Lesson2「イメージ記憶術を身に着けよう!」 - 1億総作り手時代に"子どもがクリエイターになる練習ドリル" -
ferretをご覧の皆さん、こんにちは。谷口マサトです。
私は普段、スマートフォンで見られる コンテンツや 広告を制作しています。今回で2回目となる連載では、1億総作り手時代に「子どもがクリエイターになる練習ドリル」と題し、子どもが簡単にクリエイティブを学べる方法を紹介したいと思います。
第2回目のテーマは「イメージ記憶術を身に着けよう!」です。
ぜひ第1回目の記事をまだ読んでいないという方、改めて復習したいと言う方は下記よりご覧ください。
参考:
Lesson1「教科書に落書きしよう!」 - 1億総作り手時代に"子どもがクリエイターになる練習ドリル" -|ferret
良いコンテンツの特徴の1つは「記憶に残ること」
歴史の授業で、年表を語呂合わせで覚えた事があると思います。その中で何が1番記憶に残っているでしょうか。
794年 鳴くよ(794)うぐいす平安京
1467年 人の世むなし(1467)応仁の乱
などが有名ですが、最もインパクトがあるなと思うのは冒頭の「1582年 本能寺の変 イチゴパンツ(1582)の明智光秀」です。
どういう状況なのかわからないですが、たまたまイチゴパンツをかぶっていた明智光秀が信長に目撃され、恥ずかしくて信長を殺したのかもしれません。
語呂合わせの中でも、このようにイメージとして想像しやすいものと、しにくいものがあります。記憶に残っている語呂合わせをみると、イメージしやすいのが残っていませんか?
「鳴くよ、うぐいす平安京」は、優雅な平安貴族の様子がイメージできますし、「人の世むなし 応仁の乱」は、京都が焼け野原になった様子もイメージできます。
このように、数字や文字をイメージに変換して覚えることを私は「イメージ記憶術」と呼んでいます。記憶術の本でもよく出てくるメジャーな方法ですが、忘れにくくてテスト対策にも使える上にコンテンツのヒントに溢れています。
良いコンテンツの特徴の1つは「記憶に残ること」。
名作の漫画、ドラマ、映画は忘れがたいものです。特に広告の場合、覚えてもらえないものに価値はありません。「何が記憶に残りやすいのか?」というのを考えるためにも、記憶術はクリエイターを目指す子どもなら小学生の頃から身に着けたほうが良いでしょう。
私もこの方法を知ったのは社会人になってからですが、なぜこれを学校で教えてくれなかったのか?と悔しく思いました。暗記が多い日本の学校だからこそ、まずは記憶術を教えるべきではないでしょうか。
私はパスワードなどで使う意味のない英数字を、よくこの方法で覚えています。
数字と文字をイメージ化する場合、いくつかコツがあります。まずはできるだけ違和感のある絵にすること。冒頭のイチゴパンツと武将の組み合わせなど、ありえない組み合わせにすることで記憶に残りやすくなります。
アイデアは異なるモノの意外な組み合わせですが、記憶術はアイデアを作る作業とほぼ同じなのです。
言葉思考とイメージ思考の切り替え=クリエイティブの必須科目
次にストーリーです。もし「1582」がパスワードならイチゴパンツが鍵にかかっている一枚絵で覚えてもOKですが、「1582年に明智が信長を殺した」となると情報量が多いので、冒頭のようなストーリーを勝手に作って覚えます。
ちなみに記憶術の達人、オーストラリアの原住民アボリジニも物語を記憶に使います。彼らは記述する文字を持たず、頭の中に様々なことを記憶しています。その結果記憶能力が非常に発達しているのですが、地図を覚える場合、「この場所で英雄○○は誰それに殺され……」という風に物語を付けて覚えています。
面倒くさいのですが、多くの情報を記憶するためにはそれに応じた記憶する作業が必要になります。
大事なのはイメージを自分で作ることです。「どのイメージで覚えようか」と頭を使うことで記憶が残りやすくなります。何よりも、イメージを作るために様々なイメージを頭の中で組み合わせることがイメージで考える練習になります。
人が考え事をする場合、言葉で考えているか、イメージで考えています。左脳と右脳と言い換えてもいいでしょう。クリエイティブ作業の肝は、イメージで考える「イメージ思考」を習慣にすることです。
アイデアを考える時、言葉で考えると必ず行き詰まります。アイデアは異なるモノの意外な組み合わせですが、言葉の思考はこの組み合わせが苦手なのです。一方でイメージ思考は油絵を塗り重ねるように自由に組み合わせられます。
言葉思考とイメージ思考の切り替えを自由に行えるようにするのは、クリエイティブ修行の必須科目で、まずこれをクリアしないと企画はできません。そのためにもイメージ記憶術は有効です。イメージで考える習慣を増やしていけばクリエイティブ能力は上がっていくからです。
例えば武道やスポーツで、体の動きを脳内でイメージしてシュミレーションする時があると思います。これもイメージ思考をしているので、実はクリエイティブな作業と非常に近いのです。企画を作るのはデスクワークに見えますが、やっていることは外で身体を動かしている感覚と似ています。
歩いている時や風呂に入っている時や電車の中など、何も考えていない時にアイデアが出やすいと言いますが、これも要は、言葉思考をしてない時にイメージ思考が優位になっているだけです。偶然の機会に頼らず、意識的にこのイメージ思考に切り替えてやれば企画は出やすくなります。ただイメージ思考だと人と会話はできないので、その場合は言葉思考に戻します。
おそらく言葉思考は、コミュニケーションをとるために後から生まれたのだと思います。問題なのは、イメージは曖昧なのに対し、言葉はハッキリしていて目立つため、言葉思考自体が自分自身だと錯覚してしまうことです。
こうなると頭の中で言葉が渦巻いてしまいイメージで考えられなくなります。こういう場合は、イメージ思考をする前に、どうやって頭の中の言葉を消していくかという作業がまず必要になります。
- コンテンツ
- コンテンツ(content)とは、日本語に直訳すると「中身」のことです。インターネットでは、ホームページ内の文章や画像、動画や音声などを指します。ホームページがメディアとして重要視されている現在、その内容やクオリティは非常に重要だと言えるでしょう。 なお、かつてはCD-ROMなどのディスクメディアに記録する内容をコンテンツと呼んでいました。
- 広告
- 広告とは販売のための告知活動を指します。ただし、広告を掲載するための媒体、メッセージがあること、広告を出している広告主が明示されているなどの3要素を含む場合を指すことが多いようです。
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