質疑応答

ここからセミナー参加者からの質問を受け付ける質疑応答タイムに入りました。
3名の参加者から出た質問に対して、登壇者の皆様がそれぞれの個性がにじみ出る回答をされています。

まとまった時間を作って自分を振り返れていますか?

佐渡島氏
今はまとまった時間は作れない。趣味のゴルフも行けないです。最近半日以上暇だったことがないかな。
でも人と会って、話しながら考えていくっていうのはやってます。
事業がある程度安定してきたら、まとまった時間取って人に会っていかないとなあとは思います。でもコルクはまだそのフェーズではないと思います。

佐々木氏
昨年から色々ドタバタしてたんですが、忙しいって良くないなあとつくづく思います。
最近読んだピクサーの創業者の本にも、社員を忙しくさせすぎるといけないという教訓が書いてありました。
社員を追い込んだら精神病になったり疲弊すると。
自分自身も忙しすぎるとクリエイティビティが極端に落ちるんです。
なので今年は講演、飲み会、ミーティングを減らしました。
人と会うと酔うんですよね。ミーティングを6,7個入れるとヘトヘトになる。会ったことに満足しちゃんです。
今はその代わりに本業の文章作成に時間をあててます。すると精神のバランスが保てるようになりました。

佐藤氏
1年の80%は1人で考え事をしています。ずっとホワイトボードと向き合って壁打ちしてます。
あとは自分が面白いと思った人とだけ会うようにしてますね。若干引きこもりです(笑)。

大西氏:今日はよくおいでいただきました…(笑)

佐藤さんに質問です。以前Twitterかブログで、スタートアップ時には細かいプロダクトにも指摘をしていかなきゃいけないと書かれていましたが、先ほどのチームビルディングの話では任せるという方向になっていましたよね。その間どのような考えの変遷があったのでしょうか。あと、なぜ今日この場に来られたのですか?

佐藤氏
プロダクトに関しては、自分しかできないと思ったらマイクロマネジメントする。逆に自分よりうまく出来る人がいればその人に任せる。
ブレーンになる人がいるかどうかで決めます。

今日来たのは何かありそうだと思ったから。ネット系の集まりだとしゃべることが一緒なので。
今日は違う話が聞けるのではないかと思って来ました。

以前、佐渡島さんのお話を聞いた時、考え方が素晴らしいなと刺激をうけました。

その佐渡島さんがスゴイ人だと紹介されていた佐藤さんのブログも読んでみると、未来を読む力が素晴らしいなと。皆さんは、情報収集はどのようにされているんでしょうか?そしてどうやって事業に結びつけたのでしょうか?

佐渡島氏
僕が佐藤さんを見つけた時の話でいいんですか?(質問者頷く)
それだと、投資家の方が佐藤さんを紹介してくれて、それから何回か会うようになって、ってかんじですね。
僕は誰かに興味持ったら会いに行って、話して、ご飯食べて、ってしますね。でも急に会いたいと言うと不自然だから、理由を考えます。佐藤さんの時は『インベスターZ』(三田紀房作の投資をテーマにした漫画。佐渡島氏が編集を担当)を理由にしました。『インベスターZ』はお金についての話なんですが、ちょうど佐藤さんが「SPIKE」を出した時なんで是非話を聞きたいなと。

佐藤氏
僕が情報収集する時は目的が明確にあって、その軸に沿ってピースを埋めています。
だからキュレーションメディアから記事を拾い読みしているとかはほとんどないです。
この分野のこれを知りたいというのが明確です。だから研究員ぽいかも。

大西氏
聞かれてないけど答えちゃいますね(笑)
こういう本書きたいとかこういう記事書きたいと思ったら自然に本も人も集まってくる。
アンテナを立てると普段見逃している情報が自然に飛び込んでくる。目的が無い時に漫然と情報収集してもあんまり効かない気がするんです。
インタビューするとなったらその人の本読まなきゃいけないですしね。

大西氏:
では最後に。皆さん来た甲斐ありました?

佐渡島氏
佐々木さんと話すといつも自分の考えが更新される。そこに佐藤さん交じると余計なりそうだなあと。
楽しかったですね。

佐々木氏:
佐渡島さんは師匠みたいな方なんでお話しできてすごく良かったです。佐藤さんはブログ読んで大変感銘を受けたので会えて嬉しかったです。あと大西さんですね。
お久しぶりですよね。大西さんに会えたの嬉しかったです。

佐藤氏:
今日は来てよかったです。業界は違えど同じ悩みを抱えてたんだなとわかって嬉しかったです。

大西氏
今日は裏テーマ「ファーストペンギン」だということで、活きの良い3人の話が聞けてよかったです。
一人一人が1冊の本になるようなコンテンツを持っている人たちだと思います。
なので書き手としても刺激を受けました。
こうやって繋がっていくことでインスパイアされていくんじゃないかなと思います。
今日はありがとうございました。

まとめ

日本の急先鋒を行くファーストペンギンの3名が集って議論を交わした今回の対談で明らかになったのは、日本の市場の危うさでした。
大西氏が過去に取材した三洋電機の事例で明らかにされたとおり、誰も潰れないと思っているものでも潰れる時は来ます。
大塚家具や出版業界といった巨大な組織であっても、先見性のある方達には薄い氷にしか見えないようです。
ではそのなかで、自分はどのように動けばいいのか。

ファーストペンギンになるためには先見性と海に飛び込むことを恐れない勇気が必要です。これをすぐに持てと言われてもなかなかできないかもしれません。しかし、最も重要な要素である「理想」を持つことはできるでしょう。

自分にとっての理想を明確にすればするほど、現状とのギャップがくっきりと浮かび上がります。
そのギャップを埋めるためには何をすればいいのかを考えてみることで、一歩前に踏み出すことができるのではないでしょうか。