Webデザインにおいて、レイアウトやビジュアル面に気をとられがちですが、フォントの存在感も忘れてはいけません。
ポートフォリオサイトやストックフォトサイトであれば話は別ですが、Webサイトの多くは文字で情報を伝えるのが一義的であり、画像や動画が台頭してきた今でも画面に占める文字の割合は非常に高いからです。

そうした中、Webフォントと呼ばれる技術によって、ホームページフォントを難しい操作なく簡単かつスピーディーに変えるのが主流になってきました。
特に日本国内においては、欧米フォントが中心のGoogle Fontsだけでなく、日本語フォントが豊富なAdobe Typekitも人気が高いようです。

以前、Adobe Typekitの使い方をご紹介しましたが、Typekitを使っている、または使ってみようと考えている方に朗報です。

2017年9月26日、新たに日本語フォントを提供するフォントベンダー4つが新たにフォントを提供することになりました。

今回は、Adobe Typekitで新しく使えるようになった日本語フォント4ベンダーをまとめました。

Adobe Typekitで新しく使えるようになった日本語フォント4ベンダー

1. 視覚デザイン研究所


画像引用元:Adobe Typekit

今回、新たにデザインフォントの収録が決まったベンダーの1つが、大阪に本拠地を構える視覚デザイン研究所(Visual Design Laboratory)です。
VDLデザイナーズフォントがTypekitに36フォント収録されています。

これらのフォントは、厳格でどっしりと構えていながらも、美しい丸みも帯びたフォルムになっており、記事タイトルだけでなく、本文でも活用できそうです。

2. 字游工房


画像引用元:Adobe Typekit

字游工房は1989年に東京都新宿区高田馬場に設立されたフォントベンダーの老舗で、MacやiOSに搭載されているヒラギノシリーズでよく知られている有名なフォントベンダーの一つです。


画像引用元:Adobe Typekit

今回、游明朝体をはじめとしてさまざまなフォントが追加されました。
はんなりとしながらも、明るく優しい印象を与えてくれるので、さまざまなWebサイトに活用することができそうです。

3. 大日本印刷


画像引用元:Adobe Typekit

おそらく日本のWebデザイン界を震撼させる可能性すらあるのが、DNPの略称で知られる印刷業界の大手である大日本印刷フォントがTypekitに登場したことでしょう。
同社の歴史は一世紀以上前に始まり、集英社が始まった時には秀英体と呼ばれるフォントを開発していました。

今回、その秀英体フォントが利用できるようになりました。
AdobeのTypekitスタッフは特に「い」や「に」のハネが繋がっている文字の美しさを絶賛しており、高い可読性を有しながらも繊細美を追求したフォントが使えるのは、日本のWebデザイン界を大きく変えるに違いありません。

4. フォントワークス


画像引用元:Adobe Typekit

あの人気シリーズの新作ゲーム『ドラゴンクエストXI 過ぎ去りし時を求めて』をはじめとして、さまざまな場面で使われているデザインフォントの多くは、フォントワークスが手がけています。
1993年に福岡県で創業した同社は、モリサワ社と並び、日本を牽引するフォントベンダーです。
2013年にはソフトバンクの子会社となっています。

その代表的なフォントプロダクトが2010年に東京TDC賞(Tokyo Directors Club Award)を受賞した「筑紫丸ゴシック」シリーズです。
他の丸ゴシックと比べるとユニークで個性があるフォントですが、この度この「筑紫丸ゴシック」シリーズが14フォントAdobe Typekitに追加されることとなりました。

まとめ

今回、4つのフォントベンダーによる提供フォントが増え、合計で74の日本語フォントがAdobe Typekit内で使えるようになりました。

日本のWebデザイン界は欧米に比べても遅れている傾向にあるとよく言われますが、その原因のひとつは、やはりタイポグラフィに関する部分です。
今回Typekitで日本語フォントが拡充したことで、Webデザインの可能性がさらに広がるのではないでしょうか。

Typekitの使い方は、下記記事でもご紹介しています。
これから使い始めたい方は、ぜひ合わせてお読みください。

参考:
Web上で好きなフォントを簡単に表示できるTypekitの使い方