GUやスターバックスといった有名店舗でも導入されている「ランクアップ会員制度」。マーケティングにおいて、具体的にどのようなメリットがあるのでしょうか。

今回は、ランクアップ会員制度という切り口から、ロイヤルカスタマー育成の重要性について解説していきます。

前回の記事にて、ランクアップ会員制度に関連して、マーケティング施策としてポイントカードを活用するメリットについても触れていますので合わせて読んでみてください。

前回の記事はこちら:
店舗運営者必見!ポイントカードのマーケティング活用

ロイヤルカスタマー育成の重要性

ロイヤルカスタマーとは

ロイヤルカスタマーとは、自社にとって忠実なリピーター(常連客)のことです。企業が提供する商材(サービス)への愛着を持っている優良な顧客のことを指します。企業から呼びかけなくとも自発的に口コミやSNSでの発信を行ってくれる「熱心なファン」と言えるでしょう。

なぜロイヤルカスタマーの育成が重要なのか?

マーケティング業界では、顧客の法則として、以下の3つがよく語られています。

  • パレートの法則(2:8の法則)」
  • 「1:5の法則」
  • 「5:25の法則」

パレートの法則(2:8の法則)」とは、お店の売上の8割は、2割の顧客によってもたらされているという定説です。ロイヤルカスタマー(優良な顧客)であるほど、2割の顧客として利益に貢献し、ロイヤリティ(忠誠心)が高いと言われています。

「1:5の法則」とは、新規顧客に販売するコストは、既存顧客に販売するコストの5倍かかるという法則です。

「5:25の法則」とは、顧客離れを5%改善すれば、利益が25%改善されるという法則です。

上述のとおり、新規顧客の獲得よりも既存顧客を囲い込み、ロイヤルカスタマーへと育成していくことが大切です。

どのようにロイヤルカスタマーを育成するのか?

ここでは、ロイヤルカスタマーを育成する方法をご紹介します。

顧客に関心をもちコミュニケーションを取る
ロイヤルカスタマーの育成において重要なことは、顧客に関心をもちコミュニケーションを取ることです。

ここでのコミュニケーションとは、直接来店した際のコミュニケーションだけにとどまらず、DMやメルマガなどのオンラインのコミュニケーションも含めます。

コミュニケーションを取る際には、個別対応を行うことで「自分に興味関心を持っている」と認識してもらえるように心がけましょう。

一般顧客との差別化による、特別感の演出
ロイヤルカスタマー予備軍については、後述するランクアップ会員制度などを活用して、一般の顧客と差別化していきます。

利用頻度・来店頻度・購入金額などが高い顧客に向けて、限定のキャンペーンや特典など、特別感の演出をしていくと良いでしょう。

ランクアップ会員制度とは

ランクアップ会員制度とは、購入金額や来店頻度に応じた会員制度です。例えば、レギュラー・シルバー・ゴールド・プラチナのように、ランクが段階的に変わっていきます。会員ランクに応じて、特典やキャンペーンなどを顧客に還元できます。

例えば、以下のような価値を顧客に還元することが可能です。

  • ポイント還元率
  • 割引クーポン
  • 優待情報
  • バースデー特典

ランクアップ会員制度を導入するメリット

店舗や企業が、ランクアップ会員制度を導入するメリットとしては、以下の2点があげられます。

顧客に対して、利用・購入の動機付けを行うことが可能

利用・購入の動機付けを行うことで、利用・購入機会を増やすことが可能になり、客単価の増加に繋がります。

具体的には、「あと、500円購入でランクアップ」「半年間店舗の利用が無いのでランクダウン」などです。会員ランクの存在がキッカケになるため、ぜひ試してみましょう。。

継続的な顧客接点を生み出すことが可能

通常、顧客との接点は、商品・サービスの購入・利用時ですが、ランクアップ会員制度を導入することで、些細なことでも連絡をする機会が生まれます。

また、上位のランクほど、希少性の高い特典やキャンペーンを準備することで、より一層密度の濃い顧客接点を生み出せるというメリットがあるのです。