こんにちは、株式会社ブレインパッドでソーシャルメディア分析を担当している福江です。

突然ですが、Instagramが発表した「2017年に日本で最も人気があったInstagramのハッシュタグ」は何かご存知でしょうか。この記事のタイトルを見ればお分かりかもしれませんが、「#猫 / #ねこ」でした。

昔からインターネット上には猫の画像の投稿が多い印象ですが、体感としてだけでなくデータとしても「猫画像が多い」ことは証明されています。

そこで今回は、前回の記事でご紹介した画像解析の技術を使って直近1年間でTwitterとInstagramに投稿された猫画像5,000万枚を分析してみます。

参考:
Instagramで振り返る、2017年のハイライト|Facebookニュースルーム

TwitterとInstagramのハッシュタグランキングを比較

現在SNS全体で毎日30億以上の写真がシェアされており、そのうち推定で85%の画像には、それらを説明する文章(テキスト)が無いと言われています。

今回の分析の肝となるのは、「#猫」、「#ねこ」といったハッシュタグキーワードのようなテキスト解析ではなく「猫が写っている画像」をディープラーニングの技術を使って認識し、画像を分析している点です。

そのためハッシュタグなどに猫に関する記載がない投稿も今回の分析対象となります。

分析条件は以下の表の通りです。

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まずは皆さんが猫画像にどんなハッシュタグをつけて投稿しているのか、TwitterとInstagramそれぞれで比較してみます。

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こうして比較してみると、TwitterとInstagramでは使われるハッシュタグが大きく違うことがわかります。

Twitterでは「#迷い猫」、「#里親募集」、「#保護猫」など、猫や飼い主を探しているハッシュタグが上位に多くランクインしていますが、Instagramでは1つもランクインしていません。

Instagramの上位ハッシュタグには「#catstagram」、「#にゃんすたぐらむ」、「#instacat」など、猫とInstagramを掛け合わせた造語が多くランクインしています。

Twitterが情報拡散やリアルタイム性を重視しているのに対して、Instagramは世界観や趣味の繋がりを重視しており、各SNSの特長の違いを如実に表す結果となっています。

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どんな猫が投稿されている?行動を分析

次に、実際にSNS上に投稿されている猫画像そのものを分析してみます。

Twitterで猫画像を分析

Twitterに投稿されている猫画像から、「行動」に関するラベルだけを抽出してどのような猫の動きが画像に写っているかを分析します。

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※注:これらのラベルは猫自身の行動を示すものがある一方、一緒に写っている別の被写体の行動に対して付与されているものも含まれています

上記の図では、ラベルの円が大きければ大きいほど、投稿の割合が大きいことを示しています。

今回のケースで、一番大きく出ているのは「Sleep = 眠る(図左)」でした。
やはり猫といえば寝ている姿の写真が一番多いようです。

※「Sleep」ラベルが付与されているTwitter投稿例

その他に「Handwriting = 手書き(図右)」が大きく出ていますが、これらはハッシュタグで迷い猫探しの投稿が多いように、猫の写真と「探しています」といったメッセージが添えられた投稿を示しているものが多かったです。

Instagramで猫画像を分析

次に、Instagramに投稿されている猫画像から「行動」に関するラベルだけを抽出してどのような猫の動きが画像に写っているか分析します。

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※注:これらのラベルは猫自身の行動を示すものがある一方、一緒に写っている別の被写体の行動に対して付与されているものも含まれています

InstagramもTwitter同様「Sleep = 眠る」に関する投稿の割合が最も大きく出ています。

ハッシュタグではTwitterとInstagramに大きな違いが見られましたが、投稿画像についてはいずれのSNSでも寝ている猫画像が人気でした。

ちなみに、筆者も猫を飼っていますが、猫は動きが速いため動いていると写真がブレやすく、寝ているときというのはシャッターチャンスだからかもしれません。

@petitep0chimieがシェアした投稿 -

※「Sleep」ラベルが付与されているInstagram投稿例

その他に「Sitting = 座っている」のラベルも大きく出ていますが、こちらは猫自身が座っているというより飼い主などの人間が猫を膝に抱えながら座っている画像がほとんどでした。

サーフィンをする猫?「画像解析」の課題

個人的に気になったのが、上図中央にやや大きめに表示されているラベル「Surfing = サーフィン(をしている)」です。

普通に考えて猫がサーフィンすることありません。また、「Sitting = 座っている」とは、異なりサーフィンしている最中に猫と写真を撮ることもないと考えられます。調べてみると、以下のような投稿に「Surfing」のラベルがついていました。

※「Surfing」ラベルが付与されているInstagram投稿例

実際にサーフィンをしているわけではないですが猫のポーズや背景などがサーフィンっぽいと判別されたようです。

このように人間の常識で考えればすぐに判別出来るようなものでも、それをプログラムに教え込むことはまだまだ難しいです。しかし、これらの技術は日進月歩で進化しているため、将来的にはこのような細かい判別も出来るようになるかもしれません。

まとめ:目視だけでは難しい数の画像を分析できる時代に

今回の記事では、SNSに投稿されている5,000万枚以上の画像から得られる情報について分析しました。

昨今のAIブームに代表されるディープラーニングなどの技術は物凄い勢いで進化をしていますが、正確さという面では最後に紹介したサーフィン猫のように人間の常識とは異なる結果が返ってくることもあります。

ただし、もし今回の5,000万枚以上の画像を1件1件目視で判別していたらこの記事が出るのは数十年後だったかもしれません。

スピードと実用性のバランスを取りながら進めていくことが、今後のビジネスではより重要視されていきそうです。