女性をメインターゲットとして商品やサービスを展開している企業にとって、動画コンテンツは身近なものになりつつあります。

女性向け動画メディア「C CHANNEL」では2017年7月時点で月間の最大再生数は世界で6億6000万回にものぼり、ファッションブランド「Samantha Thavasa」との業務提携も発表しています。このように、スマートフォンの普及やインスタグラムの登場により、女性向けビジネスにおける動画の存在感はますます増しています。

今回は、主要な女性向け動画メディアと、女性向けに動画を作成するポイントを解説します。
「動画コンテンツを配信してみたいけどどこから始めたらいいのかわからない」という方はまずは基本的な作成ポイントを押さえておきましょう。

参考:
女性向け動画メディア「C CHANNEL」が動画ECに本格参入--第1弾はサマンサタバサ -|CNET Japan

主な女性向け動画メディア

1.C CHANNEL

C_CHANNEL___おしゃれでカワイイ!女子向け動画ファッションマガジン・シーチャン.png
https://www.cchan.tv/

【フォロワー】
インスタグラム:28万人
Facebook:1,062万9千人
Twitter:35万2千人
その他の媒体:アプリ,Webサイト

「C CHANNEL」はヘアメイクやネイル、料理、メイクなどのハウツー動画を中心に配信している動画メディアです。
「女性の知りたいを1分で解決する」をテーマに、タレント・読者モデルなどの500名以上のインフルエンサーによる短尺の動画を公開しています。

台湾やタイといったアジア圏を中心に10ヵ国で展開しており、ユーザー数は世界全体で1,800万人にのぼります。

2017年7月には、ファッションブランドが「C CHANNEL」のプラットフォーム上で自社商品を販売できる取り組みを発表するなど、EC事業にも積極的に取り組んでいます。

2.MimiTV

MimiTV.png
http://mimitv.jp/

【フォロワー】
インスタグラム:11万2千人
Facebook:13万8千人
Twitter:1万7千人
その他の媒体:YouTube,アプリ,Webサイト

「MimiTV」は10代後半から20代後半の女性をターゲットにした美容特化型動画メディアです。媒体に合わせてメイクやヘアメイクなどの動画を発信しています。

Facebookやインスタグラムではメイクやヘアアレンジ、コスメな30秒程度の短い尺のハウツー動画を配信しており、YouTubeではコスメレビューなどの1分以上の長尺動画を配信しています。

特にYouTubeでは2017年7月時点でチャンネル登録者数が19万5千人を突破し、視聴者参加型の企画や有名ファッションブランドとのタイアップ企画なども展開しています。

参考:
女性向けビューティー動画メディアMimiTVが、1億円の資金調達を実施|株式会社MimiTV
MimiTV.inc |株式会社MimiTV

3.HowTwo

HowTwo__ハウトゥー____美容動画コミュニティ.png
https://howtwo.co.jp/

【フォロワー】
インスタグラム:2万9千人
Facebook:105万9千人
Twitter:3千人
その他の媒体:Webサイト

「HowTwo」は「世界中の女性を美しく」をテーマにしたメイク・コスメ中心の動画メディアです。

自社で動画スタジオを抱えており、タレントやモデルを起用した高品質の動画が特徴で視聴完了率の平均は8割を超えています。

参考:
オトナ女子向け動画サービス「HowTwo」に見る 動画×SNS×インフルエンサーで生まれる新しい消費行動 | AdverTimes(アドタイ)

4.DINETTE

DINETTE.png
http://dinette.jp/

【フォロワー】
インスタグラム:2万9千人
Facebook:なし
Twitter:なし
その他の媒体:Webサイト

「DINETTE」は「なりたい私を叶えるビューティー動画マガジン」をテーマとした美容特化型の動画メディアです。
2017年3月に設立されたインスタグラムを中心にメイクやヘアメイクに関するハウツー動画を配信しています。

2017年6月から「DINETTE GIRLS(ディネットガールズ)」というインフルエンサーマーケティングサービスも展開しています。

参考:
[ビューティー特化の分散型動画メディア「DINETTE」スタート!|CNET Japan] (https://japan.cnet.com/release/30195709/)

女性向け動画作成4つのポイント

「C CHANNEL」や「MimiTV」といった女性向けの動画メディアからは、ユーザーから反応を得るための動画作りのポイントが見えてきます。4つのポイントを紹介していきましょう。

1.明確なコンセプトに基づく動画作成

多くの女性向けファッション誌がコンセプトやターゲットを明確にしているように、女性向け動画メディアにもそれぞれ明確なコンセプトがあります。

【コンセプトの例】
C CHANNEL:「女性の知りたいを1分で解決する」
HowTwo:「世界中の女性を美しく」
DINETTE:「なりたい私を叶えるビューティー動画マガジン」

例えばC CHANNELでは、女性の知りたい情報を発信することをコンセプトとしているためコスメやメイクといった美容関係に止まらないハウツー動画も提供しています。

このようにコンセプトを軸として持つことで、自社の発信していくべき情報が明確になるだけでなく、自社の情報を届けたい女性のイメージに合わせた動画作成が可能となるでしょう。

2.インフルエンサー/タレントの起用

特にコスメやファッション系の話題ではSNS上で影響力を持つインフルエンサーやタレントを活用することで、動画がオリジナリティのあるものになるだけでなく、ファンを軸にコンテンツの拡散を生むことができます。

***動画のご紹介*** 【自眉を生かす 泉里香さん ナチュラル太眉MAKE】 泉里香さんのメイクといえば、太い眉が特徴的ですよね。そこで今回は、自眉を生かした、ナチュラル太眉メイクをご紹介します。 . <プレゼントキャンペーン> 今回泉里香さんが使用したメイクアイテムを抽選でプレゼントします! ハッシュタ「#howtwo_present」と欲しい商品名を一緒に投稿してください。 ※商品は撮影で一度使用した物をお送りさせていただきます ※ご応募はお一人様1商品でお願いします . #howtwo #ハウトゥー #動画 #泉里香 #モデル #タレント #メイク #メイク動画 #メイクアップ #眉 #太眉 #ナチュラル #Elégance #makeup #eyemake #jillstuart #eyebrows #instabeauty @rika_izumi_

HowTwo (ハウトゥー)さん(@howtwo_tv)がシェアした投稿 -

インフルエンサーやタレントを活用すれば、上記のように実際に利用した商品として売り出すことができます。ユーザーに対して「この商品を使えば、このタレントのようになれるかもしれない」という期待を与え、動画の反応を得ることができるでしょう。

3.チャネルに合わせた再生時間

「MimiTV」では、FacebookやインスタグラムのようなSNSでは30秒程度の短い動画を配信しています。また、Facebookを中心に展開している「C CHANNEL」では、配信する動画は1分以内におさめるようにしています。

Facebookの調査によると動画の冒頭3秒を見た人のうち65%が10秒以上、45%が30秒間以上見続けるという結果が現れました。
このことからも、FacebookのようなSNSでは、要点を短くまとめ最初にユーザーをひきつけることが重要だということがわかります。

一方で、「MimiTV」はYouTubeチャンネルにおいて、1分以上の長尺動画を配信しています。このようにユーザーがどのチャネルを見ているのかに合わせたコンテンツの作成は動画マーケティングでは欠かせません。

MimiTV:Facebook

 再生時間37秒

MimiTV:YouTube

再生時間7分36秒

参考:
[Facebook動画広告が新機能でより効果的に | Facebook for Business] (https://www.facebook.com/business/news/JA-video-ads-update)

4.スマートフォンに合わせた画面サイズ・UI

総務省が行った「平成28年情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査」によると、平日のインターネットの利用時間のうちパソコンを利用している時間は35.5分なのに対して、スマートフォンは61.3分にものぼります。

さらに休日では、パソコンの利用時間27.7分に対して、スマートフォンを利用している時間は3倍以上の87.3分となりました。

このように、スマートフォンはユーザーにとって身近な存在であり、動画作成にあたってもスマートフォンからの見え方を意識する必要があります。
特にインスタグラムを利用する場合、ストーリーのように縦型のみ対応しているコンテンツもあります。FacebookやYouTubeなど媒体によってはパソコン版とスマートフォン版で再生時の見え方が異なるで、自社の動画がどのように見えているかは常にチェックしておくようにしましょう。

参考:
「平成28年情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査報告書」の公表|総務省

まとめ

女性向け動画コンテンツでは、メイクやヘアメイクのテクニックなど、商品そのものの機能性よりも実際の使用感やノウハウを中心とした動画を作成しています。
また、スマートフォンでも見やすい縦型動画や、隙間時間に気軽にチェックできる短尺の動画を配信しているのもポイントでしょう。

自社で動画コンテンツを作成する際には、商品やサービスの機能面を押し出していくのではなく、ユーザーにとって見たくなるコンテンツであることが求められます。
より多くのリピーターを獲得するためには、ただ役に立つ情報というだけでなく、メディアごとのコンセプトや世界観が重要となるでしょう。