[続行] をクリックします。
7. [カテゴリ] の横のプルダウン メニューから、そのコンバージョン アクションに当てはまるカテゴリを選択します。
8. [値] の横で [通話 1 回あたりの価値] を選択して通話 1 回の価値を入力します。
9. 1 回の広告クリックに対して、発生したコンバージョンをすべてカウントするか、1 回のみカウントするかを選択します。
10. [通話時間] をクリックします。通話をコンバージョンとしてカウントするために必要な最短通話時間を秒単位で入力します。
11. [計測期間] をクリックします。広告がクリックされた後、コンバージョン アクションを計測する期間を選択します。
12. (高度な設定)[コンバージョンに含める] をクリックします。
13. [アトリビューション モデル] をクリックします。さい。
14. [作成して続行] をクリックします。
出典:Google 広告 ヘルプ | 広告経由の通話数を計測する

各手順の詳細およびその他の種類の電話コンバージョンの計測方法を知りたい方は、以下よりご確認下さい。

Google 広告 ヘルプ | 通話コンバージョン トラッキングについて

Googleアナリティクスでの電話コンバージョン計測の課題

一方で、Googleアナリティクスでの電話コンバージョンの計測には、次のような課題があります。

Webサイト上で発生したアクションしか計測できない

Googleアナリティクスでは、Webサイト上で発生したアクションしか計測できません

野外看板や折り込みチラシ、電車広告、新聞、雑誌などのオフライン広告を見てかかってきた電話は計測範囲外になり、オンライン・オフラインの成果を別で管理する必要があります。

測定には媒体ごとの電話番号が必要

電話番号が同一の場合、媒体ごとの成果を把握できません。

どの広告媒体からの受電かを測定するために、各媒体ごとに異なる電話番号の購入が必要になり、手間もコストもかかってしまいます。

間違い電話も計測される

Googleアナリティクスでの計測する方法は、スマートフォンで電話番号がタップされたことを検知する「タップ計測」が代表的です。

タップ計測では誤ってタップされた場合でも回数が計測されてしまうため、通話回数を正確に計測できないケースがあります。

電話コンバージョンの課題解決に役立つコールトラッキングツール

コールトラッキングツールは、ここまでに解説した電話コンバージョンの課題を解決できるツールです。測定用番号から元々の電話番号へ接続することで、どの広告媒体経由の電話かを特定できます。

コールトラッキングツールの特徴や機能について、詳しくみていきましょう。

コールトラッキングツールとは

コールトラッキングツールの仕組

コールトラッキングツールとは、電話(Call)を追跡(Tracking)するツールのことで、次の数値を測定できます。

  • 電話コンバージョンに至った日時
  • 通話時間
  • 発信者番号
  • 電話コンバージョンの回数
  • 通話回数
  • ページ遷移

このように、電話コンバージョン計測の課題である直前のユーザー行動の把握や間違い電話、媒体ごとの電話番号の取得などの課題をすべて解決できます。

コールトラッキングツールの特徴

コールトラッキングツールの代表的な機能として、次のようなものがあります。

●基本機能

種類 説明
通話ログ 媒体・誰宛の問い合わせかなども確認可能
レポート 複数の広告主の着信件数や通話時間などのデータをレポート
音声ガイダンス 電話問い合わせが入った際に、スクリプトを再生
Webプッシュ通知 着信や通話、通話終了といったアクションをWebブラウザに通知
着信拒否設定 特定の番号、または非通知設定を拒否

●オプション機能

種類 説明
メール・SMS通知 着信や通話、通話終了といったアクションをメール・SMSで通知
キューイング 混雑しているときに発信者へガイダンスを再生
ラウンドロビン 電話に出られなかった場合に別の電話番号へ転送
自動応答電話(IVR) 用件に応じて電話機のボタンをプッシュさせて、各窓口へ接続
通話録音 着信側と発信側の2者間通話を録音
音声テキスト 録音した通話内容を対話形式でテキスト
通話結果判定 録音した通話内容から送客に繋がったかどうかを判定
API連携 外部サービスと連携することでエラー通知や登録データの入出力を自動化

その他、コールトラッキングツールの特徴については以下の記事でも確認することが可能です。

コールトラッキング(電話効果計測)とは?導入後の活用方法やツールを紹介

コールトラッキング(電話効果計測)とは?導入後の活用方法やツールを紹介

コールトラッキング(電話効果計測)は、電話数や架電された経路などを把握できる仕組みです。問い合わせや申し込みなどを電話で受け付けている企業は、コールトラッキングの導入によって様々なメリットが得られます。本記事では、コールトラッキングの仕組みや実現できること、向いている企業を解説するとともに、おすすめのコールトラッキングツールも紹介します。

便利なツールで電話コンバージョンによる売り上げアップを目指そう

電話コンバージョンを正しく測定できるようになれば、数値改善の施策立案が可能になります。

今回解説した電話コンバージョンの基礎知識や課題、狙うべき業種などに加えて、コールトラッキングツールの機能や活用シーン、活用例まで知りたい方は、以下のPDF資料をもチェックしてみましょう。