「新しい商品のアイディアやイベントの企画はあるけれど資金が足りない…」

そんな方にとって手軽に取り組める資金調達の手段の1つがクラウドファンディングです。
クラウドファンディングとは、商品やイベントのプロジェクトごとに広く投資を募るサービスであり、個人や中小企業における資金調達の手段として近年注目を浴びています。

ですが、存在は知っていてもまずはどこから始めたらいいのかわからないという方も多いかもしれません。

今回は、クラウドファンディングの種類と始め方を解説します。
基本的な部分から解説していくので、これから資金調達を考えている方は参考にしてみてください。

参考:
第2節 ITを活用した資金調達|中小企業庁

クラウドファンディングとは

クラウドファンディングとは企画やイベント、事業に対してWeb上で広く資金提供者を募り、少額ずつ資金を集める仕組みを指します。

「crowd (群衆)」と「funding(資金調達)」の2つの英単語を組み合わせた造語であり、銀行や資本家の力を頼らなくても個人や中小企業が行える資金調達の方法として注目を集めています。

参考:
資金調達だけじゃない!「クラウドファンディング」の使い道と主要サービスまとめ|ferret [フェレット]
消費者委員会 クラウドファンディングに係る制度整備に関する意見|内閣府

クラウドファンディングの種類

クラウドファンディングは資金提供者に対してどのような価値を返すかによって以下のように3つの種類に分かれます。

寄付型 購入型 投資型
プロジェクトの内容 被災地支援など社会福祉関連が中心 新商品・新しいWebサービスの開発など 新規事業など
返礼品 なし 商品・サービスの利用権など金銭以外の返礼 経済的リターン(金銭)

1.寄付型

寄付型とは、あくまで「寄付」であり、資金提供者に対して市場価値のある品物やサービスは支給しないタイプを指します。
被災地への支援プロジェクトなど社会福祉に関わるものが多い傾向にあります。

例えば、iPS細胞の研究で知られる京都大学の山中伸弥教授は、自身が京都マラソンに参加し、完走することを目標としてとして研究資金を募りました。
結果として、1カ月で850人以上の資金提供者から1000万円以上の資金調達を成功しています。

参考:
山中教授がマラソンで1000万円集めた「ファンドレイジング」の仕組みとは? |日経トレンディネット

2.購入型

購入型とは、提供金額に応じて、金銭以外の商品やサービスを資金提供者に返礼品を贈るタイプです。

例えば、お笑い芸人のキングコング・西野亮廣氏は絵本作品『えんとつ町のプペル』の制作にあたって資金提供を呼びかけました。結果、およそ3000人から1000万円の資金調達を実現しています。それに対して資金提供者には実際に作成した絵本を提供しました。

企業にとっては販売数が予測できず、販売に踏み切れない商品を発表し、ある程度需要が見えてきた上で販売を行えるというテストマーケティングの側面を持っています。

参考:
絵本「えんとつ町のプペル」 成功生んだクラウド調達|日本経済新聞
CAMPFIREより【寄付型】クラウドファンディング正式スタート。継続的な支援が可能な「月額制」など、3つの支援方式に対応 | CAMPFIRE MAGAZINE

3.投資型

投資型とは、提供金額に応じて金銭が提供されるタイプです。
証券会社や専門のクラウドファンディングサービスを通じ、事業に対して投資を行うことで、資金提供者は金銭を得ることができます。

非上場企業に対しても個人が資金提供を行うことができる投資の手段として注目されている一方で、上場会社のように公認会計士や監査法人による会計監査を受けていないため、リスクが大きいのがデメリットです。

参考:

ベンチャー企業・非上場企業への新しい投資と増資による資金調達のマッチングサービスです |FUNDINNO

クラウドファンディングの始め方

では、クラウドファンディングを始めるにはどういったステップを踏む必要があるのでしょうか。寄付型・購入型・投資型に共通する基本的なステップを紹介します。

参考:
クラウドファンディングの始め方。基本の手順を押さえよう | 創業手帳Web
クラウドファンディングの始め方を公開!CAMPFIRE着火の手順まとめ | 株式会社LIG

1.目標を設定する

資金調達の目標金額といつまで募集するのかを設定します。
また、その目標を達成することで何ができるのかを明確にしておきましょう。

2.クラウドファンディングサービスに登録する

クラウドファンディングを始めるには、クラウドファンディングサービスに登録し、プラットフォーム上で広く資金を募ります。

国内外問わず、数多くのサービスが提供されているので、自身が資金提供を募りたいプロジェクトの目標やサービス自体の使いやすさを考慮して選びましょう。

【主なクラウドファンディングサービス】
READYFOR?
COUNTDOWN
GREEN FUNDING by T-SITE
Makuake
CAMPFIRE

以下の記事では、クラウドファンディングサービスごとの特徴をまとめています。よかったら参考にしてみてください。

参照記事:
[資金調達の新たな手段!クラウドファンディングサービス19選|ferret [フェレット]] (https://ferret-plus.com/722)

3.プロジェクトを投稿する

クラウドファンディングサービス内の機能を使って、資金調達を行いたいプロジェクトの内容を投稿します。

【設定する主な項目】
 ・タイトル:企画のタイトル。
 ・カテゴリ:ガジェットの開発や社会福祉、イベントなどのカテゴリ。
 ・目標金額:企画を行うために必要な目標金額。
 ・プロジェクト概要:企画の詳細。
  ・トップ画像:プロジェクトページに掲載される画像。
  ・返礼品:資金提供者に対する返礼品。
 ・問い合わせ先:所属や連絡先。

また、提供する金額に応じて複数のプランを設定する場合、それぞれのプランに合わせた返礼品を用意します。
寄付型のクラウドファンディングの場合、返礼品は用意しない旨を記載しておくようにしましょう。

4.利用しているクラウドファンディングサービスによる審査を受ける

投稿したプロジェクトはクラウドファンディングサービスの運営者によって審査されます。

違法行為や虚偽の内容ではないかといった視点で審査され、許可が下りなかった場合、プロジェクトは公開されません。

サービスによって利用規約やガイドラインが公開されているのでそちらを参考に審査がおりる内容のプロジェクトを投稿するようにしましょう。

5.プロジェクトを開始する

審査を受け、許可が下りたら、プロジェクトが公開されます。

プロジェクト中はクラウドファンディングサービス上だけでなく、自社のホームページやSNSを通じて資金提供を呼びかけるようにしましょう。

また、現在プロジェクトがどのような状況にあるかといった報告は都度行っていくようにしましょう。

6.プロジェクトの完了報告・活動報告をする

クラウドファンディングでは、目標金額に達成した場合にのみプロジェクトを実行する場合と、目標金額に達しなくてもプロジェクトは実施する場合の2つのパターンがあります。

プロジェクトを実施する場合は、資金提供者に対してこまめに活動報告を行うようにしましょう。

まとめ

クラウドファンディングはアイディアの内容と目標金額さえ決まっていれば、誰でも手軽にプロジェクトを立てることができます。

ですが、利用するサービス側から審査を受ける際に却下されてしまう場合もあります。そのため事前にサービスの利用規約がガイドラインをよく読んで、自分の考えているアイディアや商品のプロジェクトが審査を通ることができるのかは事前に調査しておきましょう。

また、クラウドファンディングサービスによって特化している内容は異なります。実際にプロジェクトを立てる際には、利用するサービスもよく検討するようにしましょう。