既存個客深掘りのためにABMを採用

さらに現在は、アカウント・ベースド・マーケティング(ABM)によって既存顧客の深掘りにも取り組み、大きな成果を上げています。

下の図は、ABM活用の具体的な流れです。

まず、営業担当者が既存顧客の中からターゲットを選定し、採用事例の紹介やユーザー会への招待によってファンになってもらいます。

次に事例イベントへの登壇をお願いしたり、パーソナライズメールやステップメールを発信したりすることによってターゲットに情報を共有してもらい、社内への拡散を促します。そこから先は、通常のエンゲージメントマーケティングと同じファネルとなります。

エンゲージメント時代のBtoBマーケティング_007a.jpg
マルケト様提供資料:ユーザーの購買行動・ファネル

この取り組みを1ヵ月ほど行ったところ、顧客への月間コンタクト数は60人から800人に急増。メールクリック率は通常の約10倍の20%、休眠名刺からのアポイント依頼は10件、案件創出は5件にも及ぶなど、絶大な効果が表れたそうです。
  

まとめ

その結果、マーケティングの取り組みに対する営業の認識が変わり、マーケティングと緊密に連携を取りながら営業活動を繰り広げようとする気運が高まったといいます。

この取り組みにおいて、忙しい営業担当者にも協力してもらいやすいように、「既存顧客の名刺を名刺管理ソフトに登録」「登録された名刺情報などに基き営業推進部が候補リストを作成し、ターゲットにアプローチ」「ターゲットからの反応は『Gmail』で営業担当者に届くので、適宜フォロー」というシンプルなフローを採用しました。

このように作業を単純化して、営業担当者の理解と協力を促したことも、短期間で大きな成果を上げた理由だと近藤様は分析しています。日商エレクトロニクス様は、今後もABMを活用した既存顧客の深掘りを強化していくとのことです。