企業が発信したい情報が、ユーザーが必要としている情報とは限りません。
ユーザーとの関連性が低い情報を配信しつづけてしまうと、かえってわずらわしく感じてしまう原因になってしまうことがあります。

そういうときに知っておきたいのが、パーソナライズです。パーソナライズとは、ユーザーの情報をもとに最適な情報を配信する手法です。

今回はパーソナライズの概要や活用方法をご紹介します。企業のプロモーション動画を配信してもなかなか視聴率が伸びない、配信しているメルマガ開封率が悪いといった悩みと持っている方は、パーソナライズの概念を学んでユーザーに合わせた情報を配信していきましょう。

パーソナライズとは

パーソナライズとは、ユーザーの位置情報や購入履歴から、ユーザーそれぞれに最適な情報を届ける手法をさします。パーソナライズするとユーザーにとって関連性が高く、興味のありそうな情報を提供できるので、ただ情報を発信するよりも見られやすいというメリットがあります。

例えば、ECサイトでマーケティングに関する書籍を購入したとします。すると購入後の商品ページやメールで、「この商品を購入した人は、こちらの商品も見ています」という文章が表示されることがあります。

これもマーケティングを購入したという購入履歴から、関連のある書籍を紹介するパーソナライズの仕組みが使われています。オススメされた商品から、さらに商品を購入した経験がある方もいらっしゃるでしょう。

ユーザーの情報をもとに情報を発信しているので、商品の購入やコンテンツの閲覧といった行動につながりやすいという特徴があります。

パーソナライズとカスタマイズの違い

パーソナライズと間違えやすい用語に「カスタマイズ」があります。
カスタマイズはユーザーによって、どの情報を受け取るのか選択することを指します。

例えばTwitterでは、通知を受け取るかどうか、通知を受け取る場合は誰からの通知を受け取るのかをユーザー自身が設定できます。設定の方法や情報を受け取るときの決定権がユーザー側にあるのがカスタマイズです。

一方パーソナライズは、情報を発信するサービス運営側が、情報をユーザーそれぞれに最適化します。ネットショッピングでのオススメ商品もユーザー側が設定したのではなく、ユーザーの購入履歴をもとに、運営しているサービス側が表示させています。

カスタマイズとパーソナライズは、情報を選択するのがユーザー側かサービス側なのかに違いがあると覚えておきましょう。

参考:
AI時代だからこそ理解しておきたい!「カスタマイゼーション」と「パーソナライゼーション」の違いとは

パーソナライズが活躍する場は?

パーソナライズはどのような場面で使われているのでしょうか?実際に活用されている方法をご紹介します。

検索エンジン

過去に検索したキーワード、検索した位置情報、SNSのログイン情報などによって、検索結果がパーソナライズされます。
パーソナライズされていない検索結果を見るときは、ブラウザのシークレットモードを利用する必要があります。

参考:
基礎知識:自社ホームページの検索順位を確認しよう

ネットショップ

先ほど書いたとおり、ネットショップではユーザーの購入履歴からオススメ商品を提案するレコメンド機能があります。多くの商品の中からユーザーが気に入るものを一から探すのは困難です。レコメンド機能を使えば、ユーザーの興味関心が高い商品をある程度しぼり込んで提案できます。

アプリ

パーソナライズはWeb上だけではなくアプリでも可能になっています。例えば、ダイエットをサポートするアプリでは、ユーザーの身体情報や、その日摂った食事から、最適なフィットネスメニューを提案してくれるものもあります。
アプリはユーザー自身が設定を変更できるカスタマイズも可能なものが多く、パーソナライズとカスタマイズ両方を使用できる特徴があります。

メール配信

商品に対するユーザーの興味関心度合いによって、配信するメールを変更します。
例えば、商品に対する興味が高まっている場合は、より詳しい商品情報を説明するセミナーへの招待メールを送るといった方法です。

広告配信

一度ある商品のホームページを訪問すると、その後も定期的に同じ広告が表示された経験はありませんか?ホームページに訪問したという情報をもとに、広告が配信されています。

動画配信

これまでに観てきた動画履歴やログイン情報をもとに、パーソナライズされた動画が配信されています。視聴している動画の前後や途中で流れる動画広告も、同様にパーソナライズされています。