マーケティングオートメーションの強みとは?

マーケティングオートメーションというと、よく誤解されるのですが、マーケティングを自動実行するという「概念」や「考え方」ではありません。マーケティングオートメーションは、あくまでも「実行」するためのツールです。

この、マーケティングオートメーションが威力を発揮するのは、One to Oneやエンゲージメントマーケティングといった特定のマーケティングです。ブランディングは得意ではありませんし、短期勝負のキャンペーンも不得意です。

一方で、マーケティングオートメーションはどういった強みを持っているのでしょうか。

それは、長期戦のマーケティングです。一人ひとりと継続的に対話をしてお客様になってもらう、ロイヤル顧客になってもらう、ファンになってもらうといったシーンで威力を発揮します。

具体的には、以下の6つのマーケティングが挙げられます。

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資料:株式会社マルケト(スライドPage 26 マーケティングオートメーションが得意なのは)

なぜ長期戦のマーケティングが得意なのかというと、自動的にシステムで判別して、人間のマーケターだけでは手が回らない、長期かつ継続的なコミュニケーションを実行できるからです。

カスタマージャーニーとTPCM

いよいよカスタマージャーニーのお話に入っていきましょう。私がやっているカスタマージャーニーの目的は、ただ1つ。

「One to Oneかつエンゲージメントマーケティングの設計図を作る」ということだけです。それはマーケティングオートメーションで自動実行するための設計図であり、”打ち手”の実行計画書になります。

一般的なカスタマージャーニーでは、問題点や課題を発見することが目的になっていることが多いと思います。

しかし、私がやっているのは実際にどんな打ち手を・どのタイミングで・どう打っていくのかという実行プランに寄ったものなので、一般的なカスタマージャーニーとは目的が大きく異なります。

その根底にあるのが、電通流のメソッドである「TPCM」というものです。マーケティング・コミュニケーションとは、「TPCM」を決めることであり、それ以上でもそれ以下でもありません。

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資料:株式会社マルケト(スライドPage 28 設計の根底にあるのは電通TPCM)

「T」はターゲット、「P」はパーセプション、「C」はコンテンツ、「M」はミーンズのことであり、コンテンツとミーンズの組み合わせによって、ターゲットが抱いている現在のパーセプションから、理想のパーセプションへと変化させることマーケティング・コミュニケーションであるということを示しています。

パーセプションをもう少し詳しく説明します。

パーセプションとは企業や商品に対するイメージや評価のことを指し、"I think 〜" とか「I feel 〜」の「〜」にあたるところのことです。消費者の心理を表す用語ですね。

例えば、ある商品Aが売れていない理由として、「Aは品質は良いけれど使い勝手は悪い」というお客様のパーセプションにあるとします。

「Aは品質も使い勝手も良い」というパーセプションに変化させることができれば、Aを買うという行動につながってくるだろうと考えていくわけです。

最終的な「買う/買わない」や「契約する/しない」というのは、あくまでも結果論であって、実際の行動を操作するのは、パーセプションという心理の変化(=パーセプションチェンジ)であるということなんですね。

この「TPCM」を使って、パーセプションチェンジを連続して行っていくのがカスタマージャーニーです。概念的にはこれで完成なのですが、マーケティングオートメーションで自動実行するところまでを狙っているためこのままでは完成しません。パーセプションの変化を自動判定するための遷移指標を入れる必要があります。

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資料:株式会社マルケト(スライドPage 35 遷移指標の策定)

では、遷移指標になり得る行動データには、どんなものがあるでしょうか。以下に例を挙げておきます。

・購買データ…契約獲得・継続・LTV
・ログデータ…サイト閲覧の程度・内容
・反応データ…広告やメールへの反応
・特定行動データ…見積請求・無料体験応募
・エンゲージデータ…SNSでの参加行動
・位置情報データ…リアル来訪来店

例えば、健康食品Fの初回購入までのカスタマージャーニーを書いてみると、次のようになります。

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資料:株式会社マルケト(スライドPage 37 遷移指標の策定)

上の白い四角がパーセプション、赤色がコンテンツ、緑色がミーンズ、そして紺色が遷移指標を示しています。まずパーセプションと遷移指標を決めたら、次にミーンズとコンテンツを設定していく。これが私の言うカスタマージャーニーです。