スマートフォンの普及が進むにつれて、消費者が動画広告に触れる機会が増えてきています。

株式会社サイバーエージェントと、株式会社デジタルインファクトが共同で実施した調査によれば、2017年の動画広告市場規模は1,374億円に達する見込みだとしており(2017年11月時点)、2023年には3,485億円に達するとの予想です。

こうしたトレンドから、自社として動画広告の実施を検討される担当者の方も多いでしょう。しかし、動画広告がどのような成果を生んだのかを把握できずに、ただ配信しているだけという事態は避けたいところです。

動画広告の効果を最大化するためには、静止画広告と同様に、効果を測定することが大切です。この記事ではその方法として「ブランドリフト調査」を紹介します。

ブランド効果を測定する「ブランドリフト調査」って?

ブランドリフト調査とは、インターネット広告のブランド効果を測定するための調査手法です。配信したオンライン広告に対して、消費者を「接触者」と「非接触者」の2種類に分類。両者のブランドに対する態度の変化を比較することによって、効果を測定します。

ユーザー行動では分からない情報を明らかにする

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動画広告は、商品やサービスへのコンバージョンのみならず、自社のブランドに対するユーザーの認知度や感情の変化を目的とする場合が多いです。

そうしたブランディング目的の広告と、コンバージョンを目的とした広告では、その効果測定の方法に大きな違いがあります。

コンバージョンを目的とした広告では、表示された広告に対してクリックしたかどうか、コンバージョンしたかどうか、といった反応を定量的に判断することが可能です。そのため、効果測定しやすいという特徴があります。

「100人にこの商品を買ってもらおう!」という目的で広告を出したならば、それに対して結果がどうだったのか、という形で客観的に判断できます。

しかし、ブランディングを目的とした広告の場合、効果を測定するためには、ユーザーがその広告に対してどのようなイメージを想起し、どのような印象を持ったのか、といった個人の感情や気持ちなどの情報を明らかにしなければなりません。

これらの情報は定性的であり、ユーザーの行動だけでは測れない部分があります。そこで登場するのがブランドリフト調査なのです。

参考:
ディスプレイ広告の2つの役割と効果測定方法|デジタルマーケティングラボ

消費者の「気持ち」は、再生数では分からない

ブランドリフト調査が、定性的な情報を明らかにできるという点をお伝えしました。
とはいえ、ブランド効果を最大化することを考えたとき、そうした調査は本当に必要なのか?という疑問もあるでしょう。

動画広告を作るうえで「ネットでバズるコンテンツを作りたい!」と考える担当者の方は多いのではないでしょうか。確かに、動画広告の配信を考えるうえで「再生回数がどれだけ伸びたのか」などの指標はわかりやすいものです。

しかし、ただ単に「再生回数が伸びた」という事実だけを鵜呑みにしてしまうと、ブランド広告としての効果を正しく測定できません。

再生回数は増えていても、広告で伝えたいブランドイメージとは異なる印象を消費者が抱いている可能性があります。もっと言えば、ネガティブなイメージが広がることによる再生数の増加も許容することになるでしょう。

こうした失敗を防ぐためにも、*消費者が広告を見て「どのように感じたのか」という部分を明らかにすることが大切になります。*そして、それができるのがブランドリフト調査なのです。