金融とテクノロジーを組み合わせた「Fintech(フィンテック)」関連のサービスは、個人が使う交通系ICカードから投資の世界にまで幅広く浸透しつつあります。
ですが、ブロックチェーンやビットコインなど聞きなれない言葉も多く*「なんとなくわかった気はするけど、いまいちピンとこない」*という方も多いかもしれません。

今回は、FinTech関連の重要用語をまとめて紹介します。
これからのお金の仕組みを大きく変えるかもしれないFinTech関連のニュースを納得して読み進められるよう、重要な用語は覚えておきましょう。

Fintech(フィンテック)とは

Fintech(フィンテック)とは「金融(Finance)」と「テクノロジー(Technology)」を掛け合わせた造語であり、スマートフォンの機能やインターネットなどのテクノロジーを利用した金融サービスを指します。

法人向けのクラウド型会計システムやAIによる投資家向けアドバイスサービス、個人が利用する割り勘専用アプリまで、すべてFintechの一種でしょう。
これまで紙幣として管理されていた金融がインターネットでも管理できるようになった事で、金銭のやりとりが気軽に行われるようになり、サービスの幅も広がっています。

参考:
今さら聞けない「Fintech(フィンテック)」とは?基本概要&国内主要サービスまとめ|ferret [フェレット]
FinTech | IT用語辞典 | 大塚商会
[FinTechビジョンについて|経済産業省]
(http://www.fsa.go.jp/singi/kessai_kanmin/siryou/20170621/09.pdf)
[フィンテックは伝統的金融機関にどう変化をもたらすか |富士通総研] (http://www.fujitsu.com/jp/group/fri/businesstopics/fintech/impact/)

Fintechにおける11の重要単語

Fintech関連のサービスを理解するためには、金融とテクノロジーの両面での知識が必要となります。ここでは、特に重要な用語を11単語を紹介します。

1.仮想通貨

仮想通貨とは、ネット上で決済の手段として利用でき、ほかの仮想通貨や円への変換のような通貨自体の売買も行えるものを指します。

国が価値を保証する法定通貨(円やドルなど)をネットから入金することで決済ができる「電子マネー」とは異なり、仮想通貨は法定通貨とは異なる独自の価値を持ちます。

簡単にいうとSuicaに入っているポイントの価値は日本円の価値とイコールであり、ポイントだけが高騰するといったことは起こりません。一方で、ビットコインのような仮想通貨は通貨の価値が変動することで、1ビットコインが1円になることもあれば10円になることもあります。

参考:
【ビットコイン、Suica等】電子マネーと仮想通貨の違いって?現金なしで金融取引できるサービス7種類まとめ|ferret [フェレット]

2.ビットコイン

ビットコインは仮想通貨の一種です。ビットコインは運営する組織が存在せず、ブロックチェーンという技術を採用することでネット上で誰でも取引を行えるようになっています。

そのため国境は関係なく、国外へのやりとりも自由に行えます。
例えば、日本で1,000円を1,000ビットコインに変換し、中国にいる友人に送金したとします。友人はそのままビットコインとして取引を行うこともできるし、中国の法定通貨である元に変換することも可能です。

3.トランザクションデータ

トランザクションデータとは、1つの取引で発生した複数の処理データをまとめたものです。簡単にいうと、取引の履歴をまとめたデータのことです。
ネット上で取引を管理するためには、このトランザクションデータが重要となります。

参考:
[トランザクションデータとは | 東京エレクトロン デバイス株式会社] (http://cn.teldevice.co.jp/glossary/detail/transaction_data)

4.ブロックチェーン

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ブロックチェーンとは、簡単にいうと取引の履歴データ(トランザクションデータ)をまとめた「ブロック」を連なるように保存する仕組みを指します。

ブロックチェーンはビットコインを利用しているすべてのユーザーのコンピューターに保存されており、記録されている取引履歴はインターネット上で公開されています。
そのため、取引データを大規模なコンピューターに保存する事ができる銀行のような特定の機関に頼らなくても、インターネットを利用して自由に取引を行えるようになりました。
この時重要なのが、インターネットで公開されている取引データの履歴は見れても、その内容までは確認できないようにする「暗号化」という仕組みです。

参考:
[ブロックチェーン | 金融・証券用語解説集 | 大和証券] (http://www.daiwa.jp/glossary/YST2457.html)
[「ブロックチェーン」とは?今さら聞けない基礎知識を解説|ferret [フェレット]] (https://ferret-plus.com/7706)

5.KYC(know your customer)

KYC(know your customer)とは顧客確認を指します。銀行では融資や取引の際に顧客の身元を確認し、犯罪行為へ加担しないようにしています。

犯罪者によるマネーロンダリングが行われていることが指摘されているビットコインでは、KYCがマネーロンダリングを防止する1つの手段になるとして注目されています。

参考:
[銀行の顧客確認に関するガイダンス|金融庁] (http://www.fsa.go.jp/inter/bis/f-20011004-2.html)
中国人民銀、ビットコイン取引所を検査|日本経済新聞

6.AML(anti-money laundering)

AML(anti-money laundering)とは、マネーロンダリング対策を指す英単語です。不自然な取引や不正口座の調査や、融資詐欺の排除など対策は広範囲に渡ります。
ビットコインではKYCと並びマネーロンダリングへの対抗策として注目されています。

参考:
アンチマネーロンダリング(AML) | 金融ソリューション | ソリューション/サービス | NTTデータ ジェトロニクス

7.クラウドファンディング

「クラウドファンディング」とはネット上に自社の情報や行おうとしているプロジェクトの情報を公開し、それに対して多数の投資家から小額の投資を募る仕組みです。

従来であれば、資金を調達するには多くの資金を保有している一部の資産家や銀行に対して融資を依頼しなければなりません。
ですが、クラウドファンディングが登場したことで、個人でも優れた企画やアイディアがあれば気軽に資金を調達することが可能になりました。

参考:
資金調達だけじゃない!「クラウドファンディング」の使い道と主要サービスまとめ|ferret [フェレット]

8.ビッグデータ

ビッグデータとは、スマートフォンや インターネットを通した位置情報・行動履歴などから得られる膨大なデータを指します。

金融市場においては取引履歴や株価の変動がビッグデータに該当します。
このようなビッグデータをシステム上で分析することで、一定の投資成功パターンを導き出し、投資活動に活用しようという動きが広がっています。

参考:
[ビッグデータとは?今更聞けない基礎知識から活用例まで解説|ferret [フェレット]] (https://ferret-plus.com/8453)

9.AI

AIは、物事の因果関係を推察したり、総合的なデータから判断を行ったりと言った人間の知能を再現したシステムを指します。
日本語では「人工知能」と訳され、マーケティングや医療まで幅広い分野で注目されている技術です。

ビッグデータを分析する際には、到底人間の作業だけでは処理が追いつきません。AIはそういった膨大なデータを自動で解析し、パターンを見つけ出す役割を担います。
これにより、金融市場においてもAIを用いて特定の銘柄を探し出したり、投資のアドバイスとしたりと言った活用が見込まれています。

参考:
[AIがAI銘柄を選別 野村証券が新指数、ETFも|日本経済新聞] (https://www.nikkei.com/article/DGXLASGD03H06_T01C16A2MM0000/)

10.ロボ・アドバイス

ロボ・アドバイスとは、自動化されたシステムによって経営資源の管理や投資のアドバイスを行う資産運用サービスです。
資産運用に関する専門的な知識や高度な判断が不要となるため、個人でも気軽に投資が始められる仕組みになると期待されています。

参考:
[フィンテック用語集|ジャナス・ヘンダーソン・インベスターズ] (https://www.janushenderson.com/jpii/post/13666/-)

11.インターネットバンキング

インターネットバンキングとは、対面でのやりとりを行う店舗ではなく、ネットでの取引を中心としている銀行を指します。
ネットで残高の確認や振込が行えるメリットがある一方で、インターネットバンキングによく似た偽サイトによる被害も報告されています。

参考:
ネット銀行とは? | 楽天銀行