今からおよそ15年前、2003年5月27日、WordPressの書板がリリースされました。それまでは静的なHTMLによってホームページを作るのが主流だった時代に、WordPressによってテンプレートを活用した動的なサイトを作れるようになったのです。

そうした意味で革命的だったWordPressですが、2018年中に新たな革命的機能を実装する予定です。それが、「Gutenberg(グーテンベルグ)」と呼ばれる機能です。

今回は、WordPressで開発中の注目エディター「Gutenberg」について、初心者にもわかりやすくまとめました。基本的な使い方にも触れていますので、ぜひご一読ください。

目次

  1. 「Gutenberg」とは?
  2. Gutenbergについて知っておきたい3つのこと
    1. 現在は プラグインとして提供されている
    2. まだ開発段階
    3. 従来エディタではできないこともある
  3. Gutenbergを使ってみよう
  4. Gutenbergの今後

「Gutenberg」とは?

Gutenbergとは、14世紀に活躍したドイツの活版印刷技術の父「ヨハネス・グーテンベルグ」の名前にちなんでつけられたもので、WordPress 5.0以降で実装が予定されている新エディターのことを指します。2018年1月現在のWordPressのバージョンは4.9.1で、2018年度中には標準機能として実装・公開されることが見込まれています。

ただし、WordPress公式ロードマップには、リリースの日付がまだ公表されていません。

Gutenbergは、いうなればMediumやDropboxのPaperのような編集画面で、HTMLやショートコードを知らなくとも、画像や文章、引用文などのそれぞれの要素をひとまとまりのブロックとして、レイアウトを確認しながら記事を作成することができます。技術に疎くても、より直感的にブログを作成することができるようになるのです。

天才プログラマーとしても知られるWordPressの開発者マット・マレンウェッグによれば、Gutenbergには次のような意味があるといいます。

「活版印刷術は本についてのものではあったけれども、単にそれだけのものではなかった。アイデアを広めたのだ。読み書きができるようになったのだ。エリートの独占がなくなったのだ。だからWordPressも、世界を変えるこの技術をGutenbergと呼ぶことにした」

実際のところ、ブログをはじめとするWebメディアは、いまや文章だけではなく、画像や動画、SNSコンテンツやVRコンテンツなど、様々なものが組み合わさってでき上がっています。Gutenbergを使うことによって、そうしたリッチな表現を、より簡単に、より楽しく再現することができるようになります。
  

Gutenbergについて知っておきたい3つのこと

Gutenbergを実際に使ってみる前に、知っておきたいことが3つあります。

現在は正式版としてリリースされている訳ではないので、次の点に留意しておきましょう。
  

1. 現在はプラグインとして提供されている

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Pablo

Gutenbergは5.0以降に標準で搭載が予定されていますが、2018年1月現在まだリリースされていません。追加するにはGithubからソースコードをダウンロードして、Docker環境でマウントするか、プラグインとしてインストールする必要があります。

GutenbergはWordPressのプラグインページからダウンロードするか、プラグインの新規追加画面から「Gutenberg」と検索してインストール・有効化しましょう。
  

2. まだ開発段階

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Pablo

実際のところ、Gutenbergの機能の多くはまだ実装途中で、新しいバージョンは以前に埋め込まれたUIや機能から大幅に変更されている場合もあります。そのため、Gutenbergのコメント欄には数多くの否定的なコメントも寄せられていますが、基本的には想定内の出来事です。

プラグイン自体がまたベータバージョンとしての位置付けのため、製作チームも「本番環境では利用しないように」というアナウンスを出しています。アップデートしたら上手く作動しない、ということがあっても慌てず、ダウングレードをするなどして対応しましょう。
  

3. 従来エディタではできないこともある

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Pablo

Gutenbergはまだ開発途中のため、既存の従来エディタではできないこともあります。

例えば、ショートーコードをパラグラフに組み込んでも、まだ作動しません。また、パラグラフ内にテキストと画像をまとめて設置したり、埋め込んだりすることもできません。さらに、HTML5タグを利用しているため、古いテーマでは作動しないことがあります。

しかし、コピーやペーストは圧倒的に早く、ブロックで作成するのにも慣れれば、Gutenbergが手放せなくなるでしょう。

開発途中ということもあり、デメリットも存在しますが、それを脇においても試す価値はあるでしょう。
  

Gutenbergを使ってみよう

それでは、実際にGutenbergを使ってみましょう。

最初に、WordPressプラグインの新規追加画面から「Gutenberg」と検索してインストール・有効化しておきましょう。

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Gutenbergが有効化すると、左側のメニューに「Gutenberg」が追加されています。デモ画面を見ると、記事がどのように構成されているかがイメージできるでしょう。

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Gutenbergが有効化している間は、新規作成画面でもこのようにGutenbergを使った作成画面に切り替わります。先頭にタイトルを入力して、記事を書き始めます。

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途中に出てくる「+」マークをクリックすると、画像や動画、SNSの投稿などをブロックとして追加することができます。以下のように、画像を左右に寄せてレイアウトを組むことも可能です。

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このように、Twitterの投稿やTEDのビデオなどを挿入することもできます。

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各ブロックの左に出てくる上下の矢印をクリックすることで、簡単にブロックを入れ替えることもできます。

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また、2017年12月11日のアップデートで、「リユーザブルブロック」(Reusable Block)と呼ばれるブロックが追加されました。

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Wordpress.com

その名のとおり、ブロックの再利用が可能になります。ブロックに名前を付けることで、サイト内で利用している全てのブロックに対して共通の変更が反映されるという、大変便利なブロックです。
  

Gutenbergの今後

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Github上で開発が進められているGutenbergは、リポジトリの作成が2017年2月4日となっており、まもなく開発から1年を迎えます。

当初はFacebookのオープンソースプロジェクトであるReactを利用していましたが、ライセンスの問題により途中でライブラリの変更を余儀なくされるなど、紆余曲折を経て現在に至っています。

Gutenbergの評価は賛否両論ですが、どちらの意見であっても必ず開発チームからのコメントがフィードバックとして返信されており、その本気度がうかがえます。

1月12日にはバージョン2.0がリリースして、以前よりも大幅に安定しています。まだまだ改善の余地はありますが、一足先にこのWordPressが放つ未来のエディターを使ってみてはいかがでしょうか。
  

まとめ

海外でMediumが爆発的に流行したり、日本でもnoteを使うブロガーが急増した理由は極めてシンプルで、「書いている時のストレスがほとんどない」ということです。その時期に重ねてWordPressからこうしたプラットフォームに乗り換えるライターも多かったと予想できますが、今こそWordPressが逆転を仕掛けています

まだ、発展途上のGutenbergですが、まもなく公式の機能としてリリースされます。それまでの間、基本的な機能を実際に触っておくのも良さそうです。